

透明「さて、もう一度やってみようか
」

智則「はい
」

智則くんは、自分の感覚を研ぎ澄まし
感を開くように意識を集中させる

透明「(さっきの話がきっかけになってくれていれば
開くはずだが・・・。)」
開くはずだが・・・。)」
智則「・・・・・。」
しばらくの沈黙・・・そして

智則「あっ
えっ
な、なに
」




透明「どうした
」

智則「め、目の前が
・・・砂嵐みたいに・・・
」


透明「あははっ
もう少しだね


それは、現視(げんし)と可視(かし)の間を
視ている状態

その薄皮一枚先に霊視できる世界が広がって
いるはずだよ
」
いるはずだよ

智則「そ、そうなんですね

何だか、テレビの砂嵐みたい~~~
」

透明「頑張れ
」

智則「は、はひ~~~
」


よしよし
いい感じ
後ちょっと・・・。


それから、智則くんは唸りながらも頑張って
扉を開こうとするが・・・。
智則「駄目だ~~~~~
ちょっと休憩~~~~
何でだ~~~~~~
」

ちょっと休憩~~~~

何でだ~~~~~~


透明「う~ん
・・・何だろう


そこまで行っていたら、大体が可視の世界に
視点が合うのだけど
・・・あっ
」


智則「
」

透明「智則くん
もしかして、怖い
」


智則「えっ
」

透明「昔の記憶って、結構嫌なことが多かったでしょ

もしかしたら、どこかでビビッてない
」

智則「ビッ
ビビッてなんてないです
」


わざと刺激する透明先生・・・

昔不良をしていると、こういった言葉で奮起する子が多い

透明「そう
」

智則「はい
全然ビビッてないです
」



そう言うと、俄然やる気になり、再戦する智則くん・・・。
智則「・・・・・・くっ
」

透明「・・・・あれ
もしかして・・・。」

智則くんの思考を垣間見て違和感を覚える・・・。
透明「智則くん
もしかして・・・。」

智則「ビビッてませんて~~~ 
」


透明「違う
違う
そうじゃなくて
」



智則「
」

透明「智則くん、待ってない
」

智則「えっ
」


透明「いや、さっきの話じゃないけど、開くのを
待っているような気がして・・・
」
待っているような気がして・・・

智則「えっ、いや・・・一応、視ようとは・・・。」
透明「あっ
なるほど


智則くんは、まだ受け身になってるみたいだね
」

智則「えっ
」

透明「感を開くというのは、体ごと其処へ自分が入る
感覚が大切なんだ
感覚が大切なんだ

恐る恐る覗くのではなく、扉が開くのを待つのでもなく、
視よう視ようと望遠鏡を覗いてるだけでは駄目なんだよ

自らがその先へ一歩進む感覚で視にいってごらん
」

智則「そ、そっか
確かに受け身になっているかも


・・・・・・其処へ・・・入る・・・・・あっ

や、やった
入った
入りました
うっ 
」





突然、智則くんが口を抑える

透明「ど、どうした
気持ち悪いの




・・・・あっ
し、しまった
」


智則くんは、一体どうしてしまったのか 

続く ・・・。







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