行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

夏草の花5(ヤブミョウガ,ウスタビガの繭)

2012-08-10 22:43:12 | 花,植物



丘陵の林縁などの日陰地に群生し,
上に伸ばした花茎に,白い小花をたくさん咲かせるヤブミョウガ,
散歩道である多摩丘陵にはよくみられる植物です。


ミョウガの名がつけられていますが,
ツユクサ科の多年草だそうです。
葉がミョウガに似ているのでこの名がつけられたと思われます。
茎頂に開いている花をよく見ると蘂が長く,
そういわれればツユクサの花に似ています。


そのヤブミョウガの白い花が咲いていた林縁,
そこに,5月に花をみたマムシグサがあります。
今は花も枯れ,葉に穴があき,すっかり傷みが目立ちます,
そのマムシグサの葉の裏に薄緑色の物体を見つけました(8/5)。
緑の花とも思えるヤママユ科ウスタビガ(薄手火蛾)の繭です。
蛾の中には蛹になるとき自ら繭を作って,閉じこもるものがあります。
動きが鈍い蛹が安全に暮らすための手段でしょうか。
ヤマカマスとも呼ばれるウスタビガの繭,
野に見られるそんな蛾の代表的な繭です。


2,3年前になります。
散歩の途中,街路のハナミズキの木に
この繭がぶら下がっているのを見つけ,
その美しさに感動したことがあります。
木がすっかり裸となった冬の時期でした。
繭の中のウスタビガの蛹が羽化するのは11月頃,
したがって,冬の時期の繭は抜け殻,空繭になります。
今回は真夏,繭の中にはまだ蛹がいるはずです。
蚕の蛹は繭を傷つけないように,羽化前に殺されてしまいますが,
ウスタビガの蛹は晩秋,上部の蓋を開くようにして羽化します。
羽化した雌は繭に留まって雄がくるのを待ち,
交尾後,自分が育った繭に卵を産みつけていくのだそうです。
そして,翌年の春,この空繭から毛虫が発生することになります。

日盛りや木陰に入れば藪茗荷

コメント
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