平成
やばいば~ちゃん
・8
ツネ「
真実って、なんだい
」
透明「ツネさんは、
旦那様のこと誤解しています
」
ツネ「えっ

」
透明「ツネさんの旦那様は、
外に遊びに行っていた
ワケではないんです
」
ツネ「

」
透明「旦那様は
寡黙な方だったでしょ

」
ツネ「あ、ああ

そうだね

」
透明「ツネさんは、お店の
新規のお客さんって
どうやって来たのか
知ってますか
」
ツネ「・・・お得意様の紹介とか・・・。」
透明「その紹介を取り付けたのも、実は
旦那様なんです
」
ツネ「

」
透明「旦那様は、ツネさんや働いてくれている人を
信頼していたんです
お店を任せられる人達に恵まれ、自分は
女性では出来ない接待や付き合いに参加されて
いたんですよ

」
ツネ「
ほ、ほんとうかい

」
透明「はい

旦那様にとって、お店も家族もお店で
働いている人も、
大切な宝物だったんでしょう
寡黙で、人付き合いの苦手な旦那様は、
大切なものを守るために、あえて苦手な世界に
足を踏み入れたんですね

」
ツネ「そ、そんな・・・じゃぁ、じゃあ~
何で借金なんて
」
透明「それも、付き合いのためみたいです
仕事をくれている方の
保証人になることで、
大きな仕事をまわしてもらっていたようですね
昔は、そう言う付き合いもしなくては、仕事が
回らないことも多かったようですし

」
ツネ「・・・・・なんで・・・なんで言ってくれなかったんですか
・・・私は・・・主人を恨んで・・・

」
透明「う~ん・・・難しいところです

大切な人達へ心配をかけたくない想いと、
大切なツネさんが、お店で上手くやっていくためにも
あえて、自分は
悪者になる覚悟があったのでしょう

」
ツネ「・・・
そ、そんな・・・。」
透明「ツネさんが言っていた
シゲさんは、その事を
旦那様にお願いされていたみたいですよ
」
ツネ「
シゲさんが
」
透明「だからこそ
シゲさんは、お店のために
一生懸命働いてくれたんだと想います
それが、
旦那様やツネさんの絶対的な信頼を
寄せてもらえた恩返しだったんでしょうね

」
ツネ「シゲさん・・・

」
透明「それと、もう一つ
シゲさんは、息子さんに辞めさせられたワケでは
ないんです
・・・実は、シゲさん自ら引退を
したいと、息子さんに言ってきたんですよ

」
ツネ「

」
透明「シゲさんも、お店が大切だったんでしょう
現状をみていたシゲさんだから出来る
最後のご奉公だったのかもしれません

」
ツネ「・・・・・。」
透明「息子さんも何度も止めたようですが・・・。
今でも息子さんは、
シゲさんに相談しに
行っているようですよ

」
ツネ「
はぁ~
・・・私はなんて・・・。」
透明「・・・ツネさん
これはね、
重くとる話じゃないんです
後悔をすることでもない
ツネさんは、本当に
頑張りやさんだからこそ
皆、ツネさんを守って行きたかった
ツネさんは、
多くの人に愛されて来たんです
ツネさんだからなんですよ

」
ツネ「・・・
グスッ・・・。」
透明「ツネさん

少しいいですか

」
ツネ「

」
私は、ツネさんを連れて扉の前に立つ・・・。
透明「
少しだけ扉を開けますから、外を覗いてごらん
」
私は、外の息子さんに気づかれないように、
少しだけ扉をあける・・・。
ツネ「

」
ツネさんは、大粒の涙を流しながら、必死に声を
押さえていた・・・。
透明「
何が見えました
」
ツネ「・・・む・・・息子が・・・手を・・・
必死に手を・・・合わせていました・・・・

」
透明「そうですか・・・。」
ツネさんを席まで連れ、私は
緩やかな口調で
言葉をすすめる・・・。
透明「ツネさんの人生は、ツネさんが頑張ってきた分だけ
実を結んでいましたね
ツネさんの人生は、決して無駄な人生ではありません
知らず知らず、沢山の人に守られながら、
ツネさんの人生は彩られて、素晴らしい人生を
描いて来たと言えます
それは、ツネさんだからこそ得ることが出来た人生です
もう、大丈夫ですよね
」
ツネ「
コクン
」
ツネさんは、何度も頷きながら、優しい顔をしていた
鑑定も終わり、伸さんを呼んだ私は
透明「今井さん

お母様はもう大丈夫だけど、
なるべく気をかけておいてあげないと
また、症状が出るかもしれないから
気をつけるようにね
」
っと釘をさし、伸さんの見えないところで
ツネさんに
ウインクをした
そして、二人が帰ろうと扉を開けたとき・・・。
ツネ「
あっ
」
透明「

」
ツネ「
また来てもいいかい・・・
先生
」
透明「

・・・
くすっ
いつでも待っていますよ
」
少しは、認められたようである
完
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