あんぎゃ~~~っ 
・16


寺泊にある魚市場通りには、沢山の観光客と
美味しそうな匂いが立ち込めていた

六羽「わぁ~
人がいっぱ~~い
」


揚羽「本当に沢山いますね
」


透明「まあ、ゴールデンウィークだからね

それよりも、何食べようか

看板にカニの絵がいっぱいあるけど・・・。」
六羽「いか~~~っ
」

揚羽「私は、ホタテが良いです~
」

六羽「えび~~~~~っ 
」


揚羽「焼き鳥も良いですねぇ~
」

六羽「ぶたくし~~~~~っ 

」



透明「おいおいおいおい
ちょっと待て


お腹空きすぎているのは分かるけど、
後半、完全に魚介から離れてるぞ
」


六羽「ご主人たま~~~
おなかすいた~
」


透明「わ、わかった
わかった


取り敢えず、色々買ってみよう
」

そんなわけで、食堂に入るという選択も出来ず、
露天で売っている、すぐに食べられそうなモノを
チョイスし、お腹を満たすことに・・・

透明「トホホ
・・・こういうのって、ちゃんと


お店入るより、割高になっちゃう・・・
」

六羽「つぎは~
つぎは~
」


揚羽「あの魚も美味しそうですね~
」


透明「(はぁ~
・・・人の懐事情も考えて欲しい・・・
)」


やれやれ
・・・やっとお腹が満たされた後、私達は

色々と、市場を回ってみることに

六羽「ごしゅじんたまぁ~
これはナニ
」


透明「この魚はね
」

六羽「これは~
」

透明「これはね
」

六羽「あの貝は~
」

透明「あれは、私もわからないから、聞いてみようか
」

何にでも好奇心旺盛な六羽を横目に、
未だ、真剣な目で食べ物を物色している揚羽さん

しかし、何故か気になるんだよなぁ~



寺泊には、昔、師匠と来たことがあったのだが・・・。
透明「う~ん
」

揚羽「どうしたんですか
」

透明「んっ
いや、何だろう
」


六羽「
」

透明「今も、活気があって良いのだけど・・・。
昔、来た時と何か違うんだよなぁ~
」


揚羽「どういうことですか
」

透明「空気感が少し違うというか・・・。」
揚羽「
」

六羽「ねぇねぇ
あの人、悩んでるよ
」


透明「えっ
」

六羽が指を指した方向には、白髪のおばあさんが
うつ向いて座っている・・・。
透明「あれって・・・。」
揚羽「霊ですよね
」

透明「あっ
おい
」


六羽がいきなり飛んでゆく



六羽「ねぇねぇ
おばあちゃん


どうしたの
痛いの
」


御婆「ひっ
あ、あんたは
」


透明「ご、ごめんねぇ~
いきなり話しかけちゃって
」


御婆「な、何なんだい
」


次回、ある噂を聞きます ・・・。
続く ・・・。







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