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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

四人囃子/2002 Live

2010年06月16日 23時04分14秒 | ★ Progressive Rock

 2002年に行われた"森園"四人囃子のリュニオン・ライブである。メンバーは森園勝敏、岡井大二、坂下秀実というデビュー作の布陣である。私はよく知らないのだが、四人囃子は80年代の終盤からライブなどでは散発的に再結成を繰り返していたらしいが、この2002年の復活はこうしてアルバムを出していることからも分かるとおり、かなり気合いの入ったものだったらしい。収録曲はデビュー作「一触即発」と「ゴールデン・ピクニックス」から名曲で大半が占められていて、それ以降の作品や新曲の類は全く入っていない。潔い選曲というべきだろう。

  まぁ、こうした経緯もあってか、内容は基本的に「懐かしの再結成」みたいなものである。ただし、前述ののようにそれなりに準備期間というか、馴らしの活動期間があったせいだろう、「旧友の再会セッション」的な即席感やくたびれた感じは全くなく、非常に充実している。特に森園の円熟のギター・ワークが問答無用の素晴らしさである。往年の彼はクラプトン、サンタナ、ギルモアなどの影響があまりにもあからさまな、日本製ギタリストだったけれど、これだけの年月が経た現在、もうそんな影響云々はどうでもよくなってしまい、「森園のギター」だけが聴こえてくるのは、森園自身の変化もさることながら、やはりリスナーの方の受容姿勢が今やすっかり様変わりしていることも大きいと思う。

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TANGERINE DREAM / Live In Bilbao`76 Pt.1

2010年06月13日 22時44分34秒 | ★ Progressive Rock

 前回取り上げたクロイドンでの公演から約3ヶ月後、1976年1月のスペインはビルバオのパフォーマンスである。この時期のタンジェリン・ドリームはツアーで忙しかったのか、結局1974年の「ルビコン」から1976年「ストラスフィア」までの間は結局スタジオ録音のアルバムを残さなかったことになる。もちろんその間「リコシェ」があり、もう何度も書いているとおり、あのアルバムはこの時期のライブ・パフォーマンスの「最良の部分のみを再構成した」アルバムだから、まぁ、半分スタジオ録音といえないこともないのだが…。 いずれにしても、1975年という年のタンジェンリン・ドリームはおそらく音楽的な充実度という点ではひとつのピークを迎えいていたことはほぼ間違いなく、この時期に彼らが入念なスタジオ・ワークでアルバムを残さなかったのは、むしろ彼らのために惜しまれるものである。

 

 TANGERINE DREAM / Live In Bilbao`76 Pt.1 (全文)

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DARRYL WAY'S WOLF / Saturation Point

2010年06月09日 22時41分47秒 | ★ Progressive Rock

 ウルフは1973年、カーブド・エアからヴァイオリンをもっと弾きたくて脱退したダリル・ウェイによって結成されたインストバンドである(ヴォーカルが入っている曲がないことないのだが…)。メンバーはギターにジョン・エサーリッジ、ドラムがイアン・モズレー、ベースにデク・メセカーという布陣で、当時は全くの無名なミュージシャン達だったが、ウルフ解散後にそれぞれソフト・マシーン、トレース、キャラバンといったバンドを加入するのだから、実力的には指折りの面々であった。彼らはアルバムを3枚ほど残したが、やや方法論として行き詰まった感のある3作目「Night Music」はともかくとしても、残りの2枚については、ヴァイオリンをフィーチャーしたロック・アルバム…、否、非ジャズ系のインスト・プログレの傑作といってもいい仕上がりだったと思う。

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四人囃子/ゴールデン・ピクニックス

2010年06月05日 23時57分06秒 | ★ Progressive Rock

 76年の2作目。当時の一般的なロック・ファンはこれによって彼らを知ったという人が多かったはずだ。メジャー・レーベルから作品、メンバー・チェンジ(この間にキーボードが坂下秀実から茂木由多加、ベースが中村真一から佐久間正英となっている)、そして1976年という時代的な要請によって、彼らの音楽は1作目のようなアングラ然としたところは後退、全体にポップで明るく、どこか突き抜けたようなサウンドを展開しており、同時に音楽主義的というか、技巧主義的なところも色濃くなっていった。

 

四人囃子/ゴールデン・ピクニックス(全文)

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四人囃子/一触即発

2010年06月04日 23時47分20秒 | ★ Progressive Rock

 いやぁ、懐かしい。ここ一週間ほど思い出すと、取り出して聴いているのだが、こんなに聴くのはきっと20年振りくらいに聴くんじゃなだろうか。実に懐かしい音である。本作は四人囃子が74年に発表したデビュー・アルバムだが、私など四人囃子といえば、2枚目の「ゴールデン・ピクニックス」で彼らを知り、そこから遡って本作にたどり着いたという人も多いと思う。むろん私もそのひとりであるが、四人囃子はソニーから再デビューともいえる「ゴールデン・ピクニックス」を、79年に発表した時点で、初期のジャパニーズ・プログレ・バンドとしての音楽的陣容は既に終わりかけており、遡った本作で「本当の四人囃子」を知ったということなのだったろう。

 

四人囃子/一触即発(全文)

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MARILLION / Marbles (Dsic.2)

2010年05月28日 23時35分58秒 | ★ Progressive Rock

 間奏曲3「Marbles III」は、雨音みたいなピアノのモチーフにのってリズミカルに歌われる。マリリオンにしてかなりくっきりクリアな輪郭がある作品なのが珍しい。ちょっとバカラックみたいな感じもあるが、こういうのホーガスのセンスなのだろうか。 ここからの第3部は比較的動的で親しみやすい曲が並ぶ。まず「The Damage」は、中期ビートルズみたいなサイケで、ちょっとひねったポップさがある。ホーガスがフィルセットになるあたりの展開がいかにもいかにもで楽しいし、後半の大仰なコーラスもそれ風だ。 「Don't Hurt Yourself」も、60年代後半の香りがするフォークロック風な作品。アコギのストロークとスカスカなリズムセクションのグルーブ感がなんとも気持ちいい。

 MARILLION / Marbles (Dsic.2)

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MARILLION / Marbles (Dsic.1)

2010年05月27日 23時50分59秒 | ★ Progressive Rock

 「ブレイブ」以来の久方ぶりのコンセプトアルバムということで、ファンの間ではけっこう話題になった2004年の作品である。また、当初2枚組のフル・ヴァージョンとシングル・アルバムが同時に発表されたことでもいろいろ物議を醸し出したようだ。 この2つのヴァージョンが、「本来シングル・アルバムであったものを2枚組に拡大したのか」「2枚組を凝縮して1枚にしたのか」、そのあたりの制作プロセスがよくわからないところもあるのだが、幸い私の手許にあったのは、既に市場に流通していない2枚組の方だったので、ここ数日、こちらをじっくりと聴いているところである。まず、第1部と第2部に相当するディスク1の方から聴いてみたい。

MARILLION / Marbles(Disc.1)

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PINK FLOYD / Obscured by Clouds

2010年05月21日 23時56分26秒 | ★ Progressive Rock

 実は本作もこれまでほとんど聴いてこなかったアルバムだ。いや、全く聴いてこなかった訳でもないのだが、同時期の「おせっかい」や「狂気」に比べ、あまりにとりとめない内容に音楽的なとっかかりをつかめないまま、CDの時代に突入してしてしまい。LPは散逸といった、この作品もほとんど忘却の彼方…という経緯を辿ってように思う。
 本作のアウトラインだが、1972年、当時まっただ中だった「狂気」の録音を中断して、録音されたサウンドトラックである。あの頃のフロイドは「モア」(69年)、アントニオーニの「砂丘」(70年)のサントラを担当しており、本作もそうした流れで実現したものと思われるが、その後「狂気」のメガトンヒットもあって、フロイドが既成の映画のサントラを担当するのもこれが最後となった。

PINK FLOYD / Obscured by Clouds(全文)

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TANGERINE DREAM / Live In Croydon`75 Pt.2-3

2010年05月16日 15時35分04秒 | ★ Progressive Rock

 パート2は、シンセの白玉にのってアコスティック・ピアノが入る。「リコシェ」や「アンコール」でお馴染みのものである。タンジェリンがいつから、そして、どんなきっかけでアコスティック・ピアノを導入し始めたのかはよくわからないのだが、おそらく導入はこの時期なのに間違いあるまい。ついでにそのきっかけとなったのは、やはり当時一世を風靡していたキース・ジャレットではないだろうか。冒頭からインプロ風につま弾くところなど、その影響は明らかという気がするのだが....。 さて、それがしばらく続くと、例のシューベルトみたいなトラディショナルなフレーズが登場する訳だ。このフレーズをフローゼは気に入っていたようで、その後何度も使い回すことなる。このアコピのパートはアルバムだと、こうした部分はほんの刺身のツマくらいのスペースしかさかれていないが、実はこういう風に延々とやっていた訳だ。

 

 TANGERINE DREAM / Live In Croydon`75 Pt.2-3 (全文)

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TANGERINE DREAM / Live In Croydon`75 Pt.1

2010年05月15日 23時50分55秒 | ★ Progressive Rock

 こちらは前回取り上げたロンドン公演から半年後の1975年の10月23日のパフォーマンスである。冒頭は一聴して誰でも驚くだろう。なんと「リコシェ」の同一のリリースの長いシンセ・ベース風の音が鐘のように鳴り響くあのパートの「元ネタ」である。「リコシェ」ではすぐさまリズム・ボックスのようなサウンドが重なって入ってきたが、ここではそれは入らず、比較的なだらかな起伏でこれが3分ほど続くことになる。「リコシェ」というアルバムがいかにも様々な音源を持ち寄って作られた仮想ライブだったことがよくわかろうものだ。

 この後はシーケンサー風なリズムが導入される。ここは「リコシェ」の元ソースではないようだが、かのアルパムの旧A面にそっくりな、バウマンの手動シンセベース・リズム+フランケのSE風シンセ+フローゼのギターでぐんぐん盛り上がっていく、全盛期のタンジェリン特有のあのサウンドである。スピード感あるリズムの元で、ギターのエロティックなフレーズが空間的なシンセの絡みあい、狂おしく上り詰めていくように展開していく様は全く素晴らしいものだ(オーディエンス録音風な音質なのがちと残念だ)。

 TANGERINE DREAM / Live In Croydon`75 Pt.1 (The Bootleg Box Set.1)

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PINK FLOYD / A Momentary Lapse Of Reason

2010年05月13日 23時40分00秒 | ★ Progressive Rock

 ご存じ再結成フロイドの第1作である。87年の発表だから、ギルモアのソロ第2作「狂気のプロフィール」の3年後のということになる。個人的な印象としてはもっと間隔があったような記憶もあるのだが、意外に短かったのだ。この3年の間にギルモアはソロ・アーティストとしては、思ったほど成功を獲得することが出来ず(ロジャー・ウォーターズも「ヒッチハイクの賛否両論」で同様の経過を辿る)、結局というか、早々と「自分の立脚点はあくまでフロイドのギタリストが基本」という結論に至ったのだろう。「狂気のプロフィール」という作品は音楽的なクウォリティは高いし、仕上がりそのものも悪くはないと思うが、やはりあの作品には圧倒的に「音楽的な動機」が不在だったと思う。

 PINK FLOYD / A Momentary Lapse Of Reason(全文)

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MARILLION/Anorak in the UK

2010年05月07日 22時51分26秒 | ★ Progressive Rock

2002年発表されたマリリオン4作目のライブ。最近のメジャー系バンドはブート対策なのか、新作を発表してツアーを敢行すると、間髪入れずにライブ盤を出すことが多い。以前はバンド活動の区切りだったり、ベスト盤的な体裁だったりしたものだが、現在は現況報告というか、ダイアリー的なものに様変わりしつつあるようで、マリリオンも本作あたりからそういう傾向を見せるようになったと思う。 とはいえ、本作は直近の近作3作を中心にセレクトされた2枚組で、確かにこれまでと同様なベスト盤的な体裁もあるが、従来のようにアルバム・リリース毎に行われた各々のツアーからの選りすぐりベストテイクを集めたのではなく、2002年に行われたAnoraknophobiaツアーの3公演(+α)というシンプルな構成になっているあたりにそれを伺わせる。次の「Marbles」以降はスタジオ盤の後はライブ・アルバムというパターンがほぼ定例化していることを考えると、やはりこのアルバムあたりがきっかけとなっている気がしないでもない。

MARILLION/Anorak in the UK(全文)

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the NICE/Live at the Fillmore East Dec 69 (Disc.2)

2010年05月05日 12時28分13秒 | ★ Progressive Rock

01. カントリー・パイ 収録時期が近いのか、「5つの橋」収録のライブ・ヴァージョンにほぼ準じた演奏で、途中のバッハの「ブランデンブルグ協奏曲」の引用も全く同じアレンジで登場している(そえいえば録音バランスもほとんど同一だ)。全体のノリとしては、当時採用されただけあって「5つの橋」の方がいまひとつ上という気もするが、それほど劣る訳ではない。また、当時はかなり型落ちのスタイルにはなっていたが、B.デヴィッドソンのドラムが素晴らしく、こういうドラミングを聴くにつけ、彼はカール・パーマーより優れたドラマーだったのではないかと思ってしまう。

 the NICE/Live at the Fillmore East Dec 69 (Disc.2)

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the NICE/Live at the Fillmore East Dec 69 (Disc.1)

2010年05月04日 23時52分24秒 | ★ Progressive Rock

 最近発掘されたらしいフィルモア・イーストでのライブ音源。ありがちなブート起こしなどではなく、きちんとしたSB録音である(8トラックの模様)。69年12月といえばナイスがこのフィルモアでキング・クリムゾンと遭遇した時期でもある。当時、クリムゾンでベースとボーカルを担当していたグレッグ・レイクがキース・エマーソンと意気投合し、ELP結成に突っ走るのは周知の事実だが、いずれにしても、この時期のナイスはエマーソンのミュージシャン・エゴが異様にふくれあがった状態であり、それに拮抗するには他のふたりがいささか役不足になりかけてもいた。いわばバンド内部的からみても、既に解散直前でもあった訳だ。ELP結成後に発表された「エレジー」には、エマーソンの独演会と貸したライブが数曲収録されていたが(このアルバムと「エレジー」には同一テイクはない)、このアルバムはその時期のナイスのステージをほぼフルに収録されたものとして注目できるものだ。いったい、ナイス最終期のライブとはどんなものだったのか。

 the NICE/Live at the Fillmore East Dec 1969 (Disc.1)

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DAVID GILMOUR / About Face

2010年04月28日 23時56分17秒 | ★ Progressive Rock

 前作から6年後に発表された84年セカンド・ソロ作品。この間にフロイドは実質解散状態となっていることもあって、おそらくギルモアとしても、本作でソロ・アーティストとして独り立ちを期しての作品だったんだろう。プロデュースにボブ・エズリンを招聘し、随所に当時の「売れ筋」の要素を取り入れ、「フロイド的楽屋落ち」でない音楽を作ろうとしている意欲を感じる作品になっている。個人的には初めて聴くことになる作品だ。

 DAVID GILMOUR / About Face(全文)

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