

奈々さんが口を開く

奈々「先生から見て、今の私、どう見えますか

透明「う~ん、それは歌手として


奈々「先生は、私と歌手としての私を
別けて考えてくれるんですね

透明「いけなかったかな~


奈々「いいえ、ちょっと嬉しくて・・・。」 うっすらと目が潤む

皆さんも覚えがあると思いますが

人はTPOに合わせて自分の見せ方を変える事が出来る力を
持っています

普段皆さんが、普通にやっていることだと思いますが

考えてみて下さい


毎日、それも一日中、自分の作り上げたキャラになり続ける事

ときには、気分のすぐれない時があっても

永遠そのキャラクターを演じ続ける事を

特に芸能人ともなると、それを続けていなければ、
弾かれてしまう世界です


そう言う意味では酷な世界だといつも私は感心するのだが、
最近は、自分らしいキャラで売っている人もいるみたいで、
少し時代が変わってきたのかもしれない

それでも自分を出し過ぎると叩かれる

最近、息の長い芸能人が少なくなって来ているような気がします

奈々「どちらも、先生から見ると違うんですか

透明「うん、違うね

芸能界を辞めたくなってない

奈々「・・・。」
透明「まあ、今迷ってるんだろうけど、歌手としての奈々さんは、
ハッキリ言って落ち目にかかって来てるね

それを感じるから私を呼んだんじゃない

奈々「・・・はい


透明「奈々さんの左頬に、
奈々さんのバイオリズムが書かれてるんだよ

その状況から読み取ってるだけ

奈々「えっ


透明「それに、左顔は右顔と違って嘘はつけないように出来ていて、
無理をしていると右の顔が笑っていても

左の顔は笑っていなかったり

左の口元だけがさがっていたりするんだ

今奈々さんは、左顔だけ不安でイッパイな顔してるよ

これは、人の嘘を見抜くのにも役立つので皆さんも見てみて下さい。
ちなみに奈々さんは、今鏡とにらめっこ中

透明「後、歌手としてだけど、芸能界といえど仕事は仕事だから、
奈々さんの右頬に出てる仕事のバイオリズム
を見ると徐々に落ちているのがわかるんだよ

奈々さんが右の顔も触りだした

・・・ムンクの叫びみたい



奈々「先生


透明「辞めちゃえば



奈々「えっ


透明「ごめんね

この世界では生きていけないんだよ

奈々「!!・・・それって・・・

透明「思い出した

奈々「はい、先生に初めて見てもらった時に言われた言葉です

透明「まずは、初心貫徹

今の自分と昔の自分をくらべてごらん、
その上で自分がどこを目指すのか

決まったら先生に教えて

奈々「はい・・・

奈々さんは、下を向きながら考えはじめ、少し震えている。
今、彼女にとって大きな分岐点に差し掛かっていることは、
彼女にも理解は出来ているんだと思う

時間が掛かりそうなので、
さっきから必死に我慢していた○○○へ行ってきま~す


では、また次回・・・。
うわ~っ


