

さてと

私は寝ている淳和くんの側にゆき、
頭を撫でながら呪を当て込んで行く


淳和くんにとっては悲しいことだとは
分かりつつも

淳和くんを放ってはおけない

透明「ふ~っ


竹林「

透明「多分これで淳和くんは想い出の中の
お父さんを視ることはできなく
なると想います

それが彼にとって苦しいことでも、
このまま危険をおかしてしまうよりは
よいと思いますから・・・

複雑な気持ちだった・・・。
しばらくして、淳和くんが目を覚ます

淳和「あう



竹林「淳和

淳和「ああ~っ


淳和くんは父親をさがしているようだ

淳和「あああ~~~っ・・・ううっ

パッ・・・・パッ・・・ああ~

竹林「淳和・・・。」
淳和「ああ~~~うう~~~あっ

シクッシクッ・・・ああ~~~っ

パッ・・・パッ・・・ええ~~~ん

見ていられない・・・。
竹林さんもその場に座り込み、息子の切ない行動を
見守っていた

淳和「うう~~~わ~~~~ん


ええ~~~~ん


透明「くっ

竹林「ぐすっ・・・

もう限界だ・・・。
私は、意を決して行動に出る

透明「淳和くん・・・お父さんと会いたい

淳和「ああう


透明「それじゃ~、目をつむって、お父さんを
思い出してごらん

淳和くんは、真っ赤に腫らした目を静かに閉じる

私は、淳和くんの頭に手をのせ詠唱をはじめる・・・。
透明「(淳和くんのお父さん・・・どうか・・・。)」
降霊術は本来、器である肉体や遺品からつながりを
手繰り霊をおろす方法なのだが、器もないこの状態では
正直、私でも自信がなかった

しかし、淳和くんの強い想いと純粋な念があれば
あるいは・・・。
詠唱から20分

透明「(頼む


揚羽「まったく


透明「

揚羽「ふ~っ


突然、黒揚羽からものすごい霊気が立ち上がる

確かに、黒揚羽の霊気なら個を確定できていない
霊を呼び込むのもわけはない

しかし、式神が自発的に協力するなんて

淳和くんを守るという使命を与えていたからなのか

何を想い行動したのかは分からないが、これで

辺りに霊気が立ちこめる・・・。
透明「・・・・来た

私は淳和くんの後ろへ回り、自分の目と淳和くんの目を
リンクさせる


透明「淳和くん


私の目をかしてあげるから、しっかりと
視るんだよ

淳和「パッパッ

竹林「

私は、竹林さんの側まで下がる・・・。
竹林「淳和は

透明「竹林さん、ごめんなさい

視せてあげられるのは一人しか無理なのですが

今、淳和くんの目の前に本当のお父さんが
来ています

竹林「

透明「竹林さんには、私が今起こっていることを
説明します・・・。」
竹林「は、はい

やさしく、悲しい時間が流れる・・・。
続く・・・。
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