原油価格が低迷している。2008年7月一時、1バレル147.27ドル(WTI)まで付けた原価格が今朝の時点で73ドル台にまで、落ち込んでいる。その理由はOPECの主要国、ベネズエラ、サウジアラビアといった国々や石油メジャーが減産に後ろ向きなことだ。その真意はシェールガスへの対抗であろう。原油採掘の利点は、その費用が安いことだ。それに比べて、シェールガスの採掘費用は割高である。今回の原油安の影響で、多くのシェールガス企業に採算割れの懸念が広がっている。このような大規模な事業は撤退や参加を繰り返すことはできない。ひとたび、撤退に走れば、シェールガス事業は衰退する。産油国側や石油メジャーにとっても、1バレル73ドルという価格はやっていけない価格ではない。同じWTIの価格だが、2002年頃までは1バレル20ドル前後で推移していたのである。それでも、産油国の多くは大金持ちだったのである。原油の高値を想定して、国造りを進めているメキシコやロシアなどは、困るかもしれないけれど、多くの国やメジャーはこの戦いに生き残りをかけているのかもしれない。(2014.11.26)
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