市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

やっぱりそうか・・・

2021-05-21 | 生活困窮
本当は、もっと明るい話題をお届けするつもりだったのですが・・・
やっぱりしっかり伝えなくては。

今日、また市職員の不祥事が明らかになり、市長が記者会見で謝罪しました。
ニュースでは、生活保護のケースワーカーが8年前から5年間、生活保護費を一部抜き取って着服していたと報道されています。
そのわずか数年前も同様に横領事件があったはずなのに、なぜ過ちは繰り返されたのか・・・本当に残念でなりません。

議会にも公表された資料によると、
発覚したきっかけは、昨年末に行われた会計検査院による実地検査だったとのこと。
(生活保護費には国のお金も使われているので、時々調べられるのです)
国の指摘を受け市が内部調査を進める中で、組織体制や事務処理などの不備も次々と明らかになりました。
横領した本人は懲戒免職、関わった被生活保護世帯への謝罪と対応に加え、今後市は組織のあり方や事務の進め方などについて改善計画をまとめるそうです。

つい先日、
私たち女性議員の会では、生活保護行政に関する要望書を提出したばかりでした。
その時のブログはこちらです。 メイクオフ日記パート2「ミスの原因は」
そこで指摘したことがあまりにもズバリと当たっていて、
ビックリというよりも「やっぱりそうか・・・」という想いです。
そう言えば面談の際、市長は「膿を出し切りたい」と何度も仰っていたな・・・。

私たちの要望書のきっかけは、生活保護を受けておられる方々からの切実な相談でした。
今回の不祥事は単なる道義的責任などというような類ではなく、実際に多数の市民が不利益を被り苦しんでいるということを、市は重く受け止めてほしいと思います。


ミスの原因は

2021-05-12 | 生活困窮
まず
コロナワクチンについては、昨日お知らせした通り第1回予約枠はすべて埋まりました。
次回の予約開始は5/20ごろからだそうです。
ネットが使えるようになりますので、活用できる方はぜひそちらを。24時間受付可能ですし・・・。


さて、突然ですが、
市原市議会女性議員の会6名の連名で、市長に対し生活保護に関する要望書を提出しました。



きっかけは、生活保護を受けている方々から各議員のもとにそれぞれ寄せられた、切実な相談でした。
例えば私がお受けした方は障がいを抱えておられ、その分加算された額をずっと受け取っていたのですが、
今年3月とつぜん市から「実はずっと払い過ぎていたので、その分を返して下さい」と言われたのです。
その額は4年分で総額約75万円!!

何でも、4年前に障害手帳の等級が軽くなったそうで、本来であればその時点で計算し直さなければならなかったところ、市のミスでずっと放置されていたとのこと。
調べたところ、法的には例え市側に原因がある場合でも被保護者が返還の義務を負わなければならないとのことで、何とも理不尽な話です。

ただ、私たちは
なぜ同様な事案が頻発しているのか、その原因を探って市に改善を求めることはできます。

そこで様々なデータ資料を市に請求し、全国平均との比較等を行って分析したり、市に聞き取りを行ったりした結果、
市原市は生活保護担当の組織体制が特に貧弱であることが分かりました。
仕事の処理の仕方がずさんになる原因の根本は、個人ではなく、組織にあるということです。

職員が足りない。
ベテラン職員が育成できず、ノウハウの蓄積がない。
チームで動くような組織風土ではなく、個人で仕事を抱えてしまっている。
目の前の業務にひたすら追われ、やりがいが持てない。

こんな状態で、ただでさえセンシティブな生活保護行政がまともに行えるはずがありません。
資料によれば、被保護者の中には280万円もの返還を求められた高齢者もおられました。
日々最低限の保護費で暮らしている方が、行政のミスによって追い詰められるようなことは、決してあってはなりません。

市長は私たちの訴えを真摯に受け止め、改善を約束してくださいました。
今後の成り行きを注視していきたいと思います。



要望書の本文は今後市民ネットのHPにアップしますので、興味のある方はぜひご覧ください!

力量が足りない

2021-04-03 | 生活困窮
世界経済フォーラムが先日公表した「男女格差報告」(ジェンダーギャップ指数)、156か国中120位。


ハフポストさんよりお借りしました

先進7か国ではもちろん最下位、アジアでは韓国102位、中国107位、混乱が続くミャンマー109位よりも低いと。。
特に足を引っ張ってるのはいつも政治の分野。状況は相変わらずですね。

さて、市原市議会の女性議員の会。
女性ならではの視点を政策提言に活かすべく、会派を超えて情報交換を行いながら地道に活動しています。
32名中6名と少数ですが、行政への影響力は決して小さくないと思います・・・?

いま取り組んでいるのは、生活保護に関する行政の組織体制について。
これまで私たちが市民から相談を受けて動く中で、市の対応に首をかしげざるを得ない事例が少なからずあったからです。

勉強会と打ち合わせの様子


8年ほど前になりますが、市原市の職員が生活保護費を不正に処理をして着服していたという事件が発覚しました。
個人の罪が大きいのは当然ですが、背景には体制の不備や加重な業務などによるストレスもあったかもしれません。

昨年の乳児衰弱死事件を未然に防げなかったことも、外部有識者による審議会から
「組織としての力量が足りない」
とズバリ指摘されてしまいましたから、いち部署だけの問題でもなさそうです。


・・・・暖かい日が続いて、自宅の庭も花盛り!
写真は、鉢植えの桜とチューリップ「初桜」(^^)



市原市社会福祉協議会へ

2020-04-21 | 生活困窮
先日、他市の市議会議員と情報交換をした際
「市の社会福祉協議会への相談者が増えていて大変らしい」
と話題になりました。

もともと社会福祉協議会(社協)には、失業などでお金に困った方に対する緊急の貸付制度がありました。リーマンショックの時に設けられたものです。
その要件を緩和して、3月25日より、新型コロナの影響で収入が減ったり失業したりした場合を対象とする「特例貸付」が始まりました。
休校で子どもの面倒を見るために休業している場合も対象となります。
国民一人10万円の支給もいつになるかわかりません。当座のお金にも困る方には、とてもありがたい制度だと思います。

さっそく市原市の社協を訪ね、お話を伺いました。


現在までに面談での相談が146件、問い合わせも含めた電話相談は315件。やはり市原市も増加していました。
うち、申請に至ったのは60件(合計938万円)です。
他の施設の職員も動員して対応していて、相談はひとり1時間以上かかるので、職員の皆さんの感染リスクも心配です。
傾向としては母子家庭が多く、また日を追うごとに収入減の相談から失業の相談が多くなってきていると感じているそうです。



連絡先は、こちらです0436−24−0011 
混雑を避けるため、基本的に事前に電話で予約をしてください、とのことです

犯罪と非行の果てに

2019-08-15 | 生活困窮
千葉市で開かれた中核地域生活支援センター大会
福祉に関する旬のテーマで、毎年中身の濃い講演会やシンポジウムが行われています。



今年は「犯罪・非行の向こう側に見えてくるもの」。
犯罪を犯した人の社会復帰への支援がテーマです。
とても重いテーマですが、今までほとんど注目されてこなかったと思います。

出所後、頼る人もなく、住まいもなく、もちろん働く場もなく・・・。
そんな人たちへ根気強く手を差し伸べる支援者の実態(本人へのインタビューも)。とても勉強になりました。

登壇者のお一人がおっしゃった「『自立』とは、依存先を増やすことです」という言葉が心に刺さりました。
依存を減らすことが自立ではない・・・
これまでと真逆の概念ですが、こう考えれば救われる人も随分多いのではないでしょうか。
社会のあり方も変わってくるかもしれません。

司法と福祉の連携という新しい課題も浮き彫りになりました。


さて、
このところ週末はどこかで必ず盆踊り大会が開かれています。
どの会場も「こんなに若者がいたんだ!!」とビックリするくらいに賑やかです(^^)。




8050問題を考える

2019-06-21 | 生活困窮
この間、ある市職員から
「オザワさんの発言って、ほんとに是々非々ですよね!」
と改めて言われました。

裏を返せば、是々非々で発言する議員が少ないということなのでしょうか(^^ゞ
ともかく、素直に嬉しかったです!


さて写真は、地域住民の医療福祉を推進するための専門職の勉強会「ちーき会」にて。


今回のテーマは『8050問題』でした。

ちょうど3月議会で一般質問に取り上げたばかりのテーマです。
その時はまさかその後に川崎や練馬の事件が起きるなど夢にも思わず・・・。

内閣府が40~64歳を対象に調査した結果。

中高年の1.45%がひきこもりなのだそうです。

単純に市原市の人口規模で置き換えると、1400名くらい。
更に、私が住む市原地区で250名くらい。辰巳地区は60名くらい・・・。

意外に多い?少ない?

引きこもりの長期化で、本人ばかりか家族も丸ごと社会から孤立して見えなくなってしまうのが8050問題の難しさ。
親への医療や介護の介入がきっかけで、ようやく表面化することが多いようです。

グループディスカッションでは、病院職員からこんなエピソードが。
「親が救急車で運ばれて、初めて家に引きこもりの息子がいることがわかった。
それでも家から一歩も出ようとしない。
食事もとれないようなので、福祉事業所に連絡して食事を届けるなどの訪問支援につなげた」

こんな深刻なケースが、市原市でも山のようにあるのです。

ひきこもりの意外な原因

2018-12-17 | 生活困窮
14日金曜日、ようやく今年最後の定例議会が終了しました。
私はこの日のトップバッターとして登壇し、「ひきこもり」と「辰巳台の交通計画とまちづくり」について質問しました。
持ち時間は、答弁を入れて30分。質問を詰め込みすぎてしまう私の悪い癖が出て、またしても途中でタイムアウト・・・。
何回やれば気が済むんだ(T_T)


「ひきこもり」については、質問するにあたり、支援する側・される側、いろいろな立場の方にお話を伺いました。
その中に、ひきこもりの当事者やご家族の相談を数多く受けていらっしゃる心理セラピストの方もいて、こんな興味深いお話をして下さいました。

小学校に入学してまず学校に行けなくなる原因は、意外にも「トイレ」。
洋式トイレしか経験がない子どもは、入学前に和式のトイレトレーニングが必要とのこと。
一方、中1ギャップの原因の一つが「蝶々結び」。
運動靴のひもがうまく結べない。こんな些細なつまずきから始まるのだとか。

その方は
「幼いころから、ごく当たり前の生活スキルを身に着けたり様々な経験をさせることが大事」
と気づいて、今は幼児への支援に力を入れているのだそうです。

「ひきこもり」はやっぱり奥が深い・・・。

写真は議会棟の前で・森山さんと。

「ジャンパー事件」から学んだこと

2018-11-12 | 生活困窮
小田原市の「ジャンパー事件」を覚えていますか?

昨年1月、生活保護担当の職員が「保護なめんな」などと不適切な表現をデザインしたジャンパーを着用して、10年にわたって生活保護受給者宅を訪問するなどの業務をしていたという事が明るみになりました。

あれから1年半。
参議院議員会館で開かれた「女性議員パワーアップ集中講座」で、小田原市職員からその後の生活保護行政の改革についてお話を伺いました。
題して
「誰もやりたがらない仕事」を「やりがいのある仕事」に変えた方法は何か?



まず驚いたこと。
説明してくださったのは、生活保護の担当部署である福祉政策課の職員に加え、もう一人は企画政策課の職員だったのです。
当時、市長が「トカゲの尻尾切りで終わらせることは絶対にしない。これは全庁的な問題だから、企画部が動け」と指示を出したのだそうです。

実は、かのジャンパーは、生活保護を打ち切られた男に職員が窓口で切り付けられた事件がきっかけで「一致団結の象徴」として制作されました。日々の業務のあまりの多さに疲労感や閉塞感が蓄積していたこともあって、職員の連帯感を高揚させる意味もあったようです。
当時、庁内では、誰もそのことを気にしていませんでした。
市長は、そんな組織全体の在り方に問題があったことが根本的な原因と考え、1年間で改善するよう明確に方針を打ち出しました。
外部有識者を加えた「生活保護行政の在り方検討会」の立ち上げ、シンポジウムの開催、徹底した情報開示。もちろん、生活保護担当職員の増員をはじめ業務の大幅な見直しも断行しました。市長が直に担当職員と話し合う機会も積極的に設けられているそうです。

全国から集まった女性議員たちからは、次々と質問の手が上がりました。


「まるで予算委員会で追求されて答弁しているみたいです・・・」と苦笑しながら答えるお二人(笑)。


この事件はマスコミでも大きく報道されたことから、小田原市には全国から非難の声が集中しましたが、一方では「よくやった」と職員の行為を支持する声も相当数あったのだそうです。
一般的に、生活保護制度は不正受給のイメージが根強くあって、援助を必要とする人へのまなざしが弱くなりがちであることは否めません。
これは決して小田原市だけの問題ではないし、組織の在り方についても生活保護行政に限ったことではないと感じました。

ハウジングプア

2016-05-07 | 生活困窮
千葉市の県弁護士会館で開かれた、「住まい」の支援に関するシンポジウムに出席しました。



基調講演の稲葉剛さん(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事・NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事 ほか)


生活困窮者であったり、高齢者や障がい者、DVなどから逃れてきた人、元受刑者や執行猶予者など、住まいに困難を抱える理由は様々。
これらハウジングプアの問題は深刻で、
屋根がない状態」路上や公園、河川敷などでのいわゆるホームレス、
屋根はあるが、家がない状態」ネットカフェやサウナ、施設や病院、友人宅などを転々とする、
家はあるが、居住権が侵害されやすい状態」会社名義の部屋、脱法ハウスなど
これら全体で、少なく見積もっても10万人はいるといわれているそうです。

私には関係ないと思う人も多いのでしょうが、病気や解雇・倒産など、誰にでも起こりうる理由で、あっという間に住宅喪失状態になる可能性があります。

稲葉さんは、外国の方からよくこんな質問を受けるのだそうです。
日本では、なぜ仕事がなくなると住まいもなくなるのか??
特に欧州では、たとえ収入がなくなっても、最低限住まいは確保されるような支援制度が整っているんですね。
対照的に日本では、とかく住まいは「私的な問題」とされ、会社の福利厚生に頼った状態が続き、公的な住宅支援制度が非常に遅れています。
生活保護でさえも、「住まい(住所)がないと申請を受け付けない」のが建前なのです。
福祉は厚労省、住宅は国交省という縦割りの構造も影響しているのでしょう。

そのほか、脱法ハウスや無料低額宿施設などの貧困ビジネスの横行も、深刻な社会問題です。

千葉市では、民間賃貸住宅入居支援制度や補助制度に加え、企業組合のワーカーズコープちばに委託して、緊急一時的なシェアハウスの提供やアパート探しなどの事業を行っています。
市原市もこれからは、「住まいは人権住まいは福祉」という観点で、もっと住まいにフォーカスした支援制度が必要だと思います。

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