来年度の予算の財務省原案が閣議決定され、報道されている。
内容の概要を見て愕然とした。これまでの与野党の議論や経済不況から考えるとある程度予想されたことであるが。
一言で言えば、「景気対策・生活防衛」を口実に、過去最高の歳出規模の『ばら撒き予算』となっている。
背景を考えると、与野党を問わず、国民すべてが歳出圧力ばかりで、今こそ日本の財政状況を踏まえてどう重点配分するかの議論が必要であろう。
景気対策や雇用対策、社会保障費増に予算配分は当然であり、「重点課題推進枠」を設定した事は、評価できる。
しかし、将来ビジョンを見据えた国家像を考えれば、財政再建の道筋は全く見えてこない。
相変わらず道路族は、「必要な道路は作る」と豪語して、約束された一般財源化すらなし崩しにしている。
「必要な道路」の論議すら避けて、いつまでにどの道路を急ぐのかを決めないで、今の財政事情からは、無駄使いと言われても弁解できない。
道路作りは、失業対策ではないはずである。
これまでの道路を見れば、無駄が多く、その結果大きな財政悪化を招いたと言っても過言ではない。
日本の純債務残高は、GDP比で170%だそうであるが、先進国では、飛びぬけて最悪である。
国債費も、予算案では33兆円を計上しており、一般会計で550兆円を超えるようだ。
プライマリーバランスの改善も、先送りとなり 正に既に破産状態ではないだろうか?
一部の論調には、他の国と違いこの債務は、内債だから心配ないという意見もあるが、確たる根拠はない。
結局は、余剰ある取れるところから取れるという、税金を無駄食いしている族の話であり、次の世代に負担させるべきではない。
景気不況で歳入の激減は避けられず、社会保障費などの歳出増を考えたら消費税の検討は待ったなしの筈である。
選挙を意識して、「中期プログラム」では、その時期や税率の議論さえ始まっていない。
これは、与党野党の問題ではないだろう。政治家の責任であり、それを指摘しない国民自身の課題である。
この実態は、多くの国民の意識は非常に低く、またそれを意識させるべきマスコミの責任は大きいと思う。
誰かの責任に押し付けて解決する問題ではないのではないだろうか?
家庭の財政問題に例えれば、お金が無いから優先順を付けて、何に消費するのか、どれをガマンするのか、家族で相談して使う筈である。
危機意識を持ちながら、身分相応の生活と今後のやるべきことを夫々に考えて新年を迎えたいと思う。