◆01567 保呂羽山霜月神楽
秋田県横手市(旧大森町)大森町八沢木字保呂羽山
保呂羽山波宇志別神社(ほろわさんはうしわけじんじゃ)
□祭神
アンカンテンノウ 安閑天皇
合祀
ホムスビノカミ 火産霊神
スサノオノミコト 須佐之男命
キクリヒメノミコト 菊理姫命
オオヒルメノミコト 大日□命(□は文字なし)
スガワラミチザネ 菅原道真
カナヤマヒコノミコト 金山毘古命
ウカノミタマノミコト 稻倉魂命
オオナムヒノカミ 大名持神
スクナヒコナノミコト 少彦名命
イワトワケノカミ 岩戸別神
ヤオモイカネノミコト 八意思兼命
イザナギノミコト 伊邪那岐命
フツヌシノミコト 経津主命
サルタヒコノミコト 猿田彦命
天津御女命
タケミナカタノミコト 健御名方命
オウジンテンノウ 応神天皇
オオヤマツミノミコト 大山祇命
オオヤマクイノミコト 大山咋命
□神事は十一月上旬。
□汎論
保呂羽山波宇志別神社は延喜式神名帳に記載される古社。神社の神事に付属して神職が古くから神楽を奉納してきた。古くは旧暦の十一月(新暦の十二月)に行われてきたので霜月神楽の名があるが、現在は、新暦の十一月に行われる。
民俗伝承に、春になると山の神は山から里に降って、田ノ神となり、秋の収穫が終わるとまた山に戻って山ノ神にもどる。これにあわせて「神迎え」と「神送り」が行われる。神迎えの祭では、大釜に湯を沸かし、神官あるいは巫女は沸き立つ湯の中に竹や笹をひたし、この湯を参詣人に振り掛ける「湯たて神事」、「湯の花神事」が各地で行われる。富山県の雄山神社には驚くような湯立て釜が保存されていてかつては多くの参詣者があったことをうかがわせる。この湯にかかると一年を健康、息災に過ごせるといい、参詣人がひしめく。中部地方には岐阜県の羽島市をはじめ山車の上に巫女が立って大釜の湯(五色の色紙)を振りまくからくり戯にも取り入れられている。
「山ノ神」はたいへん嫉妬深い女性とされるが、オオヤマツミノミコト(大山祇命)、オオヤマクイノミコト(大山咋命)は男性神なので「山ノ神」ではないので神代巻に一致しない。
保呂羽山神楽は、保呂羽山波宇志別神社の里宮(大森町八沢木木ノ根坂)に神楽座を設け、保
呂羽山、御嶽山、高嶽山の三山の神々を勧請し、大友氏が斎主となって近郊の楽人や氏子が集まり、夕刻より 翌朝にかけて夜を徹して奉齋され、「寄合神楽」とされている。
神楽は三十三番からなり、一番おきに、湯箒を持って四方を拝する「湯加持」を舞う。
十一番目の天道舞は湯立ての本舞いで、十九番が、「山の神舞」で、夜の丑の刻に舞う最も重大な
舞とされる。保呂羽山霜月神楽の次第は古記録が失われ、現存する「保呂羽山御開山以来之次第」記録に天正十八年(一五九〇)とあることから、この年を濫觴とする説があるが、起源はさらに古く、民俗行事と神事が褶合したと考えられる。国の重要無形民俗文化財に指定されている。保呂羽山の中腹には波宇志別神社の神楽殿があり国の重要文化財に指定を受けている。
保呂羽山(ほろわさん)は、秋田県横手市大森町にある矢まで標高四三八メートル、鳥海山系の山で、古代には山そのものをご神体とする神南備山であろう。「ホロワ」はアイヌ語で「神聖なる霊山」の意だという。横手市(旧大森町)の保呂羽山、湯沢市の御嶽山、大仙市の神宮寺嶽に祀られている三神は三姉妹だという民間伝承がある。
秋田県横手市(旧大森町)大森町八沢木字保呂羽山
保呂羽山波宇志別神社(ほろわさんはうしわけじんじゃ)
□祭神
アンカンテンノウ 安閑天皇
合祀
ホムスビノカミ 火産霊神
スサノオノミコト 須佐之男命
キクリヒメノミコト 菊理姫命
オオヒルメノミコト 大日□命(□は文字なし)
スガワラミチザネ 菅原道真
カナヤマヒコノミコト 金山毘古命
ウカノミタマノミコト 稻倉魂命
オオナムヒノカミ 大名持神
スクナヒコナノミコト 少彦名命
イワトワケノカミ 岩戸別神
ヤオモイカネノミコト 八意思兼命
イザナギノミコト 伊邪那岐命
フツヌシノミコト 経津主命
サルタヒコノミコト 猿田彦命
天津御女命
タケミナカタノミコト 健御名方命
オウジンテンノウ 応神天皇
オオヤマツミノミコト 大山祇命
オオヤマクイノミコト 大山咋命
□神事は十一月上旬。
□汎論
保呂羽山波宇志別神社は延喜式神名帳に記載される古社。神社の神事に付属して神職が古くから神楽を奉納してきた。古くは旧暦の十一月(新暦の十二月)に行われてきたので霜月神楽の名があるが、現在は、新暦の十一月に行われる。
民俗伝承に、春になると山の神は山から里に降って、田ノ神となり、秋の収穫が終わるとまた山に戻って山ノ神にもどる。これにあわせて「神迎え」と「神送り」が行われる。神迎えの祭では、大釜に湯を沸かし、神官あるいは巫女は沸き立つ湯の中に竹や笹をひたし、この湯を参詣人に振り掛ける「湯たて神事」、「湯の花神事」が各地で行われる。富山県の雄山神社には驚くような湯立て釜が保存されていてかつては多くの参詣者があったことをうかがわせる。この湯にかかると一年を健康、息災に過ごせるといい、参詣人がひしめく。中部地方には岐阜県の羽島市をはじめ山車の上に巫女が立って大釜の湯(五色の色紙)を振りまくからくり戯にも取り入れられている。
「山ノ神」はたいへん嫉妬深い女性とされるが、オオヤマツミノミコト(大山祇命)、オオヤマクイノミコト(大山咋命)は男性神なので「山ノ神」ではないので神代巻に一致しない。
保呂羽山神楽は、保呂羽山波宇志別神社の里宮(大森町八沢木木ノ根坂)に神楽座を設け、保
呂羽山、御嶽山、高嶽山の三山の神々を勧請し、大友氏が斎主となって近郊の楽人や氏子が集まり、夕刻より 翌朝にかけて夜を徹して奉齋され、「寄合神楽」とされている。
神楽は三十三番からなり、一番おきに、湯箒を持って四方を拝する「湯加持」を舞う。
十一番目の天道舞は湯立ての本舞いで、十九番が、「山の神舞」で、夜の丑の刻に舞う最も重大な
舞とされる。保呂羽山霜月神楽の次第は古記録が失われ、現存する「保呂羽山御開山以来之次第」記録に天正十八年(一五九〇)とあることから、この年を濫觴とする説があるが、起源はさらに古く、民俗行事と神事が褶合したと考えられる。国の重要無形民俗文化財に指定されている。保呂羽山の中腹には波宇志別神社の神楽殿があり国の重要文化財に指定を受けている。
保呂羽山(ほろわさん)は、秋田県横手市大森町にある矢まで標高四三八メートル、鳥海山系の山で、古代には山そのものをご神体とする神南備山であろう。「ホロワ」はアイヌ語で「神聖なる霊山」の意だという。横手市(旧大森町)の保呂羽山、湯沢市の御嶽山、大仙市の神宮寺嶽に祀られている三神は三姉妹だという民間伝承がある。