私はベーシックインカム(最低所得保障)について100歳以上の年金支給のような限定的な活用は好ましいとは思うのだが、一般的な全国民、全住民に一律に支給することは、国民を働かない自堕落な民にするだけだと思ってきた。しかし、コロナ禍のような職の減少がおこるような場合には、貧国者を救うという意味では有効だというのである。シカゴ市議会は2021年10月27日、アメリカ最大規模のベーシックインカム・プログラムを承認した。5000の低所得世帯に対し、1年間に渡って毎月500ドルを支給するというものだ。このプログラムを実施する背景にはパンデミックが発生した最初の6カ月間で、何十万人ものシカゴ市民が職を失い、市民の約18%が連邦政府の貧困ライン以下で生活しているからだ。私もそうだがベーシックインカムに反対する人々は、無条件に現金が支給されれば、仕事を見つける気持ちが低下したり、不必要な買い物をすると批判している。だが、いくつかの研究では、現金給付は人々の就業を妨げるものではないことが示されている。カリフォルニア州ストックトンのプログラムが2021年1月に終了した後、研究者たちは、受給者の失業率が下がり、フルタイムの雇用が増えていたことを発見したそうだ。つまり、コロナ禍のような非常時には有効なのだ。ある意味、日本の特別給付金と似ている。(くちなし亭、2021.10.29)
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