さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

「オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム」〜シーズン3(34〜38)を見て

2021-09-17 20:37:38 | ドラマ鑑賞

このドラマを見ると、いろんなことを思う。

新月って、見えるの? このドラマに出てる新月は三日月よりちょっと細い奴じゃないの? 新月見つけるって、そんなに大事? 見つけた子供がお金まで貰えるのはなぜ?

色々勉強になるなぁ。新月ってそもそも毎月あるもんなんじゃないの? と思いつつ調べると、月の満ち欠けに基づくイスラム暦では、8番目の月の29日に新月が確認できれば、翌日から断食月(ラマダン)が始まるとか。日本でもその時期に新月を見ようと躍起になる人たち(観測委員会)が存在するが、どうやら日本では観測しづらいらしい。午後6時半から15分間がリミットで、全国約20箇所で観測するらしいが、どの地点でも2人以上で新月を観測しなければならないそうだ。日本では観測開始以来35年間観測できてないらしく、一番近いイスラム教国のマレーシアに尋ねてラマダン入りを決めてるとか。

断食といっても太陽の出ている間だから、夜は食べることになる。女官たちが宦官にタンバリン+詠唱で起こされて、眠そうに食事を食べ、また寝ろとか言われているのは不思議なシーンだった。

さらに不思議といえば、時々映る、イスタンブールの空から俯瞰している風景である。

トプカプ宮殿側からアヤソフィアを望む風景。付近に高い建物がないから、アヤソフィアが聳え立っている。だが私の知っている姿ではないのだ。

これは私がトルコ旅行に行った直後に、現地で撮った写真に基づいて描いたものだが、ドームの脇に尖塔(ミナレット)が4本ある。このミナレットは東ローマ帝国滅亡後に建てられたものだということは世界史の教科書にも書かれていたが、4本いきなり建ったわけではなかったのだ。

ドラマに出てくるミナレットは、トプカプ宮殿側から見て右側に1本建っているだけである。調べてみると、最初1本建てられ、2本目が建てられ、地震で1本倒れ・・・という経緯があるそうだから、スレイマン1世の頃は1本しかなかったのかもしれないね。ちなみに現代だと、アヤソフィアのすぐ向こうにブルーモスク(スルタンアフメト・モスク)が見えるはずなのだが、ドラマではアヤソフィアだけが高々と聳えている。ブルーモスクが作られたのは、スレイマン1世の死後だから、当時はなかったんだな・・とか微に入り細に入り、調べたくなる。

さて、ストーリーの方はどうやらイブラヒム・パシャの命運が悪い方へ悪い方へ行っている感じ。

このドラマは誰が善玉で誰が悪役でという構図ではなく、完全に純粋な人はほんのひと握りであり、ほとんどの人がある意味悪役なのだ。悪役になるにはそれぞれ理由があるのであって、それぞれが思い悩み、考えて、生き抜こうとしている。イブラヒムは大宰相になったけど、元々はヴェネツィア共和国領だったギリシャ北部の漁師の息子であり、海賊に誘拐されて奴隷としてトルコに連れてこられたのであった。だから、イブラヒムとヒュッレム妃は連れて来られたもの同士の確執なのだ。奴隷だろうと海賊だろうと元キリスト教とであろうと、男も女も出世が可能だったというのはあらためてすごい社会だな。

でも、あくまでもドラマ上の話だが、ヒュッレムとイブラヒムを比べると、イブラヒムの脇の甘さが目立つ。おいおい君〜今、それをここで言うと、あとで損するよ・・という発言が多い。色々見てきて、そんなに悪い人じゃないし、彼の気持ちも分からなくはないだけに、残念な気がするね。

あと、気になるのはディアナ。市場でムスタファ皇子に拾われたが、出自の卑しさから色々疑われ・・でもムスタファ皇子を暗殺から救い、一気に信頼を勝ち取る。キリッとした顔、キリッとした喋り方、力強く格闘センスのある姿がかっこいい。もっとあなたの事が知りたいわ〜とつい思ってしまうキャラ。これからの活躍を期待しよう。


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