東野圭吾 / 角川文庫
職場の上司よりいただいた本です。お手持ちの本をたくさん持って来られて、「Stay homeなので、お好きなのをお持ちください」と。
そういうば、私、小説ってほとんど読まないのよねぇ・・・読解力ないから。読むのは歴史小説ぐらい。先日7Daysブックカバーチャレンジというのをやったけど、小説は一つも入れなかった。。。。。っていうか小説が入ってなかったということに、この本を目にして初めて気づいたわけよ。
「人はみな一生に一冊は小説が書けるって言われてるのよ」というのは私が小学生のころ母に言われた言葉である。でも55年以上生きた今、私にはとても書けないと思うわけである。あまりにも愚直にまっすぐ生き過ぎて、人並の人生経験を積んでいない。そして常に内向的だから世間知らずで、観察眼も鈍い。語彙力・表現力も足りない。
東野圭吾氏は私より7歳年上だけれど、この「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が扱っている年代は、ちょうど私のこれまでの人生とかぶる。ちょっと古いな~と思う箇所もあるけど、ああこんなこともあった、こんなこともあったと、読みながらいろんな思いが去来した。ううう・・・私にはやっぱり小説は書けないなぁ・・・悔しいけど。
ナミヤ雑貨店・・・ナヤミ相談所と化し、時空をも超える不思議空間。ここに書かれた5つのお話はそれぞれ相談者たち、相談者を取り巻く人達、回答者たる店主、回答者の親族、行きがかり上回答せざるを得なかったワルたち、いろんな視点で描かれているが、みんなが真剣にどう生きるか、どう今を切り抜けるかを考えていて、かつそれぞれが有機的につながっていて、「お、この話がここにつながったか」と気づくのが楽しい。そして登場人物たちに微妙にかぶってくる児童養護施設の丸公園・・・・。最後まで読むと、私自身が不思議な力によって転がされているような気もしつつ、それでも前を向いていこうという元気をくれる本である。
ということで、読んでいて楽しかった。ちょっとお腹いっぱいなので、少しクールダウンしてから次の小説を読もうかな。