アメリカのＦＲＢが利上げを決定し、実施に移って以来、各国の通貨安、ドル高が進んだ。特に最も影響を受けたのは新興国通貨であった。トルコリラ、ブラジルレアルはそれぞれ、今年に入って、対アメリカドルで、１７．９％、１２．９％も減少した。しかし、最近はアルゼンチンがＩＭＦの５００億ドル救済をてこに、一時３５％も急落していたアルゼンチンペソも落ち着きを取り戻し、トルコリラ、ブラジルレアルも安定的に推移している。しかし、それらの国の通貨に変わって、急落しているのが韓国ウオンである。６月２８日にはウオンは対ドルで、前日比で６．６ウオン下がり、１１２４．２ウオンと８か月ぶりの最安値となった。問題は急落の速度が速いことである。一般的には輸出に大きな比重を占める韓国経済にとって、ウオン安は歓迎されることだと言われている。アメリカとのＦＴＡ交渉では、ウオン安政策を取らないことが義務付けられているほどである。だが、今回は様相が異なる。その急落が極めて速いために、外資が疑心暗鬼になり、流出を早めていることである。実際に６月の有価証券市場から１兆７１６０億ウオンもの資金が流出していると伝えられている。逆の意味で、韓国経済を揺さぶる事態である。(2018.07.03)
