先日「反省させると犯罪者になります」岡本茂樹 著 新潮新書の書評を目にしました。題名がキャッチーなものだったので目が留りました。著者は刑務所の受刑者更正プログラムに携わる方だということです。
心の底から反省することは心の奥に隠れている良心の顕在化が必須。それをどのように促すのか?受刑者の更正はそれがキーになっている。反省を強制すると受刑者の心はさらに固くなりさらなる犯罪を犯す方へ向かわせてしまう。という主張のようです。
本を読んでいないので細部についてはわかりません。しかし方向性としてはこの主張は正しいと思います。この著書中にある文章なのか、書評者の文章なのかはわかりませんが「真の反省は逆説的ではあるが、犯罪者が幸せになることによって、被害者の立場や悲しみを真に理解し自分の罪の重さを思い知ること」とありました。
犯罪にもいろいろなものがありますから、全ての犯罪に通用するものではないと思います。しかし、確かにある種の犯罪は自分の境遇に絶望したがために心を荒ませた結果ということもあるでしょう。そしてたとえ刑事罰をうけても、心がそのままであるならば犯罪を犯す前よりもさらに厳しい環境にさらされて再犯ということになる。
では彼らはどうしたら幸せになれるのか。刑事罰を与えつつ、かれらを追いつめることではなく、心をほぐす。
それはとてつもなく難しいことだと思います。しかしそれが行われなければ犯罪者はいつまでたっても犯罪者のままとなる。更正プログラムは究極の宗教プログラムでなくてはならないのでしょうか。
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