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イスラム国人質の件

標題の件で同僚と雑談していたのだが、つくづく難しいと思う。

 

人質は自己責任か?

まぁおおまかにはそうだと思う。人質とされる後藤さんも「万が一」を想定して携帯電話を預けたというし。

しかし命知らずのジャーナリスツには頭が下がる。仮に「危険地域だから行かない」ことが徹底されていれば、現地の不幸も報道されないわけだから。西側のジャーナリストはイスラム国などの組織にとって都合よく宣伝する存在とは思われていないであろう。イスラム国の宣伝方法はyoutubeとかtwitterとかがあるわけで、西側ジャーナリストは邪魔である。

そんななかでの報道活動は一般市民にも有益である。アフリカの内戦などの紹介もジャーナリストが頑張ったおかげである。そこに「自己責任」を突きつけるのもかなり違和感がある。政府や一般市民が触れる情報は、それこそ彼らが「命を売って」得た情報なのである。

日本人には分かり易いかもしれないが「北朝鮮」が不明瞭な国家の代表である。正規の国家を成している北朝鮮よりイスラム国のことが詳しいのは彼らジャーナリストのおかげなのである。ニュースの情報は無料なので一般には無視されるが。(命を投げ打って情報を取るという意味では各国の諜報機関も同様である)
北朝鮮の情報の無さと対比すると東アジアジャーナリストより中東ジャーナリストが命を張って情報を引き出している。(対北朝鮮ジャーナリストを侮辱しているわけではありません)

そういう恩恵を受けているわけで、「ジャーナリストの人質」を自己責任で片付けるのは非常に違和感がある。過去に日本人ボランティアが人質になったことがあるが、それとは異質かなと思う。信念で突き進んでいるという意味では同類だと思うが。

彼らはジャーナリストなのか、(ボランティアなどの)自己実現の場なのか

結構微妙だと思う。

2億ドル(240億円)払うべきか

今朝の日経でのアルカイダ系の人質の解放された国と殺害された国の人数の記事が刺激的であった。殺害されたのが英米と露国。解放されたのが仏など欧州大陸系。
身代金を払わない英米は人質が殺され、欧州大陸系の各国は企業を通じて身代金を払ったと噂されているようだ。
一方でアルカイダ系では人質ビジネスが横行しており、金を払う人物をターゲットとしているという。その結果、英米は誘拐が減ったとのこと。身代金を払う国の国民を誘拐したほうが金になる。アルカイダ系は5千万ドル/年ほど人質ビジネスで稼いだとのこと。

閑話休題。2億ドルというのは安部総理の中東訪問における発言の象徴的な数字だと思う。誘拐ビジネスではないと思うわけだ(よって後藤さんらは刑死されないと思われる)。というより「2億ドル払うルート」が存在するのかしら。 

72時間という刻限も短い上、支払いルートが明瞭でないわけで、政治的メッセージだと思う。日本政府は払いたくても払えないのである。

 

以上から、今回の人質問題は安倍総理の中東訪問を機に人質を引っ張り出した「メッセージ」だと思われる。「今後、日本もターゲットだぞ」と。
別な言い方をすると「人質ビジネスが成功するかどうかを様子見」「日本人を巻き込んで諸国が反発しないか」といったものか。

つくづく疑問なのはイスラム過激派が常に「日本にはバッファを置いた」という点である。TOYOTAとかSONYに親しみを感じている上、(イスラム過激派にとっても)宗教上のトラブルが皆無な点から中東諸国は親日的なのかということだ。(例えばイラクは百田の小説で出光の世話になったという描写がある)

 

今回の安倍総理の中東歴訪がトリガーを引いたのは明確であろう。イスラエルをメインでの活動だと指摘されるのかもしれない。

 

2億ドル or 20百万ドルであれば払うべきか

このような現実的な金額のほうが悩ましいであろう。世間相場では2億ドル(24億円)ならまだ躊躇しても2千万ドル(2億円)なら払えるという気運が左派系で発生してもおかしくない。敵は内なる「理念の左派」ということか。

 

ちなみに結論は無い。

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