面白い話がある。ある企業、超高層ビルの最上階に、役員室を設けていた。見晴らしもよく、気分も良い。ところが、3月11日大地震が発生し、エレベーターが止まった。多くのエレベーターは電話回線を通じて、遠隔操作をしているので、電話が普通になった当日。エレベーターも止まったままとなった。多くの人がイライラしながら、直るのを待っていたのだが、たまたま、その中に、この会社の実力会長がいた。高齢である。しかも、この日は、どうしても、会長室に行かなければならに用事があった。実力会長は意を決して、階段を登り始めた。息が切れて、高いビルのうえに、会社を設けたことを呪った。地震の対応がひとまず、落ち着いたある日、この会社の幹部たちは、会長の鶴の一声で、あわてることになる。会長は「会社をもっと低いビルに移転せよ。」というものだった。しかし、実際に、この種の話は震災後、多い。貸室業者は、テナントの心の変化に慌てている。従来なら、台場や豊洲などの沿岸部の超高層ビルが多くの人の関心を集めていたのだが、今は、ビルの超高階が嫌われている。建物は耐震構造になっているのだが、その分、建物は揺れる。余震が続き、その揺れに耐えれなくなる。仕事どころではない。そのようなビルから逃げ出す会社が増えているのである。しかも、この傾向は、一般のマンション購入者の選択も変えているらしい。
Y-FP Office Japan
Y-FP Office Japan
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます