市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

小湊鐵道線に関する補正予算について 総務常任委員会の報告

2023-05-03 | 議会
先日、拙ブログで小湊鐵道線についてお知らせしました。

上総牛久駅以南の廃線も視野に入れているというほど経営が厳しく、
市に対し支援要請が来ていることから、その必要性について検討するとのこと。

そのための調査委託費として、約2700万円の補正予算案が臨時議会で上程され、
私が所属する総務常任委員会で審議が行われました。



私は、2700万円は高額とは思うものの、この調査自体は致し方ないとして、
大きな視点から二つ確認しました。

一つは、市の公共交通政策のあり方について。

小湊鐵道線は観光資源としても非常に重要で、
色々な意味で市南部の「背骨」であることは確かだと思うけれども、
その一方で、市内全域では市街地でもバスの減便が相次ぎ、
多くの市民が日々の買い物や病院通いも困難な状況にある。
市原市は近隣自治体と比べて公共交通施策に予算をかけておらず、取り組みが遅れているのです。

その一方で、小湊鐵道線に対しては要請に応じて直ぐに予算をつけるという
このアンバランスさ・・・。
これでは市民が納得するとは到底思えないのです。
市として、市民の足を確保するということについてどう考えているのか、改めて問いました。



担当の地方創生部長の答弁は、
「交通弱者や交通空白地域の問題については、『地域主体』で連携しながら個別に対応する」
という素っ気ないものでした。



もう一つの視点は、これまでの市南部の活性化策に対する検証について。

ここ数年来、市はアートの活用を柱とする南部振興施策に非常に力を入れていて、
そのために新たに部を設けるほどでした。
代表的な事業は9年前から始まった芸術祭「アート×ミックス」など。
芸術祭だけでも少なく見積もって11億円以上。予算額も職員の投入も半端ではありません。
交流人口を増やして、移住促進、人口維持を目標としていたのに、その結果がこれですから、
これまでの市の取り組みが本当に有効だったのか、問いたくなるのは当たり前でしょう。

この質疑に対する部長の答弁は、
「昨年は移住推進事業で移住者が13名増えた」
「芸術祭では来場者が11万人だった」
などと事業の実績を述べるのみ。

乗降客が減るのは人口の自然減によるものだから、仕方が無い。
これまで通りの観光振興策を進めていく、という感じでした。

聞いていて、何となく他人ごと感というか・・・
多少なりとも答弁の中に行政としての無念さがにじみ出ていれば、まだ理解できたのですが。

観光振興は大いに結構ですが、費用対効果と手法の問題だと思うのです。
今の時代、血税を使った派手な打ち上げイベントが本当に必要なのか。
小湊鐵道線の乗降客を維持する方策が、もっと他にあるはずではないか。
なぜ振り返ろうともしないのか、私には全く理解できません。

こんな事態になっても市が総括も何もせずに更に血税を垂れ流す事になるとすれば、
これまた市民は納得しないでしょう。
今回議会を通ったこの委託調査の結果が、
「支援ありき」のためのアリバイ資料につながるのではないか、
ということも懸念しています。

常任委員会にはマスコミも複数取材に来ていて、少し驚きました。
観光の目玉でもあるローカル線の存続については、世間も注目しているようです。

市ホームページに総務常任委員会の中継録画がアップされていますので、
関心のある方はご覧になって下さい。
小湊鐵道線に関する質疑は、25分あたりからです。
 「市原市議会 議会中継 令和5年第1回臨時会 ー 04月28日 総務常任委員会



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