市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

介護保険と民主主義のお話 

2016-10-28 | お知らせ
今日・明日と二日間連続で、新宿の婦選会館で行われる「市川房枝政治参画フォーラム」に参加。
森山かおる議員も一緒です。



全体テーマは、「揺らぐ日本の社会保障制度」。
今日は基調講演として、貧困問題といえばこの方という湯浅誠氏による「格差社会と民主主義」。
それから淑徳大学の結城康博教授からは、介護保険法改正と総合事業についてお話を伺いました。

生活困窮者自立支援制度にしろ、新しい介護保険制度にしろ、現状は、国から降りてきた制度に自治体が振り回されていて、まさに社会保障制度全体が迷走状態といった感じです。
結城先生がおっしゃるには「市町村の多くがうまくいかないのではないか」とのこと。特に市原市のように人口規模が大きく市域が広い自治体は、なかなかシンドイものがあるようで・・・(+_+)。
特に新しい介護保険制度を成功させるためには、ボランティア・NPO・地区社協など地域福祉における多様なサービス形態を増やしていくことはもちろん大事なのですが、意外に落とし穴なのは、それら地域のサービスを地域包括支援センターやケアマネさんがちゃんと活用できるかということ。ケアマネさんへの研修は非常に重要だそうです。

また、湯浅先生からは、
「民主主義とは、『当たり前』を共有しない相手と、いかにコミュニケーションをとるかということ」
という、大変示唆に富んだお話を伺いました。
つまり、
自分は「この考えが正しい。これが当たり前だ」と思っていても、相手はそうではない。相手には相手の「当たり前」が存在する。そんな時、互いに「あいつに言ってもどうせ通じない」と機械的多数決で物事を決めるのではなく、とことん話し合って互いに納得できる結論を探っていく
という民主主義の考え方なのですが、これは私もまさに我が意を得た思いでした。

こうした「参加・納得型民主主義」は決定までに時間がかかると思われがちですが、そんなことはないと湯浅先生が示した事例が宮城県岩沼市です。
岩沼市は東日本大震災で沿岸部は壊滅的な被害を受けましたが、復興に向けて住民参加型ワークショップを100回以上繰り返したそうです。
行政主体で決めるよりもはるかに遠回りで時間がかかりそうな手法ですが、逆に今、岩沼市は高台への集団移転事業で被災地の中でも先頭を走っています。
行政のトップダウンで決めると、必ず住民から「おれは聞いてないぞ」などと強硬な反対の声が上がります。
でも、皆で参加して話し合って出した結論であれば、たとえ自分の考えと違っていても、納得感が違うというのです。

遠回りなようで実は堅実・迅速な政策決定手法が「参加・納得型民主主義」なのですね。このお話も目から鱗でした。

明日二日目のフォーラムも、どんな気付きが待っているか・・・楽しみです(^.^)。

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