
イスタンブールからエフェソスに南下する途中にペルガモンがある。こちらもエフェソスと並んで「エーゲ海の2つの薔薇」と賛美される美しい遺跡で、アレクサンドロス大王の死後、各地に成立したヘレニズム諸国の流れを汲む「ペルガモン王国」があったところである。紀元前2世紀にはエジプトのアレキサンドリアに匹敵する学問の都として栄えた。その後ローマに編入され、ローマ属州アジアの中心として8世紀まで栄えたという。現在はベルガマというのどかな田舎町になっているが、町を見下ろす丘の上にアクロポリスと呼ばれる各種神殿や劇場、図書館の遺跡が残り、下のほうに古代の医療施設アスクレピオンがある。
上のイラストは「トラヤヌス神殿」と呼ばれる建物を描いたもの。完全に復元されれば、ギリシャのパルテノン神殿に似たような建物になるはずだ。だがエフェソスの項で触れたように、途中まで復元したままにしておくのがトルコの美学。それでも少しずつ復元は進んでいるらしく、現地で買ったガイドブックの写真と比べて見ると、ちょっと形が違う。今見に行ったら、またパーツが増えているかもしれない。完全に復元しちゃったら、それこそパルテノン神殿や、近代のクラシック様式の復古調の建物と同じになってしまうから個性がなくなる。このイラストから少し進んだくらいの状態が、廃墟趣味的にはいいなぁ。
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2年前に地元オケでラヴェルの「ラ・ヴァルス」や「古風なメヌエット」を演奏した時、何となくこの神殿のイメージが脳裏に浮かんできたので、演奏会CDの非公式ジャケットに、このイラストの一部を使ったことがある。
上のイラストは「トラヤヌス神殿」と呼ばれる建物を描いたもの。完全に復元されれば、ギリシャのパルテノン神殿に似たような建物になるはずだ。だがエフェソスの項で触れたように、途中まで復元したままにしておくのがトルコの美学。それでも少しずつ復元は進んでいるらしく、現地で買ったガイドブックの写真と比べて見ると、ちょっと形が違う。今見に行ったら、またパーツが増えているかもしれない。完全に復元しちゃったら、それこそパルテノン神殿や、近代のクラシック様式の復古調の建物と同じになってしまうから個性がなくなる。このイラストから少し進んだくらいの状態が、廃墟趣味的にはいいなぁ。
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2年前に地元オケでラヴェルの「ラ・ヴァルス」や「古風なメヌエット」を演奏した時、何となくこの神殿のイメージが脳裏に浮かんできたので、演奏会CDの非公式ジャケットに、このイラストの一部を使ったことがある。