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YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

労働組合と EPA、リベラルの偽善 

2012-05-17 07:05:01 | アメリカ政治
アメリカ民主党の伝統的な支持母体は労働組合であったが、現在の首脳部が極端なリベラルばかりになってきた事で矛盾が出てきている。

2008年の大統領選でオバマを支持した炭鉱労働組合であったが。Environmental Protection Agency (EPA: アメリカ環境保護庁)が、採掘許可の基準を必要以上に厳しくしたり、石炭を使った火力発電の規制を強く打ち出している事で、今年の大統領選では支持をしない事を決定している。(献金をしない、組合として選挙活動を支援しないと言う意味)

EPA の規制強化だけでなく、よりクリーンな天然ガスが安くなった事で、石炭の競争力が落ちて来ている事もある。

炭鉱労働組合は、2008年の民主党大統領予備選でヒラリーを強く支持しており、本選でオバマを支持をする事に組合首脳が苦労した過去があり、元々オバマの評判は芳しくなかった。

オバマにとっては労働組合も環境グループも重要な支持母体である。リベラルが根本的に内在する矛盾が露呈している。

オバマ陣営にとって問題なのは、炭鉱がある州、オハイオ、バージニア、ペンシルベニアが、スイングステイトと呼ばれる過去の民主党、共和党のどちらにもなった事がある大統領選の行方を決める可能性がある州である事だ。(ウエストバージニアは、2008年もマケインであった)

"I think same sex couples should be able to get married."

2012-05-10 02:39:06 | アメリカ政治
オバマ大統領の昨日のテレビインタビューでの発言である。(その時の映像はこちら)就任中のアメリカ大統領が同性愛結婚賛成を表明したのは初めての事だそうだ。

ストレートの人を含めて、やたら感動している人もいるが、この発言に至る経緯やタイミングを考えると、単なる選挙キャンペーンの一環なので、騙されない方が良い。

先ず底流に、同性愛結婚についての発言はブレがある。イリノイ州上院議員選挙の時は賛成、連邦上院議員選挙や2008年大統領選挙の時は反対。大統領になってからは考え方が進化、発展してきたとコメントして来ている。

選挙区が小さくて同性愛者団体の組織的な票が欲しい時は賛成。選挙区が大きいときはトーンダウンして反対と言う戦略になっている。

大統領になってからは、ObamaCare の中絶問題で、反対派、特にカソリックを敵に回し、これらの票が逃げたので、今更気にする必要が無くなった。よって、同性愛結婚に賛成しても失うものが少ない。(中絶反対派と同性愛結婚反対派は、カソリックを中心にグループとしてはかぶる)

同性愛に関しては、軍の "Don't tell, don't ask" を廃案にしただけで政策的に何もして来なかったので、このグループの献金や支持が落ちてきていた事もあり、個人的と姑息に断りながら、賛成を打ち上げたのだと思われる。(但し、判断は州に任せると言っているので、基本的に個人的な違憲を言っているだけで政策的に何かするとと言っている訳ではない)

時期的には、ノースキャロライナ州で同性愛結婚を禁ずる州による投票結果が出た直後の表明である。ここで何かしないと同性愛結婚賛成の支持者が離れていくとの判断だろう。(連邦法としては結婚は男女間とされているが、州では認めている所が出てきている。このねじれを利用して連邦法でも同性愛結婚を認めさそうというリベラルの戦略がある)

事前に同性愛結婚に関する州選挙の分析を行っていたのだろう、ノースキャロライナ州の州選挙の直前に、副大統領、教育長官らが同性愛結婚賛成のコメントを積極的に出していたので、反対と言う投票結果を受けた場合、賛成といった方が人気が上がるとのシナリオが出来ていたのであろう。

同性愛やその支援者は、ここまであからさまでも思わず熱狂している。オバマ恐るべし。


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アリゾナ州移民法の連邦最高裁審理

2012-04-26 02:07:56 | アメリカ政治
2010年に不法移民の犯罪に業を煮やしてアリゾナ州が、連邦移民法を補強する形で成立させた州法は、連邦司法省から違憲であると訴えられていた。

連邦控訴審では違憲判決が出ていたが、アリゾナ州が控訴審判決を不服として申し立てをしたので連邦最高裁送りとなり、昨日審理が行われた。

判決は夏頃に出る予定だが、最高裁判事の発言(質問?)などから、アリゾナ州法は合憲であると言う結論が出そうな雰囲気である。

この騒ぎも、オバマが就任直後の人気のある時に、調子に乗って色々と要らんちょっかいを出した案件のひとつである。憲法の専門家なのに、数ページの法律原案も読まずに批判すると言った愚を犯している。

オバマ大統領は今年一月にアリゾナ州を訪問した時、空港に出迎えたこの州法を成立させた州知事と熱い会話(口論)でタジタジとなり、州知事に "Thin Skin" (肝っ玉が小さい)と評され、恥の上塗りをしていた。(関連記事は、こちら


最近つくづく思うのだが、大統領任期4年と言うのは絶妙で、何をやったかという結果がちゃんとでる頃に次の選挙と言うサイクルになっている感じである。

実績を誇れないオバマは、3ドル以上寄付すると人気俳優のジョージ・クルーニーの家でのパーティーに参加出来るというくだらんキャンペーンのメールを送りつけている。

既にゴミ箱に入っている Barack Obama さんからのメールはこれです。

Friend --

I'll be going to a special event at George Clooney's house in a few weeks, and two grassroots supporters and their guests will join us.

The only thing we've still got to figure out is whether two spots belong to you and your guest -- or somebody else and theirs.

So let's nail it down: Any donation you make today will automatically enter you and a guest to win.

Once you decide who you're inviting to join you, we'll be all set. The campaign will take care of your airfare and hotel for you.

Please pitch in $3 or whatever you can today, and keep your May 10th clear:

https://donate.barackobama.com/Clooney-and-Me

Hope to see you soon.

Barack

家内は、初めて Barack Obama からのメールを私のメールボックスで見たときは、何事かと、ドギマギしたらしい。


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ObamaCare: 連邦最高裁判決は6月末 (4-1-12)
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オバマ大統領 再選の行方(14):共和党の副大統領選び

2012-04-25 04:55:48 | アメリカ政治
Romney が昨日東部5州の予備選も全勝し、共和党候補に事実上決定した。(まだ公式ではない)

8月の党大会まで頑張ると言っていた Gingrich も資金不足が深刻なので、数日中に撤退宣言を出す見通しとなっている。( Paul の名前は報道にすら上がってこない)

ここからは、副大統領候補選出が中心になっていくであろう。

共和党の予備選では、保守系候補者 Santorum, Gingrich が保守的な州で勝利したり、随分昔の様な気がするが、Bachmann らの人気が出たりしたので、中道である Romney とバランスをとる為に保守色の強い副大統領候補を選ぶべきだという意見が根強かった。

大統領選に勝たなくては意味はないのは分かっているが、オバマ政権の無能振りを見るに着け、実務能力の高い副大統領を選ぶ事で、大統領選も有利になり、そしてなにより政権運用が潤滑に進むとすっと考えている。

副大統領候補は、いざと言う時大統領になると前提があるので、ある程度安心感のある人物が必要である。2008年共和党副大統領候補の Sarah Palin は、そういう意味で、実力とは関係無くモミクチャにされた。

一方、オバマの副大統領は、史上最悪の誉れ高い、お間抜け Joe Biden なので、オバマの足を引っ張る事になるだろう。(2008年の副大統領候補討論会では、Sarah Palin の方がずっとまともであった)

大統領選挙選をを考慮すると、約40州は基本的にどちらの党になるかが決定しているので、Swing States と呼ばれる過去に共和党にも民主党にもなった州での激しい戦いとなる。そのなかでも選挙人数の多い州、オハイオとか、フロリダとかを意識した人選と言う事が考えられる。

現時点では、保守系では Santorum、実務系では大統領選にも立候補していた州知事経験者の Huntsman、フロリダ州上院議員の Marco Rubio の名前が挙がっている。後は、ウインスコンシン州下院議員の Paul Ryan、ニュージャー州知事の Chris Christie くらいか。

Santorum は予備選で健闘したものの、激しい戦いだった事もありエキセントリックな一面が出たりしたので X。

Huntsman は、個人的には良いと思うが、Romney と同じモルモン教でもあるので、避けられると思う。

Marco Rubio は、若いしキューバ移民で、フロリダだけでなくヒスパニック票の期待も出来るが、上院議員になったばかりなので実務能力としては未知数である。

Paul Ryan は、どちらかというと閣僚(財務長官)向きであろう。

Chris Christie は人気が高いが、本人にその気が無いように見受けられる。将来、一発勝負で大統領に打って出そうな気がする。

で、登場するのが、オハイオ州上院議員の Rob Portman である。

オハイオ州出身で、下院議員をやった後、ブッシュ政権では閣僚経験(通商、予算)がある。保守系の度合いは薄そうだが、家業の手伝いとしてビジネス経験はある様だ。

共和党副大統領候補者選び、彼の様な馴染みのない政治家が出てきたりして、暫く楽しめそうだ。

以前のエントリーでも感じたのだが、アメリカ政界の人物の豊富さには溜め息が出る。

オバマ大統領 再選の行方(13):共和党の大統領予備選、Santorum 撤退

2012-04-11 05:42:48 | アメリカ政治
共和党の大統領予備選、2番手であった Santorum が昨日、撤退宣言した。共和党大統領候補は、事実上 Romney に決定した。

Santorum 撤退の要因は大きく分けて2つ。選挙資金が枯渇して来ている事と3歳の娘の病気の為である。

資金については、活動開始当初から悩まされており、突然人気が出ていくつかの州を勝った後、勝負どころのミシガン州、オハイオ州で Romney に僅差で敗れたのは、テレビ宣伝などを打てなかったと指摘されていた。今後、ニューヨーク州、カリフォルニア州とかドブ板ではどうにもならない大きな州が残っているので、見通しは暗くなっていた。

一番下の3歳の娘が、エドワーズ症候群であり、先週は肺炎で入院している。この病気は、染色体異常により発症する先天性疾患性とのことで、幼児期での致死率が高い難病だそうだ。

今後の Romney であるが、焦点は副大統領候補選びと、予備選を勝ち抜く為に Santorum, Gingrich に対してネガティブキャンペーン多用の悪影響の克服であろう。

保守好みの実績、人気のある副大統領候補を選んで、一石二鳥という楽観的なシナリオも考えられる。

元々、中道イメージが強く、予備選を勝ち抜く為に、保守色を強く打ち出してきていた。しかし、本戦を考えると、保守色を強く打ち出して本戦の行方を決定する中間層を取り込めるのかというジレンマが出てくるので、バランスが難しい所であろう。

ニューヨーク州、カリフォルニア州とか、ほぼオバマが本戦で勝利しそうな州に、共和党の予備選の為に無駄な資金の投入を押さえられる事は助けになるし、今後、対オバマ戦略に集中出来る。

個人的には、今後も強く保守色を滲ませる事でオバマとのコントラストがより強くなり、中間層へのアピールが強まると思う。

オバマ大統領 再選の行方(12):共和党の大統領予備選、やっとゴールが見えてきた

2012-04-04 09:59:09 | アメリカ政治
今日、メリーランド州、ワシントン DC、ウィスコンシン州で共和党の予備選があり、Romney が全てで勝利した。やっと Romney で落ち着きそうだ。

残りの3人も正式には脱落宣言をしていないが、Gingrich は2週間前に選挙活動のスタッフを3分の1に減らしており事実上の撤退をしている。Santorum は今後の方針をウィスコンシン州での勝利に掛けていた節があり、地元ペンシルベニア州までは頑張るだろうが資金を含め息切れしてきた。Paul は相変わらず。

先週、共和党内の有力者、知名度、人気のある議員が相次いで Romney のサポートを表明している。まずは、パパブッシュ、そして、ウィスコンシン州連邦下院議員 Paul Ryan、フロリダ州連邦上院議員 Marco Rubio (副大統領候補の噂もある)である。

Santorum の予想外の大健闘で分裂気味になった共和党であるが、風向きが決まりつつあるので、まとまりが出てきた感じである。Romney も余裕が出てきており、記者会見では、本選を睨んで対オバマのトーンが強くなってきている。

話題も段々と副大統領候補とかにシフトしている。Romney が正式になれば、野次馬の一番の関心である。

オバマ陣営も Romney との対決を本格的に意識してきており、早速「ガソリン価格が高いのは、石油業界から資金提供のある Romney のせいだ」などと、全く無責任なテレビコマーシャルを流したりしている。

最高裁へのイチャモンとか、連邦下院の予算案への文句とか、オバマは選挙活動スタートの狼煙なのか共和党への全面攻撃を始めているが、候補者ではなく大統領であるだけに、ホワイトハウスの威厳とアメリカ大統領の持つオーラを汚しながら、自分を殊更に矮小化しているように見える。現職大統領の強みである実績を誇れないので仕方ないか。


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大学で憲法を教えていのに過去の有名な判例を知らないオバマ

2012-04-03 19:40:56 | アメリカ政治
オバマ大統領は、ObamaCare の最高裁審理後としては初めて「 ObamaCare を違憲とするのは、過去に前例が無い判決であり、特別な事なので、そうはならないだろう」とコメントを出した。

今日の WSJ の社説 "Obama vs. Marbury v. Madison" で、大学で憲法を教えていたのに、最高裁判所が、1803年の有名な "Marbury v. Madison" 以来、数多くの法律に対して違憲判断をしてきた事を知らないらしいと、コケにされていた。

オバマは、ObamaCare を成立させたが、内容は理解しておらず、憲法や最高裁判所の歴史や役割も知らない。


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ObamaCare の中身を知らないオバマ大統領 追記有り (3-18-10)

ObamaCare: 連邦最高裁判決は6月末

2012-04-01 10:13:17 | アメリカ政治
先週3日間に渡って、最高裁判所で審理された ObamaCare が結審し、6月末に判決が言い渡される。

論点は3つ。

1)健康保険購入が義務付けられた場合、違反した時の罰金は税金であるか

オバマ政権と民主党は、ObamaCare が憲法違反である事を意識していた。未加入の罰金を税金と規定出来れば、連邦議会にのみ与えられた徴税権の概念で ObamaCare は憲法問題ではなくという屁理屈を法案成立後に宣伝した時期があった。

法案自体に税金の記述がなく、法案の意図としても税金という考え方は示されていないという結論となり、審議が続けられる事となった。

この論点は意外と重要で、もし、税金だという事になれば、Social Security, Medicare と同じ事になり、憲法違反ではなくなる。(Social Security, Medicare も、原理的に憲法違反であると思われるが)また、現時点では法が完全施行(購入義務付けは2014年)されていないので、税金と規定した場合、まだ誰も被害(税金支払い)を被っていないので、被害無し(予定被害)の提訴は出来ない。

2)政府は国民に健康保険購入を義務付けられるか

被告側は、健康保険は特殊なサービスで、国民ぼぼ全てが生涯で必ず医療サービスを受ける事になると主張したが、誰もが死ぬからと言って葬儀の義務付けや規制を政府が出来ないと、裁判官の一人に反論されていた。

別の判事も、この法律は、政府と国民の関係を根本的に変えるとコメントしていた。

3)ObamaCare が違憲となった場合、全ての法律が無効となるか (含む Medicaid )

健康保険購入の義務付けだけではなく、例えば26歳まで親の保険に入っていられるとか、避妊薬のカバーとか、細かい規定があるのだが、これらは、果たしてそのまま施行されるのか、が審理された。

判事の一人は、2,700 ページもの法律を全て最高裁判所が判断すること自体が、裁判所の権限、役目を超えているとコメント。

ObamaCare の成立過程で、憲法問題とその他の項目を分ける事も出来たのだが、上院の成立案を下院で可決して成立という特殊な過程だったので、結局、オバマ政権、民主党は、上院案での不完全な所が修正出来ず、ヘンテコリンなままで法律となってしまった。

よって、ObamaCare が違憲となった場合、法律自体も無効となりそうだ。

ObamaCare は、低所得者向けの政府医療サービス (Medicaid) の改革も含んでいたが、これも反故になりそうだ。Medicaid 自体は州が国の補助を受けて運営しているのだが、この件のやり取りで、一番新しい判事である Elena Kagan が原告に対し、政府からもっと多くの補助金が出るのに何が不服なのかと、リベラル丸出しのお間抜けなコメントを出していた。さすがオバマ直々に選んだ人物だけの事はある。

審理中の判事の質問やコメントで判決の行方を判断するのは危険であるが、素人の私でも被告(オバマ政権)の分は悪いと感じた。

民主党からも、違憲判決が出た方が、オバマ再選の可能性が高まるといったヘンテコリンな悲壮感の漂う楽観的見通し、が出てきたしているので、ヤバいと感じる人が多いのだろう。

まあ、後は判決を待つだけだ。


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ObamaCare: いよいよ連邦最高裁で審理開始

2012-03-25 00:19:10 | アメリカ政治
ObamaCare の違憲性を問う裁判が来週から始まる。原告は26州の州司法長官連名でで、被告は連邦政府である。

争点は、連邦政府は、国民に特定の商品、サービスの購入義務付けを出来るかということである。

ObamaCare が成立してから丸2年で、完全実施の2014年に向けていろいろ準備や部分的に運用が進んでいるが、問題が出てきている。国民の理解も深まると自信を見せていたオバマ政権、民主党であるが、逆の方向になっている。

法律の正式名は、The Patient Protection and Affordable Care Act というのだが、医療保険代の高騰も相変わらずである。

オバマが意地だけで通したのであるが、再選に向けたキャンペーンでも利用しない奇妙な状況である。

連邦最高裁の判断は夏頃だが、どう転ぶかわからない。

ひとつだけ言えるのは、どちらにしても2012年の大統領選に及ぼす影響が大きく、共和党が勢いずくと思われる。原告勝利で、オバマの非を責めれるし、被告勝利で、共和党大統領で廃案もしくは骨抜きを訴えれるからだ。

予想としては、(希望的観測を込みで)原告勝利になると思う。

If I had a son, he would have looked like him.

2012-03-24 18:37:40 | アメリカ政治
確かに似ている。



仮定法過去と仮定法過去完了が合わさった複雑な構文であるが、さすがアメリカ大統領、文法だけは正しい。"I" はオバマで、"him" はフロリダ州で自警団員に撃ち殺された Trayvon Martin の事である。オバマに息子はいないし、Trayvon Martin は死んでしまっているからだ。

深夜、携帯電話を掛けながら歩いていた丸腰の17歳の黒人少年を、不審に思った白人の自警団員(ボランティアで近所の見回りをしている)に撃ち殺された、というのが事件の概要である。

フロリダ州は、自分の敷地以外でも危険があると判断すれば防衛出来るという法律(Stand Your Ground law)があり、正当防衛と判断されて逮捕もされていない。

オバマ大統領は、先日、連邦議会公聴会で避妊薬についてコメントした女性大学院生がラジオで批判された事に関してわざわざコメントしたり、この学生に電話したり、人気取りのためにアメリカ大統領としてはどうでの良い事に口出しするので、今回の事件(事件でもないのだが)何もしない事に、黒人の人権リーダー達がプレッシャーを掛けていた。

大統領のくせに、どうでも良い事に口を挟むから、自業自得なのだが、もっとやる事があるだろうと思ってします。


こういう奴には、自作の仮定法過去完了の例文の傑作と信じている英語の捨て台詞を、一発かましてみよう。

You should have come the day before yesterday!!

「おととい来やがれ!」の直訳です。失礼致しました。

www.breitbart.com

2012-03-10 07:06:58 | アメリカ政治
オバマの政治信念については、非常に左よりのリベラル(もしくはプログレッシブ)を超えた分析は見掛けない。

大統領としての執務能力が無いと事が証明された今となっては、重要性は低くなったが、オバマの根底にある反アメリカ的な気持というのは理解しておく必要があると思う。

Andrew Breitbart は保守系ジャーナリストで、最近はインターネットで話題性の強い映像を掘り出す、際物系であった。つい最近43歳で亡くなっており、直前までオバマのハーバード時代を追求していた。(彼のサイトは、www.breitbart.com、今後も運営は続けられる様だ)

"Critical Race Theory" で有名な Derrick Bell との関係は以前から報道があったのだが、彼の理論の分析とオバマとの親交については、深く追求、分析される事は無かった。

大雑把に言うと、Critical theory とはマルクス系の社会学(社会批判)であり、Critical Race Theory は、それを人種問題に特化させたものである。マルクス系である所から、反アメリカ的であるが、人種差別が入ると、反白人主義が混ざってくる。

普通は人権平等のカバーを被るのであるが、黒人である Derrick Bell は、アメリカは絶対的な白人優性の社会であると決めつけて、人種融和ではなく、対決、破壊するという信念の持ち主である。

彼は思いっきり間違っていたのである。

黒人大統領が選ばれる事で、「白人絶対優性」というものがアメリカに存在しない証明になるのだが、証明の中心にいる人物が、一時的にしろ、積極的に、特殊で異端である反アメリカ的な Derrick Bell の "Critical Race Theory" 支持したことは、やっぱり、じっくり吟味されても良いと思う。

その後、「黒人救済神学」のスター的牧師がいる教会に、大統領選出馬で問題になるまで20年も通っていた事を考えると、オバマの芯は、所謂アメリカ的なおおらかで温かなさでは無く、攻撃的な嫌悪がある様な気がする。(以前から "obama psychological profile" が気になっていたのでググってみると、面白い物がある)

やはり、オバマ大統領の誕生は、反社会的、反アメリカ的な集団が80年の年月を掛けて起こした奇跡であろう。彼は、そんな人々の夢であり、幻想である。オバマの再選を阻むのは、このような人物と支援する集団を排除するアメリカ建国の理念という事であろう。


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オバマ大統領の信仰する宗教は? (8-20-10)

オバマ大統領 再選の行方(11):スーパーじゃなかったスーパーチューズデー

2012-03-09 05:13:54 | アメリカ政治
Romney がオハイオ州で僅差で勝利した。

ミシガン州、オハイオ州と激戦を凌ぎ、粘り強いファイター振りを見せ付けたが、インパクトは相変わらず弱い。スーパーチューズデー10州のうち6州で勝利しているし、選挙人の数でも Santorum を3倍近く引き離しているのに、やっぱり、さっぱり盛り上がらない。

どう考えても共和党候補は Romney しかいないと思うのだが、この混戦が予備選の醍醐味なのだと思う。政治基盤が全く違う地域を勝ったり負けたりしながら、ヘトヘトになるまで戦わなくてはならないのだ。この過程が、候補者を鍛えていくのだろう。2008年の共和党は、マケインで早々と決まったが、本戦ではあっさり敗退している。(オバマだってヒラリーとヘトヘトになるまでに戦った挙句に、最終的にはどちらも過半数を取れず、連邦議員の裁定で決着が付いている)

報道もスポーツ中継の様になっている。政策論争がすっ飛んで、只のお祭り騒ぎである。傍から見ているとくだらないのだが、候補者が細かく各地を回る事で、本戦での投票率アップとかに繋がっていくのだろう。アメリカ大統領選挙版、ドブ板活動だ。世論調査などでは、共和党の内輪揉め(?)にうんざりしている人が多くなっているが、実態を上手く捉えていない様な気がする。

Romney で決まりだと思うが、暫く共和党の選挙戦は続いていきそうな気配だ。(私の予想は外れたようだ)

さて、残り二人の動向だが、Gingrich は地元ジョージア州で勝利したものの元気がない。サウスキャロライナ州で勝ったときは、保守派の票を結集する為に Santorum に撤退を呼びかけて共闘を提案していたのに、今では立場が入れ替わり、彼から撤退を呼びかけられる状況になっている。

Paul は、相変わらず、唯我独尊、我が道を行っている。穿った見方をすると、2008年、ケンタッキー州から連邦上院議員になった将来大統領選に出馬する噂のある息子 Rand Paul の予行演習の為に続けている様な気もする。

避妊薬に年間 $3,000 !? (追記あり)

2012-03-03 04:40:06 | アメリカ政治
カトリック系大学に通う女子学生の多くは、避妊薬が大学の運営る健康保険でカバーされないので年間 $3,000 の負担となり、経済的に苦しんでいるらしい。

そんな事を堂々と、連邦議会の公聴会で語ってしまう法学部に通う女子大学院生が存在するのは、世界中でもアメリカ位であろう。

この公聴会は ObamaCare に避妊薬のカバーの義務付けに端を発した宗教の自由との関連、特に、カトリック系団体の反対運動に対する反論みたいなものであるだけに、余計に胡散臭い。宗教問題をフリーセックスと苦学生の話にすり替え様としている。

この大学院生、活動家であるとも言っているので、リベラルなのだろう。リベラルに毒されると恥もなくなる良い例(悪例)であろう。

フリーセックス(これは基本的に賛成)、中絶賛成、エイズ撲滅、避妊薬のカバー義務付け、どれもリベラルが熱心にやっている事であるが、それでいながらカトリックの学校に通うことが、偽善である事に気が付かないのはどうしてだろうか?

避妊の問題にしても、エイズが盛り上がった時に、コンドームを正しく使う事で決着がつたのではなかったのか?避妊が出来れば、体液を通して拡がる病気は関係ないのか!それらの治療も ObamaCare でカバーされるから大丈夫なのか?

避妊薬がカバーされるのなら、カトリック系の大学生に戻りたいものだ。自己負担であっても年間 $3,000 も避妊薬代が必要な女学生が多いのだ。保険でカバーされたら、凄い事になりそうだ。




過去の関連エントリー

ObamaCare: 避妊薬問題 (2-13-12)


追記 (3-4-12)

避妊薬の表現だけだと、ピルの様な事前に飲む薬を連想しそうだが、ここでは "Plan B" (ネーミング上手すぎだが)のような、いたした翌朝に飲む薬の事である。(ObamaCare: 避妊薬問題 (2-13-12))

避妊薬というより中絶薬であるのでカトリックが騒ぐのである。値段も比べものにならない程高いらしい。(だから、年間 $3,000 ?)

大学生になってセックスするなら、経済的にも負担が少ないので、計画的な避妊(ピル服用)とか、エイズ防止の意味でもコンドーム使用とか出来ないのかという話である。(女ばかりでなく男の責任でもあるのだが)

オバマ大統領 再選の行方(10):共和党ミシガン州予備選 Romney 勝利 (アリゾナ州も)

2012-02-29 21:52:37 | アメリカ政治
Romney が Santorum を凌いでミシガン州で勝利した。

人気がちょっと早めにピークしたので、Santorum は予想通りネガティブキャンペーンでモミクチャにされた。但し、先週行われた討論会での対応も芳しくなく、過去の問題発言等も穿られて、勢いが止まってしまった。ミシガン州敗北の後では、なぜ急に人気が出たのが不思議な位である。

3月6日は Super Tuesday、いよいよ共和党候補者選びの天王山である。特に、オハイオ州が鍵になりそうだ。

楽勝と思われた地元ミシガン州での苦戦を克服した事で、Romney の打たれ強さが際立ったと思う。

保守系の候補者はアップダウンが激しいので、忘れられた感のある Gingrich さえ地元ジョージア州での挽回を狙ってたりする。しかし、右よりの候補者はどこか決定的な欠点があるので、人気ピークが過ぎると復活は難しいだろう。

候補者選びでは、保守系候補者が持つそれぞれの欠点のために残念ながら振れが激しいのだが、共和党の右よりの人々は、予備選を通じてもっとも積極的に活動をしており、予備選を盛り上げているのは間違いない。

その影響で、元々中道であった Romney が右に引っ張られているのだが、本選ではオバマとの違いを明確にする上での助けになるのではないかと思う。

無党派(インデイペンデント)のオバマ離れが著しく、支持ベースでさえも盛り上がりが欠けているので、共和党が激しい予備選で活発になるのは悪い事ではないと思う。

共和党内は最終的に ABO (Anyone but Obama) で結束するのは間違いなし、そう思っているのは共和党員だけではないのだ。


過去の関連エントリー

オバマ大統領 再選の行方(9):ちょっと目を離した隙に (2-18-12)

2012 オバマの副大統領候補

2012-02-26 10:36:44 | アメリカ政治


最近こんなロゴを見掛けるので、現職副大統領のバイデンで決まりなのだろう。

アメリカ歴代の大統領の中で一番 IQ が高いと誉れの高いオバマには、史上最悪の副大統領との評判が確定しているバイデンとのコンビネーションが抜群。

オバマが再選して、ヒラリーが国務長官を辞めたら、オバマ政権の閣僚メンバーは目も当てられなくなりそうだ。

それにしても、どんなヘマをしても、不適当発言をしても、不思議と閣僚が辞めない政権である。