オフの日3ー7
AM 10:20
成田空港・・・
透明「・・・。」
瑠璃「
それでね~
それでね~
」
怜「騒がしい・・・。」
昴「母さんもっとゆっくりしていけば良いのに

」
流奈「お母さんには、お母さんの
予定があるのよ
ね~っ 母さん
」
陣「流奈は、
予想でモノを言うなよ~
なあ

透明

」
透明「まあね

って
何でみんないるんだ~

」
美莉「仕方ないでしょ

みんな、仕事よりも
お母さんを送る方を
優先したいのよ
」
母さん「まあ、まあ

でも、みんな仕事大丈夫なの

」
怜「こんなことで、
仕事失うヤツなんかいないから、
心配しなくていいよ

って言うか、
いたら笑う
」
母さん「そ、そう

・・・
円
どうしたの
」
円「・・・
母さん・・・
帰らないで・・・。」
母さん「
えっ
・・・円・・・。」
瑠璃「・・・円・・・。」
怜「・・・。」
陣「・・・くっ

」
美莉「円・・・。」
昴「・・・・・・。」
流奈「・・・う~

」
透明「
円・・・
気持ちは皆、一緒だよ
わかるよな
」
円「・・・うん・・・。」
瑠璃「
さっ
円
何か食べようよ~
」
流奈「私、
ソフトクリ~ムがいいな~
お母さんは

」
母さん「

そうね~

じゃあ私も
そうしようかな

」
美莉「じゃあ、みんなで食べに行こ

」
お母さんが
帰る日が来てしまった・・・。
みんな、ゆっくりと母さんとの時間を過ごすことが出来ず、
心残りが大きい、気持ちは痛いほどわかる・・・。
私達は空港のレストランに入り、時間になるまで
昔話や今のことなど、
嵐のようにお母さんにぶつけていた、
それでもお母さんは、楽しそうに笑顔を見せ、
みんなの相手をしてくれている・・・。
・・・
でも・・・
なんだろう・・・
心に何かが引っかかる・・・
何だか・・・
この光景・・・。
私は、想い立つままに話しをはじめる
透明「
お母さん
」
母さん「

どうしたの

」
円「
な~に
今良いところなのに~

」
透明「お母さん
日本に帰って来る気はないの
」
キョウダイ「

」
全員が呼吸を忘れたように、押し黙る
皆、触れてはいけないと想っているのは知っている
でも、このままじゃいけない気がした
この状況

どう考えても、師匠が亡くなった時と似ている
本当に辛いのは、別れを惜しんでいるのは
お母さんなんじゃないのか
母さん「・・・・・・
ばれちゃった
さすがに、透明には
もう隠せないか~
」
透明「お母さん

もう俺達、
大人だから
お母さん一人くらい俺達で支えられるから
帰っておいでよ
」
陣「そ、そうだよ

」
昴「お母さん、先生と何の約束をしたかは知らないけど、
まだ、帰って来れないの

」
円「かあさん

」
怜「お母さん・・・帰っておいでよ

」
流奈「私達がいるから

」
瑠璃「・・・おかあさん

」
美莉「
どうしてもダメなの
」
母さん「・・・
みんな、ありがとう・・・

」
はじめてだった
いつも強くて優しい母の、
心からの涙・・・。
透明「かあさん・・・。」
母さん「・・・ダメね~
歳とると、
涙もろくて
透明、ありがとう

みんなも、本当に
ありがとうね
お母さん、本当に嬉しい
」
流奈「だ、だったら

」
母さん「でもね、まだ帰れないかな~

」
透明「どうして

」
母さん「
私達はね、本当にあなた達のことを、
自分の子供と想ってるの
ただでさえ、生きると言う面でリスクを
背負っているあなた達が、自分の人生に
しっかりとした意味を見いだせるように
なるまでは
私があなた達に迷惑なんてかけられない
それはね
親として、子供を想うがゆえの
判断なのよ
でも、いつかきっと
あなた達が、自分の生きる意味をちゃんと
見つけて、力強く歩みを進められるように
なった時には、私も必ず日本に帰ってくるから、
その時は、沢山甘えさせてもらうわよ
覚悟しててね
」
皆、嬉しさと悲しさが交差していた
お母さんが心から安心して帰って来られる用意が、
自分達にはまだ出来ていないという
情けなさと、
お母さんが、ここまで
自分のことよりも
私達キョウダイのことを考えていてくれていたことに・・・
だが、正直
ショックでもあった
お母さんが本当は、日本に帰って来たいと想っていたことを、
今になって初めて気がつくなんて・・・
情けない
瑠璃「
お母さん・・・

」
陣「・・・
ごめん・・・。」
円「
大丈夫
私達、みんなすぐに
自分の生きる意味
見つけて、母さんを迎えに行くから

ねっ

透明

」
透明「
うん
そうだね
母さん、それまで
少しだけ待っててね
きっと、全員で答えを出して持って行くから

」
母さん「
うん
楽しみに待っているから
」
お母さんは、皆の心に
優しさと
初心に返る切っ掛けをくれ、
遠い大地に帰っていった

私の生きる意味・・・。
母さんは、いつも私達に
大切なことを教えてくれた
生きるということの
苦しさや
楽しさ
人と触れることの
難しさや
尊さ
そして、そこから先は自分自身で進まなければ
答えが出ないと言うことも
いつの日かきっと、皆で胸を張って母さんを
迎えに行ける日がくることを信じて
透明「母さん

それまで元気でいてね

」
そう、心に誓う透明でした。
完
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