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YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

The American people aren't stupid

2012-02-24 22:00:23 | アメリカ政治
オバマは、絶対に The American People を STUPID だと思っている。

"The American people aren't stupid" は、共和党がガソリン高騰でオバマ大統領の無策を非難した事を逆手にとって、アメリカ国民は、そんな共和党の批判を真に受けるほど愚かではないと反論した時のコメントである。

Really!? もう誰もオバマが本当の事を言うとは思っていない。

石油が値上がりしガソリンが高騰するたびに、現在のアメリカの産油量は過去最高だと自慢するが、10年前にブッシュ政権が積極的に採掘権を許可した成果である事には一切触れない。

基本的にグローバルの石油市場の供給は安定しており、価格の変動は心理的な要素が強い。外交ではハッキリしない中東政策、国内のエネルギー政策ではグリーンエネルギーへの傾注など、オバマ政権の化石燃料嫌いで、この3年間長期的なエネルギー政策、特に石油絡みのが、採られてない事を市場はとっくに見抜いている。

その上、石油相場はドル取引なので、規律の無い財政政策でのドル安が、原油高の要因にもなっている。

その事をオバマが知らないわけではないのに、"Drill, Baby Drill" は解決策ではないと大嘘をつくのだ。そして、(これだけは真実であるが)急にガソリン価格を下げる魔術はないと、恥ずかしげもなく責任放棄の発言をするのだ。

もう少しガソリン価格が上がると、ホルムズ海峡で事が無くても、政府の戦略的備蓄を人気取りのタメに放出したりするのだろう。(以前にも実施した)

それで、ちょっとばかり支持率が上がったりして、悦に入ったりするのであろう。

アメリカ国民を愚弄しながら、オバマの高笑いの日々は最低でも後11ヶ月は続くのである。

オバマ大統領 再選の行方(9):ちょっと目を離した隙に

2012-02-18 17:15:33 | アメリカ政治
共和党の予備選の行方が、なぜか混沌としてきている。

フロリダ州での勝利で、Romney で決まりと思ったのだが、私用で日本に帰っている間に行われたコロラド、ミネソタ、ミズーリで Santorum が勝利して、グングン人気が出てきている。(但し、これらの3州は選挙人 (Delegate) を直接確定する選挙ではないので (Caucus) 、重要性はそれほど高くない。選挙人の数では Romney がリードしている)

次の大きな山場は、2月28日のミシガン州の Primary (これは、選挙人が確定)になる。Romney にとっては、生まれ故郷だし、父親がミシガン州の州知事をしてた事もあるので尚更だ。もし、ミシガンで負ける様な事があれば、本格的に共和党の候補者選びは大混戦となる。

人気調査では、アメリカ全土で Santorum 39%, Romney 27%、ミシガン州でも 35%, 32% となっている。

資金力のある Romney 陣営は、ここ数日、テレビ、ラジオで、Romney のコマーシャルをバンバン流しており、Super-PAC と呼ばれる候補者とは無関係の Romney 勝手応援団体(候補者自身の団体と違って、いろんな面で規制が無い)による Santorum に対するネガティブキャンペーンも頻繁に流れている。

なぜ Santorum の急上昇しているのか、アメリカを不在にしていたので雰囲気が分からないのだが、Gingrich が息切れしたので保守票が一時的に集まっているという感じがする。ObamaCare の避妊、中絶問題が大きく取り上げられているので、敬虔なカトリックである事が推進力になっている可能性もある。

今回の共和党の候補者選びでは、急激に人気の出た候補は、急落する傾向がある。Romney は、支持率 25% 候補と揶揄されながら安定している。ミシガン州の投票日まで10日あるので、微妙な時期での人気急騰である。ちょっと早すぎて、投票日までに Santorum モミクチャにされそうだ。

ミシガン州で Romney が勝利し、本格的に候補者確定という読みは変わらないが、一筋縄でいかない所に、逆に共和党全体としての意気込みと支持層の多様性が映し出されている様な気がする。

一方で、オバマ陣営はこれまで一貫して比較的静かに Romney に対するネガティブキャンペーンを行ってきていたが、Santorum の情報収集を始めたと報道されている。手際が良い風にも見えるし、全然読めてないのでは、という印象もある。


過去のエントリー

ObamaCare: 避妊薬問題 (2-13-12)
オバマ大統領 再選の行方(8):Romney の順当勝ち in Florida (2-1-12)

ObamaCare: 避妊薬問題

2012-02-13 22:54:19 | アメリカ政治
アメリカにおける避妊、中絶の問題は、宗教の自由の問題とも絡んできるので複雑にならざるを得ない。

カトリックは婚前交渉を禁止しており、避妊を推奨すること(避妊薬を健康保険でカバーすること)は、この教義を蹂躙することになる。中絶などはもってのほかで、極端な議論として、避妊をせずに性交した翌日に避妊薬を飲むことは、中絶と同じ行為であると考えられている。(計算上、射精後80分で卵管と呼ばれる管状の部分の一部「卵管膨大部」に到達するそうだ)

ObamaCare の中絶に関しては、法案成立直前の大統領命令によってカバー出来ない事になっている。但し、大統領命令は法律に優先する事は出来ないので、当初から、インチキ Pro-Life (中絶反対派、多くはカトリック)の票を集める為の方便であると認識されていた。

今回、避妊について、教会のみを適用外で押し切ろうとしたのだが、大きな論議を呼んでいる。妥協案として、製薬会社が無料で避妊薬を配ることを義務付けるとなっているが、他の薬にこのコストが乗っかるのは当たり前なので、避妊を宗教上の理由で拒む人も負担を強いられることになる。

なんで大統領選挙が始まりそうな時に、こんなややこしい問題が出てきているのかというと、オバマは基本的に Obamacare の具体的な内容など気にしてないので、思わず漏れてしまったという事だろう。法案成立前にも内容に無関心であったし、具体的な法律作りにも関与していないのだろう。

ObamaCare については、既に、政府が特定の商品(ここでは保険)を市民に強制購入さす事を違憲とする判決が出ているが、避妊薬の問題では、憲法の自由を犯しているという認識が広がってきている。民主党内でさえも異論が出てきている。(民主党議員は、ObamaCare 成立の時の中絶の件をみてもイカサマな人が多いので、どこまで本気が怪しいのだが)

共和党の候補者選びがゴタゴタしていて、オバマの再選の可能性が少し高くなっている世論調査が出てきたりしているが、個人的には、オバマ政権が、再選の望み薄とみて、ヤケクソをしている様に思えてならない。カトリックだけで無く、教会を敵に回す様な事を、こんなにウッカリやる事自体がアマチュアっぽい。

間違って再選したら怖いもの無しになるので、共和党が上院の過半数をとり、下院の過半数を維持したとしても、滅茶苦茶な事をやりそうだ。私の読み通り、再選出来なければ、色々と面白い内部暴露本が出てきそうだ。(面白がっている場合ではないが)


過去の関連エントリー

ObamaCare またしても違憲判決(追記あり)(2-1-11)
神なき国アメリカ (3-28-10)
ObamaCare の中身を知らないオバマ大統領 追記有り (3-18-10)
健康保険改革法案 いよいよ大詰め (3-6-10)
カトリック教会の目覚め (11-25-09)

オバマ大統領 再選の行方(8):Romney の順当勝ち in Florida

2012-02-01 01:32:46 | アメリカ政治
SC 州での Gingrich の勝利は珍事であった事が証明されただけであるが、Romney へのショック療法としての効き目があったので、それなりの意味があったと言えるだろう。

まだ、46州も残っているが、共和党の大統領候補は Romney に決定だろう。今後 Romney は、オバマとの対決を意識しながら、共和党の予備選を慎重にこなしてゆく展開と予想される。

Romney には、反オバマのメッセージが弱い感じが付きまとうが、オバマが後4年もやるのは嫌だと思う無党派層を優しく取り込むだけで勝てそうだ。まあ、反オバマは重要であるが、何をするのかは、もっともっと重要なのである。

穏健中道路線か、右派路線か、バランスが難しい所ではあるが、キャラ的にも穏健な感じがしっくり来ている、というか中身もその通りなので、共和党と無党派を柔らかく包み込めるのではないだろうか。

共和党が上手く機能すれば、党内右寄りがオバマ攻撃を受け持ち、Romney は政策論争で勝負と言うという理想の構図が出来上がる可能性がある。


「アメリカ政治」のカテゴリーで2012年大統領選の行方をエントリーしてきたが、煩雑になってきたので、近々、別のブログにしようかと思っている。ここに書き込むのは今まで通りだが、過去の関連エントリーを抜粋して、今後は関連エントリーをそちらにコピーして、ある程度まとまった形にするつもり。


過去のエントリー

オバマ大統領 再選の行方(7):Gingrich が勝っちゃった in SC 共和党予備選 (1-21-12)
オバマ大統領 再選の行方(6):Waiting for Hillary !? (11-24-11)
オバマ大統領 再選の行方(5):共和党は、Mitt Romney vs Newt Gingrich (11-13-11)
オバマ大統領 再選の行方(4):共和党候補の狂気(?) (9-29-11)
オバマ大統領 再選の行方(3):Waiting for Rick Perry (8-12-11)
オバマ大統領 再選の行方(2):共和党候補者の動向 (6-13-11)
オバマ大統領 再選の行方(1):投票者登録 (6-1-11)

2012 一般教書演説

2012-01-24 21:30:09 | アメリカ政治
一般教書演説ってこんなに中身のないものだったのだろうか?

オバマの一般教書演説を3年も聞いているが、年々退屈なものにっている。スタンディングオベーションの回数が少なくなり、喝采のボリュームもしょぼい。

新しいことは何も言っていない。チョコチョコと実績を誇るが、たいしたものがないので盛り上がらない。オサマビンラディン殺害とイラク撤退を冒頭に持ってきたが、これでさえ爆発的な興奮をもたらさなかった。

いろいろなアイデアを盛り込んでいるが、どれも手垢まみれなものであった。

階級闘争的な部分もあったが、思ったよりひどくなかった。

もっと強烈な大統領選挙に向けての演説になるかと思ったが、大統領職への畏敬からか、ただの原稿が失敗しているのかは不明であるが、どちらにしても、インパクトがなく、なんだかはっきりしない内容であった。

財政再建、社会保障改革、移民法改革、外交方針等々、何一つビジョンを示す事すら出来なかった。

自分自身への葬送曲のような、物悲しい雰囲気に包まれたオバマ最後の一般教書演説であった。


過去のエントリー

2011 一般教書演説 (1-26-11)
2010 一般教書演説 (1-28-10)


追記:共和党の対抗演説はインディアナ州知事のミッチダニエル。素晴らしいの一言。今でも共和党内で、彼が大統領選に立候補する事を熱望する人が多い理由が良く分かった。

Keystone XL Pipeline

2012-01-23 06:43:56 | アメリカ政治
パイプライン建設許可に、アメリカ大統領がガタガタいうこと自体が、問題を政治化させている事と、オバマが無能な事を証明している事に他ならない。(基本的な許可は、州レベルの案件でもあるので、違法な越権行為の可能性もあるらしい)

昨年末に、揉めた挙げ句、Social Security の2ヶ月減額延長(オバマは減税と言っていたが)を、最後まで反対していた共和党多数の下院が通した時、抱き合わせで建設許可判断を迅速に出す付帯条件があったが、オバマ政権は、(予想通り)許可をせず、引き続き調査すべしとの結論を出した。

Association of Oil Pipeline によると、アメリカでは約50万マイル(78万キロ)のパイプラインが敷設されており、Keystone XL Pipeline は現存しているどのパイプラインよりも安全なものになるとの事だ。その上、水源に影響あるとされのは、全長2000マイルのうちの100マイルのみである。

事故の可能性を否定する事は出来ないが、オバマが力説する様に、水源を汚染するというタチのものではないのだ。

石油依存が暫く続く事を考えると、クリーンエネルギーとかトボケた事を言っているオバマは、環境保護団体、そして、それに連なるリベラル団体の大統領選挙における票離れを怖がっているとしか考えられない。

雇用促進に全力を傾けるといっているが、政府のお金を一銭も使わず、直接雇用2万人(オバマを支援する建設関係の労働組合関係の雇用という皮肉もある)、間接的に10万人のチャンスを放棄している。外交面でも、安定度が抜群のカナダからの輸入をしないのは、将来の外交政策の選択肢を狭めることにもなる。

真摯な気持で許可しないにしても、選挙の事を考えて許可しないにしても、阿呆と言う結論しかでない。(明日の一般教書演説で、ナンセンスな言い訳が聞けるかも)


過去のエントリー

ホワイトハウスのサイト、下品なカウンター (12-9-11)
オバマ政権、パイプライン建設許可を保留 (11-26-11)

オバマ大統領 再選の行方(7):Gingrich が勝っちゃった in SC 共和党予備選

2012-01-21 22:30:19 | アメリカ政治
共和党予備選の行方を見ながら、オバマは高笑いをしているだろう。なにせ、Gingrich がサウスキャロライナで勝っちゃったのである。

勝因は、今週木曜日テレビ討論会にあったと思う。

ボチボチこの2人に絞られるだろう。

Romney は、アイオワ(最終的に僅差2位という結末になった)、ニューハンプシャーシーでの滑り出しが好調だったので、守りに入り過ぎた嫌いがある。選挙活動を見直す絶好のチャンスになればと思う。6年もやってきた準備の良さが、討論会では裏目に出ている感じがする。

さて次はフロリダであるが、Gingrich は勝てないと思う。

Romney と Gingrich の政策的な違いはほとんど無い。だからこそお互いの批判が、本質から外れる嫌いがある。

ボチボチ、具体性を持った政策論争が聞きたいものだ。オバマは4年前の大統領候補の時も、現職の大統領としても、まともな政策を語った事がない。

共和党で血みどろの争いをするなら、残酷な現実をありのまま示して、厳しい方針を討論して欲しいと思う。それが、オバマを破る近道であるし、アメリカ再生への第一歩となるからだ。

来週の火曜日は、オバマ大統領の一般教書演説であるが、選挙演説だけは聞きたくないものである。

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オバマ大統領 再選の行方(6):Waiting for Hillary !? (11-24-11)
オバマ大統領 再選の行方(5):共和党は、Mitt Romney vs Newt Gingrich (11-13-11)
オバマ大統領 再選の行方(4):共和党候補の狂気(?) (9-29-11)
オバマ大統領 再選の行方(3):Waiting for Rick Perry (8-12-11)
オバマ大統領 再選の行方(2):共和党候補者の動向 (6-13-11)
オバマ大統領 再選の行方(1):投票者登録 (6-1-11)

Rick Perry も脱落

2012-01-20 21:07:50 | アメリカ政治
サウスキャロライナ州での共和党予備選挙を目前にして、Rick Perry が降りた。そして、パーフェクトな候補者はいないという意味深なコメントを付けて、Gingrich を支援する事を発表した。

出馬宣言の前後では一番人気だった事もある。現職の州知事だけに期待もしていたが、基本的に大統領の器ではなかったと思う。一方で、直前まで出馬をしないと言ってたので、2010年連邦選挙の共和党、特に下院での躍進を見て、変な勘違いをした可能性が高い。

それよりも、予備選を2日後に控えて CNN で共和党候補の討論会があったのだが、Gingrich がかましてくれた。

この討論会と同じ時間帯で 、十数年前に離婚した2番目の妻のスキャンダラスなインタビューが ABC で放映されたのだが、CNN の司会者が、この件を冒頭にもってきた事に Gingrich が噛み付いたのだ。

大統領候補になると私生活を含めて、共和、民主を問わずいろいろと報道されるが、眉をひそめたくなるものも少なくない。

Gingrich としては、事実無根(本人の弁)でもあるし、大統領候補者討論会のオーブニングにこの話題を持ってくること自体が、問題ではないかと吠えたのである。

やけくそ気味ではあるが、彼の支持率アップに非常に効果的(短期的だと思うが)であるし、それ以上に、今後の予備選、本選で、政策とは関係無いプライベートな話題に流れる事を抑制する効果があるのではないだろうか。

スキャンダラスは困りものだが、アメリカ大統領選挙(予備選を含め)で今必要なのは、様々なイシューの本格的な討論である。

今回の選挙戦に限らず、今後、余りに的外れな事を言うジャーナリストに対しても、厳しい目が向けれるので、より良い討論会が多くなるのキッカケになるのではないかと思う。

CNN は、アメリカにおいて報道機関としては堕落してしまっていたが、妙な所で、反面教師的な教訓を提示した事は大ヒットであった。

いきなりスタンディングオベーションで始まる選挙討論会は、史上初ではないだろうか?


Jon Huntsman 脱落

2012-01-18 06:15:36 | アメリカ政治
サウスキャロライナ州の予備選を今週末に控えて、Jon Huntsman が脱落宣言をし、同時に Mitt Romney を支持することを表明した。共和党の大統領候補者は、これで5人となった。

なぜ立候補したのか、そしてなぜ今唐突に止めるのか、考えられる事は一つ、将来に向けての足場固めということであろう。究極的には大統領になりたいという事だと思う。まだ50代前半と若いし、ユタ州知事、中国大使の経験もある。但し、国政レベルでの経験、知名度が足りなかった。今回の選挙戦を通して名前が浸透したし、彼の経済政策は一番評判が良かった。

個人的には副大統領として良いのではないかと思うのだが、主要閣僚の一角を占める可能性が高いと思う。(Mitt Romney が勝てばという前提だが)早々に Mitt Romney を支持する表明は、そのような流れなのだろう。

今週月曜日にも、5人になった共和党候補主で討論会があり、段々と討論会らしくなってきた。

アイオワ、ニューハンプシャーシー州の勝利を受けて、相変わらす Mitt Romney がトップを走っているのだが、今回の討論会ではその勢いが感じられなかった。

前回の共和党の大統領予備選からもう5年も選挙活動をしている割にはパッとしない。準備不足の気もするし、模範解答を用意しすぎて、やり取りから自分への主張への繋ぎが上手くいかない気もする。これまでの討論会で醸し出していた余裕が消え去っているのが気になる。

討論会では、Ron Paul が自爆気味、というかリバタリアンなので予定調和という感じもするが、共和党の大統領候補に出馬の恒例行事もそろそろ店仕舞いだろう。若者の間でカルト的な人気が出た事は、リバタリアンの考え方を普及するという意味では、大変意義があったと思う。

Rick Perry は相変わらず。強面(顔も一番でかいと思う)の割には、落ち着きが無く、意味不明、支離滅裂間が拭えない。共和党予備選はこれから南部での戦いになるが、その前に脱落しそうな気配である。同じテキサス州知事であったブッシュと比べられると小物感が漂う。歴史的な評価には時間が掛かるだろうが、変なところでブッシュ個人の器の大きさ、政権の真っ当さを喚起させる。

さて、残りは Gingrich と Santtorum の二人である。今回の討論会では、この二人が目立っていた。Gingrich は討論会での出来だけが支持率を支えているといっても過言ではないので当たり前だが、Santtorum もなくすものは何も無いという突撃スタイルが功を奏している。 それぞれ、資金、組織に不安があるだけに、討論会での出来を票につなげないと活動が続けられない。

Mitt Romney を鍛える意味でも、この二人には頑張ってほしいものだ。

共和党候補者の討論会は、今週末のサウスキャロライナ州の予備選までにもう一度ある。

ニューハンプシャー州の共和党予備選の速報を観ながらつらつらと

2012-01-10 22:27:40 | アメリカ政治
Mitt Romney が早々と勝ちを決めた報道番組を観ながら、今後の展開をつらつら考えてみた。

共和党候補は Mitt Romney で決まりだろう。この後、サウスキャロライナ、フロリダと続くのだが、その辺で決着がつきそうだ。勝利演説を聴きながら、頼りなさを感じるので、早めに本選向けの準備に専念出来ることは有難いだろう。(予備選でもっと鍛えられるという説もあるが、いたずらに消耗しそう)

勝利演説では、保守派に対する注意深い配慮もあり、候補者ならではの単純な公約もあるが、バランスは取れていると思う。

さて、オバマ政権であるが、残り一年となり、なんだか末期的な症状が出てきているような気がする。

まず、やけくそ気味の大統領権限悪用の暴走が始まりそうな気配がある。

象徴的なのは、金融改革法で創設された Consumer Financial Protection Bureau (消費者金融保護庁(?))の初代長官を、議会の承認をパイパスして任命した事だ。議会休会中にだけ行える大統領特権なのだが、任命時に議会は開催中だったのだ。憲法違反であるという批判も出てきており、任命自体、そして、任期中の法令が無効になる可能性がある。(同時期に、その他の任命も行っている)

オバマ政権の2代目首席補佐官 Bill Daley が、たった一年で今月末に退任する事だ。彼はビジネス経験もあるし、クリントン時代に商務長官でもあったので、共和党との協調出来るとの期待があったが、目立った功績のないままの辞める事となった。

地元シカゴに帰って、オバマ選挙事務所の副会長というどうでも良いポジションに就くこと自体が、オバマとの関係悪化と何事も出来なかった一年を暗示しているように思う。

泥舟にわざわざ乗り込むまともな人がいなくなっているのか、飛び道具を使ってしかオバマの代表的な実績となる新設省庁の長官任命をしなくてはならないし、それなりに経験のある人は静かに離れていく雰囲気になっているのかもしれない。

そういえば、主要閣僚の辞任が少ない政権だったような気がする。クリントン国務長官、ブッシュからのゲーツ国防長官と現パネッタ長官以外は、任に堪えない小物ばかりだった印象が強い。(だから、辞めないのかも)

さて、Mitt Romney がモルモンである事は先日書いたのだが、ここ2,3年保守系に爆発的に人気のあった Glenn Beck もモルモンである事を思い出した。(彼は、アル中などを克服しキリスト教身目覚め、じっくりいろいろな宗派を調べた上で、自分の選択で信仰を決めている)

さて、Mitt Romney は優柔不断気味ではあるが、アメリカ保守復活の流れをキチンと意識している。(キャンペーンスローガンも "Believe in America" )イディオロギーの強い大統領より、優れたマネージャーの方が今風でもあると思う。

良い大統領になるかも。

アメリカ大統領選での宗教の話

2012-01-08 07:56:37 | アメリカ政治
Mitt Romney はモルモン教徒であるが、今後大統領選で問題になる事は無いだろう。

アメリカはモルモン教徒を大統領に選ぶのかというと問いがあるのだが、それを言い出す人が宗教的偏見があると考えられる政治土壌になっていると思う。

ブッシュ本人や、ブッシュ政権を、狂信的なキリスト教右派という側面から揶揄した批判も出たが、真面目に取り上げられる事は無かった。

宗教で言うと、オバマが長年通っていた教会の方が、キリスト教的には怪しいが問題にされなかったという事もある。(オバマが実はイスラム教なのではないかと言う話まであった)

因に、前回のエントリーで、現在の共和党候補者の中から副大統領を選ぶとすると、Jon Huntsman が最有力ではないかと思ったのだが、彼もモルモン教徒である。


過去の関連エントリー

Atheist (8-25-10)
オバマ大統領の信仰する宗教は? (8-20-10)
カトリック教会の目覚め (11-25-09)

Michele my love

2012-01-03 19:01:42 | アメリカ政治
Michelle Obama ではなくMichele Bachmann のほうである。今さがながらに、Michele Bachmann の Michele は l が1本だけというのに気が付いた。(そんな事は、どうでも良いのだが)

共和党のアイオワ州党員大会の結果がでた。Mitt Romney (25%) が8票の史上最小の僅差でトップとなり、Rick Santorum (25%) が2位、そして、Ron Paul (21%) が3位となった。(()内は得票率)

保守系の票を Rick Santorum とRon Paul で分け合った形となった。

5% の Michele Bachmann は早々と店仕舞宣言、10% の Rick Perry は選挙活動の見直しを口走ったものの続行を表明した。アイオワ州を捨てていた Jon Huntsman は来週火曜日投票のニューパンプシャシー州に集中しているが、なかなか人気が盛り上がらない。

Newt Gingrich は13% の4位。開票後の記者会見ではあまり元気が無く、巻き返しへの勢いを感じられない。

選挙は水物ではあるが、Rick Santorum は宗教色が強過ぎるし、Ron Paul はリバタリアンで、両者とも極端過ぎるので、泡沫感があり過ぎて、候補者になるには何がありすぎる。

消去法というのも寂しい話であるが、共和党の大統領候補は Mitt Romney に決まりだろう。そして、非常に個人的な意見ではあるが、副大統領候補の最有力は、Jon Huntsman だと思う。

Michele Bachmann は健闘したと思う。2008年の民主党の執拗な攻撃を退けての再選、Obamacare への反対、そして廃案活動、予算案や国債上限引き上げのときの筋の通し方、共和党内のティパーティ派閥のリーダーとして大活躍であった。大統領候補による討論会ではなかなか実力が発揮出来なかったが、個別面接スタイルのインタビューでは、政策にも精通している所を随所に見せていた。

今回、大統領選からは離脱したが、共和党候補とオバマの本戦になった時には、共和党随一の応援団長となるであろう。自分の予備選以上にオバマ再選阻止に全身全霊で打ち込む事であろう。

中道穏健の Mitt Romney に保守の活を入れて鍛えた事、そして、本戦では共和党候補を全力で応援する事で保守ベースの投票率を上げるであろう事を考えると、共和党に大貢献し続ける事になるだろう。

ここまでの活動への感謝と、オバマ再選阻止への今後の活躍を祈って、この一曲。


アメリカ大統領選挙、共和党の候補者選びアイオワ州の党員集会で幕開け

2012-01-03 10:31:21 | アメリカ政治
明日、共和党の予備選挙がアイオワ州で行われ、大統領選が正式にスタートする。

Mitt Romney がずっと安定しているのだが、土地柄か保守系の人気が高い。選挙戦もドブ板的な要素が強い。

そのような事情で、直前になってやっと人気が出て来たのが Rick Santorum、保守系というよりはリバタリアンの Ron Paul も人気も根強く、特に若者の支持が広がっており、Mitt Romney とトップを争っている。

くどい程あった討論会での受けが良くて、つい一ヶ月前には、トップグループに躍り出た Newt Gingrich は、選挙組織が貧弱で、下位グループに留まっている。

しかし、過去の実績では、アイオワでトップになっても結果的に共和党の候補者にならない可能性が高い。一方で、泡沫候補者にとって結果が悪ければ、寄付が集まらなくなり、即脱落と言う事になる。

候補者の多くが保守色が強い中で、州知事経験のある Mitt Romney のバランスの良さが浮かび上がってきている様に思われる。2008年の予備選から引き続き大統領選をやっているので、知名度、組織力がある上、討論会を見ていても用意周到なのがよく分かる。

唯一の欠点は、Obamacare の手本と揶揄される皆健康保険をマサチューセッツ州知事時代に実施した事であろう。但し、論理的に Obamacare を廃案にする事とは矛盾していないので、民主党は騒ぐだろうが、問題は無い。

Ron Paul は高齢であるし、恒例の色物以外の何物でもないであろう。共和党候補にならなかった場合、リバタリアンの独立候補として出馬という噂もあるが(過去にそのような前科もある)が、非現実的である。縦しんばアイオワ州でトップになったとしても、比較的早い段階で脱落するだろう。

Rick Santorum もトップになる事で活動を続けられるというだけで、早晩、息切れするだろう。

予想としては、Mitt Romney が安定した得票数で上位に入り、保守的な票(それも非常に右寄りの)が割れて、Rick Santorum, Ron Paul, Michele Bachmann はどんぐりの背比べとなるであろう。Rick Perry や Jon Huntsman は最初からアイオワ州は捨てている雰囲気である。

今後、Rick Santorum, Ron Paul, Michele Bachmann の中から脱落者が出てくるのだが、これらの票がどう流れるかが鍵であるが、結局は Mitt Romney に吸い寄せられるのではないかと思う。

中道穏健、ややもすればリバラルとも見られていた Mitt Romney であるが、やや過激過ぎる保守候補者との討論会で鍛えられるなかで、バランスの良い保守派というイメージが定着しつつある様に思う。

まだ、アイオワ州の投票すら始まっていないのだが、共和党の予備選は、比較的早い時期に Mitt Romney で決着しそうな気がしている。

ホワイトハウスのサイト、下品なカウンター

2011-12-09 22:37:25 | アメリカ政治
年内一杯だと思いますが、ここをクリックすると、非常に下品なホワイトハウスのサイトがご覧になれます。

昨年の暮れも、ブッシュ減税延長でゴタゴタしたが、今回は、Social Security (国民年金の位置付けだが、アメリカでは税金扱いで源泉されている)の減税を含めた法案が通らないので、来年の選挙の向けたキャンペーンの一環として利用している。

(ついに単年赤字となり、改革が急務の Social Security の特定財源の減税自体が、人気取り以外の何物でもない)

リンクした演説は、経済に関する今年一番重要であると前宣伝があったのだが、ルーズベルトの二番煎じで、内容は Class Warfare と呼ばれる、ポピュラリスト丸出しの経済格差を持ち出した只のアジ演説である。

選挙が近づいてきて、オバマも人気下降とはとは対照的に、選挙活動に力が入り元気になってきたのだが、大統領としては、最低な事をやっている。

対抗する共和党は、先日ホワイトハウスが決断を保留したカナダからのパイプラインの許可を抱き合わせ様としている。ちょっとセコい気もするが、面白い戦術ではある。

オバマも大上段に構えたものの、減税法案より、16日からの毎年恒例のハワイでのクリスマス休暇の方がちゃんと予定通りに取れるのかの方が気掛かりな様子だ。


過去のエントリー

オバマ政権、パイプライン建設許可を保留 (11-26-11)
ブッシュ減税の延長をめぐるドタバタ (訂正あり)(12-11-10)

オバマ大統領 再選の行方(6):Waiting for Hillary !?

2011-11-24 10:45:57 | アメリカ政治
以前、ヒラリーに全くその気が無くなっている事( Where is Hillary? )を書いたが、オバマ再選に黄色信号が灯って、民主党内からもヒラリー待望論が出始めている。

最近、オバマが再選する可能性があるとすれば、ヒラリーを副大統領候補にするしか無いだろうと考えていたが、民主党内では、もう一歩突っ込んで考えている人もいる様だ。

オバマ大統領は、完全に選挙モードに入っている。皮肉な事に熱心にやればやる程、現職大統領という最強の武器を無効にしてしまう感じになっている。全ての判断が、選挙戦を意識したものになり、先延ばし出来るものは決断を下さないという状況になりつつある。

民主党内からも、政治的イディオロギーより国を考えろという批判が出てきている。そして、ヒラリーに道を譲れと言われたりしている。あげくの果てに、"Obama makes Carter look good" とまで言われている。

女性であるヒラリーの挑戦は、黒人であるオバマの挑戦と同じ様な興奮を巻き起こす可能性がある。肝心のヒラリーは今のところ沈黙しているが、思い直す事も否定出来なくなってきた。

アメリカの政局は、重大問題が目白押しなのに、もう一年は完全停滞状態になるだろう。それを心配しないオバマはやはり大統領失格であろう。


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