月夜の晩に・・・。 
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男性は、話し続ける・・・。
男性「リストラにあってからは、毎日が地獄で・・・

他の就職先を探そうと、一生懸命毎日色々な
会社を訪ねました・・・でも、リストラにあったことで
何か問題があるのではないかと疑われることを
聞かれ・・・挙げ句の果てに、妻も出ていって
しまった・・・私は・・・

」
透明「そうですか・・・大変だったのですね・・・

パニック障害は、いつからですか
」
男性「はい

・・・リストラされて、就職を探している最中に
突然、呼吸ができなくなり

意識を失って・・・

」
透明「お医者さんは何て

」
男性「急性のパニック障害だろうと・・・。
薬はもらっていたのですが、飲むと何もできなく
なってしまうので

・・・今日も企業の面接だった
のですが・・・やはり、ダメそうです・・・

」
透明「なるほど・・・。」
リストラが引き金となり、自分を支えていたモノが
崩れ去ってしまったことで、パニック障害が起こった
何で、私相談のってるんだ


で、でも、確かに放っておけないし・・・

男性は、うな垂れたまま頭を抱えていた

周りの女子大生も、黙ったまま・・・実際に手に負えない
現状を目の当たりにして、かなり凹んでみえる

恵那もさすがに

恵那「
大丈夫
」
男性「

」
透明「

」
恵那「この人、大変な想いを沢山経験してきた人ですし、
沢山の人を救ってきた占い師さんだから

」
透明「は、はい


」
男性「

」
恵那「私は、お話を聞くことも、救う方法もわからないけど

この人は、沢山の方法を知っているから、
きっと、
力になってくれると思うよ
」
男性「占い師さん・・・

」
透明「あっ

ご、ごめんなさい

小娘の戯言だと思って、聞き流してください


」
男性「・・・・・・・
お、お願いします 
少しで良いので、何かアドバイスもらえませんか


お、お金は、どれくらいあれば

」
透明「
いえいえいえいえ 

お金なんて、いりませんよ~

っていうか、私なんかに何かできるかわかりませんし、
本当に、
冷静になって考えてください
」
男性「・・・いいえ

何だか分からないのですが、何故か、貴方を見ていると
貴方なら今の現状を変えてくれる気がしているんです

どうか、お願いします


」
マ、マジか
いつものパターンではあるけど、難問だぞ

私は、大きく息を吸い込み深呼吸する

透明「はぁ~

・・・わかりました

私でよければ、お話をお伺いします

」
少し離れたところで、ひそひそ話が聞こえてくる・・・。
千香「(
今、顔つき変わったよね
)」
泉美「(
うん
)」
真奈「(
きっと、覚悟を決めたんだよ
)」
千香「(
なるほど
そうかもしれないね
)」
恵那「(
あれが、本来の先生だよ
きっとあの人を
救ってくれるはずだよ
)」
おいおい

聞こえてるし、変なプレッシャーかけてくれるな


今日一日・・・
本当に厄日だ
さてと・・・

透明「それじゃ~、最初に自己紹介ですね

私は透明と言う、しがない占い師です

」
井土「あっ

す、すみません

名前も言わずに・・・

私は
井土 智明(
いつち ともあき)と言います

36歳です

」
透明「井土さんは、
何のお仕事をされていたのですか

」
井土「はい

私は、食品メーカーの開発にいたのですが、
不況が理由で、リストラされました・・・

」
透明「なるほど・・・。」
リストラ・・・
でも、何か引っかかるなぁ~
次回、突然の出張鑑定
井土さんの状況を紐解きます 
続く ・・・。