昨日、イタリア文化会館に「ランメルモールのルチア」のレクチャーコンサートを聴きに行ったが、そのレクチャーをされたニコレッタ・コンティさんが実際にお振りになる本番を和光市まで観に行ってきた。
実際は5日の公演が、先日のレクチャーコンサートと同じキャストの方だったのだが、その日はオケ練と重なっていたので行けず、6日の方の公演にお邪魔することに。
実はここの大ホール、私もステージに乗ったことがあるんですよ・・って本番じゃなくてモツレクのオケ合わせだったのだけど、それがひゃ~ぁ、すごい立派なオペラの舞台になってて感激!
このオペラ公演の総合プロデューサーの方が、「ランメルモールのルチア」の原作の舞台になっているスコットランドまで行ってこられて、メアリー・スチュアートが育ったお城・スターリング城の写真を沢山撮り、それが舞台セットの参考にされているという。確かに、舞台上には質感のある柱が4本立っていて、それが確かに古城を思わせる実に微妙な風合いを出している。この柱プラスαで、場面ごとの舞台の雰囲気を出していく。例えばルチア登場のシーンならば、泉を表現する噴水を。結婚式の場面では、シャンデリアのようなライトを、ラストシーンではケルト十字の墓石が出てくるほか、柱の風合いが変わり大理石のようになる。とにかくシンプルなのにも関わらず、大変に趣があって、舞台セットに魅入ってしまった。
そして、これだけの豪華キャストだけでなく、合唱団全員にちゃんとした衣装・・・どれだけ大変な公演だか・・・。今年は自分にとってもルチアイヤーであったけれど、来年初めのコンクール本選で歌う曲のためにも、もう一度オペラ全体を勉強し直す意味で、はるばる遠い和光市まで観に行った公演だけど、本当に行ってよかった。
このオペラの場面1つ1つが見せ場ではあるけれど、観るたびに新たな魅力を発見。アリアもいいけど、二重唱にとても味がある。今回は特に第三幕冒頭のエドガルドとエンリーコの二重唱・・決闘を誓い合う場面だが・・激しい二重唱が「ぎゃぁ~!」と思うほど素敵で、ゾクゾク来た! それからなんと言ってもラストシーン。私は実は、狂乱の場なんかより、墓場の前のシーンの方がずっとずっと好きなのだが、しっとりしたアリアのあと、エドガルドがルチアの死を聞き及んで右往左往する場面・・・そして最後にエンリーコを見て絶命するところの悲愴さが心を打ち、さすがに円熟の演技だと思った。
またアルトゥーロ役の方も素晴らしかった。アルトゥーロ登場シーンの合唱は私がルチアの筋を全然知らない頃から知っていて、自分の結婚式で使いたいなどと妄想していた時期もあったくらいで・・あぁ~はずかし・・直後に新郎が殺されるんだから結婚式に使えるわけないよね。ま、個人的にそういう思い出があるものだから、アルトゥーロにはカッコよく歌って欲しいわけで、本公演ではそのイメージにぴったり・・というかそれ以上の歌い手さんだった。カーテンコールではブラボーのコールもかかっていた。まるで王子様みたいにカッコよく、声も美しかったのだけれど、そうであればあるほど「何でこの人じゃだめなの?」「何でこの人は殺されなければならないの?」というジレンマが頭をもたげてくるのである。罪もないアルトゥーロが殺されているのに、彼を悼む人が誰もいない・・というのがこのオペラを最大の理不尽な点だと思うが、原作ではアルトゥーロは生き延びるそうなので、実は殺されてないんだ・・・と思うことにしよう。
ノルマンノ役の方もよく通る、グッと観客を惹き付ける声の方だった。そのせいか、このオペラの最初の方のごちゃごちゃしたやり取りがすっきり整理されているように感じられた。合唱もオケも素晴らしく、特にバンダの金管が良かった。
あとは、懐かしい六重唱。今年も色んなことがあったなぁ。自分ももっと勉強しなきゃなぁ・・とか思いながら、楽しく観ていた。いいなぁ、素敵な舞台。
実際は5日の公演が、先日のレクチャーコンサートと同じキャストの方だったのだが、その日はオケ練と重なっていたので行けず、6日の方の公演にお邪魔することに。
実はここの大ホール、私もステージに乗ったことがあるんですよ・・って本番じゃなくてモツレクのオケ合わせだったのだけど、それがひゃ~ぁ、すごい立派なオペラの舞台になってて感激!
このオペラ公演の総合プロデューサーの方が、「ランメルモールのルチア」の原作の舞台になっているスコットランドまで行ってこられて、メアリー・スチュアートが育ったお城・スターリング城の写真を沢山撮り、それが舞台セットの参考にされているという。確かに、舞台上には質感のある柱が4本立っていて、それが確かに古城を思わせる実に微妙な風合いを出している。この柱プラスαで、場面ごとの舞台の雰囲気を出していく。例えばルチア登場のシーンならば、泉を表現する噴水を。結婚式の場面では、シャンデリアのようなライトを、ラストシーンではケルト十字の墓石が出てくるほか、柱の風合いが変わり大理石のようになる。とにかくシンプルなのにも関わらず、大変に趣があって、舞台セットに魅入ってしまった。
そして、これだけの豪華キャストだけでなく、合唱団全員にちゃんとした衣装・・・どれだけ大変な公演だか・・・。今年は自分にとってもルチアイヤーであったけれど、来年初めのコンクール本選で歌う曲のためにも、もう一度オペラ全体を勉強し直す意味で、はるばる遠い和光市まで観に行った公演だけど、本当に行ってよかった。
このオペラの場面1つ1つが見せ場ではあるけれど、観るたびに新たな魅力を発見。アリアもいいけど、二重唱にとても味がある。今回は特に第三幕冒頭のエドガルドとエンリーコの二重唱・・決闘を誓い合う場面だが・・激しい二重唱が「ぎゃぁ~!」と思うほど素敵で、ゾクゾク来た! それからなんと言ってもラストシーン。私は実は、狂乱の場なんかより、墓場の前のシーンの方がずっとずっと好きなのだが、しっとりしたアリアのあと、エドガルドがルチアの死を聞き及んで右往左往する場面・・・そして最後にエンリーコを見て絶命するところの悲愴さが心を打ち、さすがに円熟の演技だと思った。
またアルトゥーロ役の方も素晴らしかった。アルトゥーロ登場シーンの合唱は私がルチアの筋を全然知らない頃から知っていて、自分の結婚式で使いたいなどと妄想していた時期もあったくらいで・・あぁ~はずかし・・直後に新郎が殺されるんだから結婚式に使えるわけないよね。ま、個人的にそういう思い出があるものだから、アルトゥーロにはカッコよく歌って欲しいわけで、本公演ではそのイメージにぴったり・・というかそれ以上の歌い手さんだった。カーテンコールではブラボーのコールもかかっていた。まるで王子様みたいにカッコよく、声も美しかったのだけれど、そうであればあるほど「何でこの人じゃだめなの?」「何でこの人は殺されなければならないの?」というジレンマが頭をもたげてくるのである。罪もないアルトゥーロが殺されているのに、彼を悼む人が誰もいない・・というのがこのオペラを最大の理不尽な点だと思うが、原作ではアルトゥーロは生き延びるそうなので、実は殺されてないんだ・・・と思うことにしよう。
ノルマンノ役の方もよく通る、グッと観客を惹き付ける声の方だった。そのせいか、このオペラの最初の方のごちゃごちゃしたやり取りがすっきり整理されているように感じられた。合唱もオケも素晴らしく、特にバンダの金管が良かった。
あとは、懐かしい六重唱。今年も色んなことがあったなぁ。自分ももっと勉強しなきゃなぁ・・とか思いながら、楽しく観ていた。いいなぁ、素敵な舞台。