トランペットの師匠が紅一点メンバーとして入っているAidy Brassという若い人達による金管五重奏団のライブがあるというので、赤坂のカーサクラシカというライブハウスに行ってきた。
ここはクラシック音楽用のライブハウスだそうで、
お食事をしながら、生演奏が聴ける。
そこのお食事メニューのネーミングは一風変わっていて、私はとりあえず「華麗なるポッロネーズ」というのを頼んでみて、それはそれで美味しかったんだが、その後「Ton Giovanni」という豚肉料理もあったことを知り、そっちにすればよかったと悔やんだ。
カクテルの名前も変わっていて、正面のがCho-cho夫人(梅酒+グレープフルーツ+トニック)。来年オペラ蝶々夫人の舞台があるので、験担ぎに頼んでみた。美味しかったが、なぜこれがCho-cho夫人なのかどうかは分からなかった。
☆ ☆ ☆
メインディッシュを食べ終わった程よいところで、演奏が始まった。プログラムはバロック音楽からジャズや現代曲まで幅広い範囲をカバー。シャイトの「戦いの組曲」より「戦いのガイヤルド」というアップテンポのカッコイイ舞曲から演奏スタート。見るからに高難度! わぁ~! トランペット(コルネット)2本+ホルン+トロンボーン+チューバの編成だが、トランペット2本が対向配置なので、ステレオのように聴こえてきて、私的にはどの音が師匠の吹いてる音なのかが分かりやすいので嬉しかった。
2曲目の「オンブラ・マイ・フ」で、楽器好きの私にとっては、鼻血の出るようなサプライズが待っていた。
それはチューバ吹きの方が、チューバの他に、古楽器のセルパンもお吹きになるということで、セルパンの演奏を披露していただいたことである。
楽器博物館や楽器事典でしかお目にかかったことのないセルパン! まさか生演奏が聴けるとは!
この楽器は1590年というルネサンスの終り頃の時期に誕生し、当初はグレゴリオ聖歌の低音部を補強する等の目的で教会で使われていたとか。演奏者は極めて少なく、プロとして演奏している方は日本で数人いるかいないかのレベルとのことだが、私は恥ずかしながら今もちゃんと演奏しておられる方がおられること自体に感激したのである。
果たしてどんな音がするのか? 私はパァ~ンという音を連想していたのであるが(セルパンだけに)・・実際には
ポワァ~ン・・・というやさしくて温かい音。ラッパよりホルンに似ているかもしれないが、ホルンより柔らかい音。グレゴリオ聖歌の低音部を補強していたという説明に納得。確かに男声と親和性が高いかもしれない。随分軽い楽器なのかな。この演奏フォームを見て、指穴がその位置にある理由がやっと分かった。黒い部分は木で出来ているそうで、やさしい音色はそこから来るのかもしれない。金管楽器なのに木管? でもマウスピース部分は普通に金管楽器と同じようである。
金管四重奏(コルネット2+トロンボーン+ホルン)をバックにセルパンがソロで「オンブラ・マイ・フ」を演奏。今後もなかなか聴けないだろうと思われる、とても印象に残る演奏で、また聴きたいなと思った。
それから金管五重奏によるカルメン・ファンタジー。カルメンは歌でもオケでもやったことがあるから、弦楽器や歌の細かい音符をトランペットでなぞるのどんなに難しいか、感覚的に分かる・・・ひゃぁぁ~! 3月のアンサンブルセミナーのアドバンスドコースの課題曲の候補の一つにカルメン・ファンタジーが挙がっていて、「まさかこの編曲じゃないでしょうね」と心配になって休憩時間に師匠に聞いた。違う違う・・と言われてちょっと安心。
このライブは、チューバの方のトークでプログラムが軽快に進行していくのだが、その方のトークが面白くて引き込まれた。オタッキーな内容に転ぶこともあれば、ナイスなボケをかますこともあったが、落ち着いた声色なので安心して聞いていることが出来た。今年、少人数方によるコンサートを何回か聞いたが、みなさんトークがお上手で、素晴らしいなぁと思った。自分は興奮するとどんどん声が上ずり、がんがんしゃべってうるさくなるだけであるが、こんな風に終始落ち着いた声で面白いことや大事なことを言ったり、しゃべりすぎずに間の取り方で人を笑わせるとかが出来るようになりたいなぁと思った。
後半の冒頭のドビュッシーの「小さな黒人」の演奏はとても楽しかった。この曲、ドビュッシーだったのか・・しかも名前が「小さな黒人」だったのか・・ってビックリしたけど、金管アンサンブルにとっても合う曲だなぁと思った。途中にクリスマスメロディーをさりげなく(?)挟んでて、面白かった。
その他、イウェイゼンの「フロストファイヤー」、スタンダードジャズの「チュニジアの夜」、長~いアドリブ演奏の入ったロンドンデリーの歌のトロンボーンソロとか等、聴き応えのある演奏の後、最後のウェストサイドストーリー(抜粋)は圧巻だった。マリアとかトゥナイトとか、金管演奏にするとカッコいいね。
アンコールの1曲目は「花は咲く」。弦楽のアンサンブルでなら弾いたことがあるが、管のアンサンルブルは荘厳でいいね。いつか吹いてみたいな~。
拍手が鳴り止まず、2曲目突入・・・やられた! 先週まで超苦しんでた「情熱大陸」じゃないか。しかもはるかにカッコイイ。っていうか、出だしがあまりにカッコよすぎて「情熱大陸」だということにピンと来るまで時間がかかった自分が悔しくて・・。
☆ ☆ ☆
ということで、若い演奏者さん達の、エネルギッシュで楽しいライブは終り、帰途についた自分の脳みその中に、さっきの情熱大陸ががんがんにエンドレスに鳴り響く・・修行し直して、いつか今日の編曲の情熱大陸も吹いてみたい。
ここはクラシック音楽用のライブハウスだそうで、
お食事をしながら、生演奏が聴ける。
そこのお食事メニューのネーミングは一風変わっていて、私はとりあえず「華麗なるポッロネーズ」というのを頼んでみて、それはそれで美味しかったんだが、その後「Ton Giovanni」という豚肉料理もあったことを知り、そっちにすればよかったと悔やんだ。
カクテルの名前も変わっていて、正面のがCho-cho夫人(梅酒+グレープフルーツ+トニック)。来年オペラ蝶々夫人の舞台があるので、験担ぎに頼んでみた。美味しかったが、なぜこれがCho-cho夫人なのかどうかは分からなかった。
☆ ☆ ☆
メインディッシュを食べ終わった程よいところで、演奏が始まった。プログラムはバロック音楽からジャズや現代曲まで幅広い範囲をカバー。シャイトの「戦いの組曲」より「戦いのガイヤルド」というアップテンポのカッコイイ舞曲から演奏スタート。見るからに高難度! わぁ~! トランペット(コルネット)2本+ホルン+トロンボーン+チューバの編成だが、トランペット2本が対向配置なので、ステレオのように聴こえてきて、私的にはどの音が師匠の吹いてる音なのかが分かりやすいので嬉しかった。
2曲目の「オンブラ・マイ・フ」で、楽器好きの私にとっては、鼻血の出るようなサプライズが待っていた。
それはチューバ吹きの方が、チューバの他に、古楽器のセルパンもお吹きになるということで、セルパンの演奏を披露していただいたことである。
楽器博物館や楽器事典でしかお目にかかったことのないセルパン! まさか生演奏が聴けるとは!
この楽器は1590年というルネサンスの終り頃の時期に誕生し、当初はグレゴリオ聖歌の低音部を補強する等の目的で教会で使われていたとか。演奏者は極めて少なく、プロとして演奏している方は日本で数人いるかいないかのレベルとのことだが、私は恥ずかしながら今もちゃんと演奏しておられる方がおられること自体に感激したのである。
果たしてどんな音がするのか? 私はパァ~ンという音を連想していたのであるが(セルパンだけに)・・実際には
ポワァ~ン・・・というやさしくて温かい音。ラッパよりホルンに似ているかもしれないが、ホルンより柔らかい音。グレゴリオ聖歌の低音部を補強していたという説明に納得。確かに男声と親和性が高いかもしれない。随分軽い楽器なのかな。この演奏フォームを見て、指穴がその位置にある理由がやっと分かった。黒い部分は木で出来ているそうで、やさしい音色はそこから来るのかもしれない。金管楽器なのに木管? でもマウスピース部分は普通に金管楽器と同じようである。
金管四重奏(コルネット2+トロンボーン+ホルン)をバックにセルパンがソロで「オンブラ・マイ・フ」を演奏。今後もなかなか聴けないだろうと思われる、とても印象に残る演奏で、また聴きたいなと思った。
それから金管五重奏によるカルメン・ファンタジー。カルメンは歌でもオケでもやったことがあるから、弦楽器や歌の細かい音符をトランペットでなぞるのどんなに難しいか、感覚的に分かる・・・ひゃぁぁ~! 3月のアンサンブルセミナーのアドバンスドコースの課題曲の候補の一つにカルメン・ファンタジーが挙がっていて、「まさかこの編曲じゃないでしょうね」と心配になって休憩時間に師匠に聞いた。違う違う・・と言われてちょっと安心。
このライブは、チューバの方のトークでプログラムが軽快に進行していくのだが、その方のトークが面白くて引き込まれた。オタッキーな内容に転ぶこともあれば、ナイスなボケをかますこともあったが、落ち着いた声色なので安心して聞いていることが出来た。今年、少人数方によるコンサートを何回か聞いたが、みなさんトークがお上手で、素晴らしいなぁと思った。自分は興奮するとどんどん声が上ずり、がんがんしゃべってうるさくなるだけであるが、こんな風に終始落ち着いた声で面白いことや大事なことを言ったり、しゃべりすぎずに間の取り方で人を笑わせるとかが出来るようになりたいなぁと思った。
後半の冒頭のドビュッシーの「小さな黒人」の演奏はとても楽しかった。この曲、ドビュッシーだったのか・・しかも名前が「小さな黒人」だったのか・・ってビックリしたけど、金管アンサンブルにとっても合う曲だなぁと思った。途中にクリスマスメロディーをさりげなく(?)挟んでて、面白かった。
その他、イウェイゼンの「フロストファイヤー」、スタンダードジャズの「チュニジアの夜」、長~いアドリブ演奏の入ったロンドンデリーの歌のトロンボーンソロとか等、聴き応えのある演奏の後、最後のウェストサイドストーリー(抜粋)は圧巻だった。マリアとかトゥナイトとか、金管演奏にするとカッコいいね。
アンコールの1曲目は「花は咲く」。弦楽のアンサンブルでなら弾いたことがあるが、管のアンサンルブルは荘厳でいいね。いつか吹いてみたいな~。
拍手が鳴り止まず、2曲目突入・・・やられた! 先週まで超苦しんでた「情熱大陸」じゃないか。しかもはるかにカッコイイ。っていうか、出だしがあまりにカッコよすぎて「情熱大陸」だということにピンと来るまで時間がかかった自分が悔しくて・・。
☆ ☆ ☆
ということで、若い演奏者さん達の、エネルギッシュで楽しいライブは終り、帰途についた自分の脳みその中に、さっきの情熱大陸ががんがんにエンドレスに鳴り響く・・修行し直して、いつか今日の編曲の情熱大陸も吹いてみたい。