暘州通信

日本の山車

◆甲斐國 金櫻神社の昇龍と降龍

2017年06月21日 | 日本山車論
◆甲斐國 金櫻神社の昇龍と降龍

 金櫻神社(かなさくらじんじゃ)は、甲斐國(山梨県)甲府市御岳町に鎮座する神社。境内には社号の由来でもある、【黄金色の花を咲かせる 鬱金の桜(うこんのさくら)】が植栽されている。いまは、各地にみられる鬱金の桜は、もともと、当金櫻神社の金櫻が本歌だったといわれる。
 幕末までは蔵王権現とよばれ、金峰山をご神体とする古社で、雄略天皇期に現在地に鎮座したと伝わる。 仮説であるが、沖縄各地にみられる【御嶽(うたき)信仰】の北上と推察される。金峰山信仰(御嶽信仰)を集めてきた古社で、花崗岩で、高さおよそ二〇メートルの【五丈岩】は、そのご神体とされてきた。水晶が御神宝はとなっている。江戸時代末期までは、「蔵王権現」とよばれ、金櫻神社の名称がみられるのは、慶応年間(明治期)になってからである。社頭は門前町が形成され、御師屋敷や宿坊があり、門前町を形成され「御嶽村」とよばれていた。
祭神は、
スクナヒコナノミコト 少名彦命
オオナムチノミコト 大己貴命
スサノオノミコト 須佐之男命
クシイナダヒメノミコト 櫛稲田媛命
ヤマトタケルノミコト 日本武尊
 で、出雲系の神が祀られる。ヤマトタケルノミコト(日本武尊)は、おそらく後祀であろう。

 御像石のある頂付近から【甲斐派美】」とよばれる湧水があり、甲斐國の荒川や相川、また、武蔵國の多摩川、信濃國の千曲川の水源と信じられていた。中宮本殿は三間社流造、東宮本殿は方三間・単層の入母屋造の社殿で国の重要文化財に指定されていたが、昭和三〇年(一九五五)日の火災により焼失した。このとき、柱に左甚五郎作と伝える【昇龍と降龍】も罹災して失われた。
 現在の社殿は昭和三四年に再建されたもので、昇龍と降龍は、【堀友二】作になるものが復元されている。

【左甚五郎傳】

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