議員有志で、いすみ市に視察に行きました。
いすみ市といえば「有機農業」「オーガニック給食(全て有機米使用)」で、
多くのマスコミに取り上げられ、全国的に注目を浴びています。
ところが千葉県内からの視察申し込みはごく最近になってからなのだそうです。
不思議なものですね・・・。
まずは大原駅からほど近いいすみ市役所を訪問し、担当職員の方からお話をお聞きしました。
まず意外だったのは、
最初から有機農業普及やオーガニック給食導入を狙っていたのではなかったということ。
兵庫県豊岡市のコウノトリの野生復帰に向けた取り組みに共感した、
いすみ市長の想いから始まったと。
コウノトリがやってくるような環境、つまり化学肥料や農薬を使わない農業で、
田んぼに様々な生き物が生息する環境(生物多様性)を目指すということですね。
市長の呼びかけで協議会を設立したのが、今から12年前。当時、有機農業者はゼロでした。
そこから幾多の苦難を乗り越え、今やいすみ市のブランドに成長したわけです。
理想を掲げ、「とにかくやってみよう!」と手探りで始めたわけですが、
次々と道が開けていった最大のポイントは、
とにかくトップの理念が明確でブレないことだったのではないかと感じました。
もう一つのポイントは「公共調達を活かす」ということ。
行政が学校給食全量42トンという供給先を保証することで、
有機農家の育成が進み、子どもや子育て世帯が喜び、農家側も更なるモチベーションにつながり、
農地もさらに拡大するという好循環が生まれました。
ちなみに、有機給食を実施するにあたり給食費の追加負担はゼロ。
その分の市の追加予算は約600万だそうです。
(単純に人口で市原市に置き換えると5000万円くらい。意外と低予算でできる?)
さらにもう一つのポイント。
「やせ我慢の無農薬栽培では続かない、広がらない」。
まずは先進事例を徹底的に学ぶ。これがとても大事だそうです。
例えば、無農薬栽培で問題になる雑草の繁茂については、
稲作研究の第一人者を招いて教えを請い、克服しました。
害虫が増えても天敵のアマガエル等も増えるので、それほど問題にならないこともわかったそうです。
また、やはり行政の手厚い支援は欠かせません。
職員が事務局やコーディネーターの役割を担い、農家の余計な負担を軽減しています。
補助金や機械の無償貸し出し、技術的サポートは当然で、
有機JAS認証の取得といった農家さんにとって面倒な手続きも、
事務局でまとめて代行するのだそうです。
面白いもので、
「普通の米」づくりには興味はなくても
「有機米」づくりならば希望する若者がけっこういるのだそうです。
『住みたい田舎ランキング』といったアンケートでトップになるなど、
今や移住先としても人気のいすみ市。
オーガニックはこれからの世代に確実に求められている。
でも「若い世代を呼び込むためのオーガニック」だと失敗すると思う。
そうじゃないところにいすみ市のすごさがあるよね。。
続きは次回。
続きは次回。