行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

キツネノカミソリ

2012-08-20 20:27:33 | 花,植物

ノカンゾウの花を探しながら歩いていますと,
道端の山斜面にノカンゾウと同じような色,
同じような形の花を見つけました(8/11)。
近寄って見ると,ノカンゾウとは違います。
葉のないすっと伸びた茎の茎頂に
透かし百合のような花がついています。
葉のない茎が伸び,茎頂に花がつくのはヒガンバナに似ています。


以前,本で見たことのある
キツネノカミソリという変わった名の草のようです。
本州から九州の林縁などに自生するヒガンバナ科の多年草です。
早春,カミソリの名の由来である細いカミソリ刃のような葉が出現します。
夏草が茂るころになるとこの葉は枯れ,
地上からいったん存在を消し,
そして,しばらくすると,花茎がするすると伸び,
茎頂に写真のような花をつけるのです。


春に葉が出現し,夏に一端枯れる,
これはヒガンバナとまったく同じです。
ヒガンバナがお彼岸のころ,キツネノカミソリがお盆のころ,
しかも,両者ともお墓のあるような場所に
いったん枯れたと思われる草が花を咲かせる,
なにか因縁めいたものを感じます。


キツネノカミソリを見た帰り,
同じような色の花を道端の植え込みに見つけました。
ヒオウギ(檜扇)の花です。
これも花に特徴があり,印象的できれいな花です。
アヤメ科の多年草,山野の湿り気のある木陰に自生し,
日本では古くから親しまれている植物のようです。
名の由来は葉が扇のような形に開いているから,
厄除けの意味があり,
京都の祇園祭には欠かせない花としても知られています。


やはり同じような花色で
檜扇の名を含む姫檜扇水仙(ヒメヒオウギスイセン)です。
やはりアヤメ科の多年草,
花の時期は6月から7月,
もともとは園芸品種だったようですが,
今は半ば野生化しているものが多く,
今年も,この朱色の花が人里のあちらこちらに咲いていました。

檜扇のどこか平安匂うかな
コメント
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