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調達関係会社に資本投下が分からない件

流通企業が調達先メーカーを買収するというのがよくある。5/14の日経MJにも北海道のコンビにであるセイコーマートが資本関係にある企業(子会社)から低価格で商品を調達して低価格を実現しているという。

僕の知識では理解できない事象である。僕の意見では取引量が多いメーカーは、現在は競争力を有しているためその結果取引量が増えたから存在できたと理解できる。要は現時点で競争力のある取引先を買収したに過ぎず、そのメリットが理解できないのだ。その企業が将来も低コストで商品を提供できる仕掛けがあるのであれば理解できる(そんなものは存在できない)。

というのもよくあるのが、「自社工場のコストよりOEM(受託製造メーカー)に委託した方が安い」という事例が珍しくないからだ。自社工場のコストに減価償却を始めとした固定費が乗っかっていたらある意味理解できる。しかしOEMはさらに利益も乗っけているのだ。
自社工場はコストダウンよりも「自社商品を生産する」使命があり、コストとのバランスを求められる。意地悪く言うと自社工場は競争ハードルが低いため高コスト体質になる可能性がある。

であれば「現在最低コスト」で運営している工場も将来のコスト構造は全然分からないわけで、何で資本関係を築くのであろう。一旦資本関係を築いてしまえば優先的にその工場(企業)を使わざるを得ず、そのメリットがあまり思い浮かばない。

メリットを無理やり挙げれば、子会社の利益をゼロにして低コストで調達できるということであろうか。それでは資本効率はゼロになるわけでトータルでは儲からない。僕の理解では調達関係会社への資本投下はその企業への救済の意味しかなく、負の投資と言うこと。

その失敗の例は枚挙に暇がありません。

米国の大手ビールメーカーは充填設備と容器生産設備を有しています、それをならて国産ビールメーカーも容器設備を有した場合がありますが失敗だったと思います。

先にも論じましたが、自社工場すらお荷物になる可能性は高いのです。現在の状態が優良だからといって未来までも優良だというのは理解できないのです。

 

あくまで取引関係会社への買収の話です。必要な該当企業が存在しないので子会社として立ち上げるのは取引先買収とは違うという前提です。それですら原則は外部調達の方が安いと思います。生産部隊を持たない優良企業が多いですがそれが今回のテーマの証左です。

そう考えると、「取引関係が有るから、資本関係を築く」というのが理解できないのです。フレキシブルに技術に突出した企業を随時選んだ方が得な気がします。その取引先企業が(自社より)儲けていることに嫉妬しているのでしょうか?資本関係が有るほうが有利な点が全く分かりません、逆にその関係に胡坐をかくような気がします。

全然分かりません。取引先企業買収のメリットを教えてください。

 

追記)
自社工場でも工場を多数有していたら工場間競争は存在すると思われます。

また資産<企業価値と仮定すると、儲かっている会社の配当利回りあるいは株価上昇率は利益に連動するはずで、高い買い物になると思います。取引先を囲い込むメリットがやはり分かりません。

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