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オバマ大統領 再選の行方(9):ちょっと目を離した隙に

2012-02-18 17:15:33 | アメリカ政治
共和党の予備選の行方が、なぜか混沌としてきている。

フロリダ州での勝利で、Romney で決まりと思ったのだが、私用で日本に帰っている間に行われたコロラド、ミネソタ、ミズーリで Santorum が勝利して、グングン人気が出てきている。(但し、これらの3州は選挙人 (Delegate) を直接確定する選挙ではないので (Caucus) 、重要性はそれほど高くない。選挙人の数では Romney がリードしている)

次の大きな山場は、2月28日のミシガン州の Primary (これは、選挙人が確定)になる。Romney にとっては、生まれ故郷だし、父親がミシガン州の州知事をしてた事もあるので尚更だ。もし、ミシガンで負ける様な事があれば、本格的に共和党の候補者選びは大混戦となる。

人気調査では、アメリカ全土で Santorum 39%, Romney 27%、ミシガン州でも 35%, 32% となっている。

資金力のある Romney 陣営は、ここ数日、テレビ、ラジオで、Romney のコマーシャルをバンバン流しており、Super-PAC と呼ばれる候補者とは無関係の Romney 勝手応援団体(候補者自身の団体と違って、いろんな面で規制が無い)による Santorum に対するネガティブキャンペーンも頻繁に流れている。

なぜ Santorum の急上昇しているのか、アメリカを不在にしていたので雰囲気が分からないのだが、Gingrich が息切れしたので保守票が一時的に集まっているという感じがする。ObamaCare の避妊、中絶問題が大きく取り上げられているので、敬虔なカトリックである事が推進力になっている可能性もある。

今回の共和党の候補者選びでは、急激に人気の出た候補は、急落する傾向がある。Romney は、支持率 25% 候補と揶揄されながら安定している。ミシガン州の投票日まで10日あるので、微妙な時期での人気急騰である。ちょっと早すぎて、投票日までに Santorum モミクチャにされそうだ。

ミシガン州で Romney が勝利し、本格的に候補者確定という読みは変わらないが、一筋縄でいかない所に、逆に共和党全体としての意気込みと支持層の多様性が映し出されている様な気がする。

一方で、オバマ陣営はこれまで一貫して比較的静かに Romney に対するネガティブキャンペーンを行ってきていたが、Santorum の情報収集を始めたと報道されている。手際が良い風にも見えるし、全然読めてないのでは、という印象もある。


過去のエントリー

ObamaCare: 避妊薬問題 (2-13-12)
オバマ大統領 再選の行方(8):Romney の順当勝ち in Florida (2-1-12)