習近平政権が進める企業内共産党活動。

中国、習近平政権はこれまでの鄧小平氏から推し進められた市場経済主義を再び、統制経済へと改めようとしているように見える。その端的な例が企業への共産党支配強化である。まず、手はじめは、企業内にいる共産党員の組織化である。共産党員が３人以上いる企業は、その活動を認めなければならないというわけである。彼らは経営陣のガバナンスの外にいる。だから、勤務時間中であっても、当然、共産党の講演を優先する。その共産党員が優秀な従業員であれば、時には企業にとって、大損失になる。大事な時期に、１か月も講演を聞くために、平気で休むからである。そして、休んだからと言って、企業は給料の削減もできない。企業には、共産党の活動を支援する義務があるからだ。問題はこの共産党従業員が優秀な人ばかりではないからだ。中には、自分の活動をＰＲするために、勤務時間中の全従業員向けの集会なども行うからだ。中国共産党はこのような企業内共産党員の功績は大きいと主張する。共産党は民間企業にとって補助的な人事部のようなプラスの役割を担っていると指摘し、党の組織は企業の経営者などに政府の政策について助言し、人材育成を支援し、従業員と企業間に問題が生じた場合はそれを解消するために動くという。だが、共産党の企業内活動は当然、企業内情報が共産党を通じて、中国政府に流れるので、例えば、中国軍が必要とする極秘技術がこの企業にあるなどと言うことが筒抜けになるということである。(2017.10.31)

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