魔王 降臨
・8
森本「・・・それじゃあ、俺は自分で状況を
悪くしてるってことっスか


」
透明「いや、だから、そうじゃなくて
もともとこの状況というのは、
森本くんが
失敗をしない為に、慎重に
なりすぎている結果だから、決して
それが
悪いわけではないんだよ
」
森本「でも、その
イン・・・何とか

があるから、
自分では変えられないんでしょ

それじゃあ、俺はこのまま
負のスパイラルに
巻き込まれていって、どんどん
悪い方向に
行っちゃうじゃないっすか


」
透明「いやいや

自分の
努力次第で、いくらでも
変えられるから、大丈夫だよ


」
森本「でも、でも・・・。」
・・・
う~っ
また、はじまった~
やれやれ、仕方がない、
もうこうなったら
透明「う~ん・・・そうだね

」
森本「
えっ
」
透明「このまま行けば、森本くんは
負のスパイラルに
引きずり込まれちゃうかもしれないね
う~む
」
森本「
え~っ
じ、じゃあ、どうしたらいいんですか


」
透明「とにかく、時間がないから、早く気持ちを
転換するしかないよ

」
森本「も、もし出来なかったら


」
透明「・・・。」
森本「
えっ
え~っ
もしかして、本当に仕事
ダメになったりします

」
透明「・・・う~ん・・・。」
森本「
えっ
・・・彼女にも振られたり


」
透明「あり得るかも・・・。」
森本「
どうしよう・・・。仕事を切られて、夢から
遠ざかって・・・彼女にも振られたら、俺・・・

」
・・・
よしよし・・・。
透明「そうだよね

何とかしなくちゃ

」
森本「もしそうなったら、
俺なにも残らないし・・・。
そしたらきっと、路頭に迷って・・・
今更、親に頼れないし・・・喰うモノも困って
病気に
なったり・・・。」
うん、うん

どんどん行こう
森本「どうしよう・・・
家賃も払えなくなるから、
家も追い出されるかもしれない


」
透明「う~ん、確かにありえる話だよ

」
森本「

・・・そんな状態になったら、
借金でもして、
何とかしなくちゃならなくなる・・・。」
透明「でも、
借金出来ないかも

」
森本「
えっ

」
透明「バイトでも何でも、
定職がないとお金を
貸してくれるところも少ないから、貸して
くれるところと言ったら・・・

」
森本「
サラ金しかないかも


でも、そしたら
借金がかさんで、
追い回される生活をしなくちゃ
いけなくなるかもしれない





」
・・・
すげ~な~
透明「でも、そしたら親御さんに
迷惑がかかるかも
しれないよ

」
森本「
うわ~っ
そうだよ

親のところに取り立てとか
行っちゃって、きっと親にも見放される・・・。」
う~ん

・・・もう一息かな~
透明「それでも、借りてしまった以上、
責任の所在を
問われるかもしれないもんね

」
森本「・・・そ、そうだ

もしかしたら、
ドラマとか
みたいに、
東京湾とかに・・・

」
しかし、よく次から次へと出るもんだなぁ~

森本「きっと、誰からも忘れられて、死んで行く・・・。
俺の人生って、
良いことないまま終わっちゃう
のかよ~っ・・・
悲し過ぎる・・・

」
まあ、こんなところかな
透明「
もうそれ以上無い
」
森本「
へっ
」
透明「いや~、もっと悪くなる
想定ないかな~っと思って

」
森本「・・・自分が死んじゃったら、
もう終わりじゃないですか
」
ちょっと、
ムッとしてる
透明「でも、そんな状態であの世に帰っても、残された親は
借金の肩代わりして、大変だろうね

」
森本「

」
透明「森本くんがいなくなったら、今まで苦労して育ててきた
ご両親の気持ちは、
どうなんだろう・・・

」
森本「・・・
悲しみますよね・・・
きっと・・・。」
うんうん、少し相手のことも考えられるようになってきたかな
透明「夢を追っている息子を
信じていただけに、
その悲しみは、想像出来ないかもね

」
森本「・・・
ぐすっ・・・。」
透明「森本くんの生き方には、森本くんの
成功を信じて
くれている人の人生も、乗っかっていたんだよね

」
森本「・・・俺って・・・なんて・・・。」
くすっ
本当にそうなったみたいになってる
でも、ここまでくれば良いかな
透明「じゃあ、そうならないようにするには、
どうすれば良いと想う

」
森本「
えっ
あっ
そ、そうです、そうですよね

」
やっと、自分の中から出て、気づいたみたいだ
森本「そうか

最悪にならないように、やらなくっちゃ
もう、仕事も彼女も
全部ダメになった気になっちゃい
ましたよ

あはははっ
」
透明「
くすっ
森本くん

もし、これからも、気持ちが
不安定になったり、悪いこと考えるようになったら、
なるべく早く
落ちるところまで落ちなさい
もうこれ以上無いところまで気持ちを落としたら、
今ならまだやり直せることに気がつくでしょ
いつまでも、中途半端に悲観していても、
立ち直るまでに時間がかかってしまって、
負のスパイラルに飲み込まれ兼ねないから、
今日みたいに、
短い時間で自分が納得行くところ
まで、一気に落ちて、そこから今の自分を
見直してごらん

落ちるところまで落ちたら、
後は、上がるだけだからね

」
森本「そ、そっか~

そうですよね

」
透明「後ね

自分の
落ち込むパターンを
知っておくことも大切だよ

」
森本「
落ち込むパターン

」
透明「じゃあ、今から言うことやってくれる

」
人が落ち込むパターン
次回、皆さんもやってみてね
続く・・・。
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