三郎の歌~・18
薄っすらと月明かりに照らされた
霊達は、山路さんと三郎に微笑みかける
薄っすらと月明かりに照らされた
霊達は、山路さんと三郎に微笑みかける
山路「よ、よしこ・・・けいた・・・なのか」
二人は少し頷いたように視える・・・。
山路「よしこ~けいた~ごめんな~
・・・ごめんな~・・・。
一緒に・・・いて・・・やれなくて・・・」
今まで影だった霊たちは、少しずつ
自由を取り戻し、山路さんに近づく
よしこ「・・・あなた」
けいた「・・お・・とうさん・・・。」
山路「けいた~・・・よしこ~・・・」
二人はその場で泣き崩れている山路さんを
愛おしく抱えるように重なっている
よしこ「・・・よかった・・・。」
山路「」
けいた「おとうさん・・・会いたかったよ・・・。」
山路「お前たち・・・と・・うさ・・ん・・・
一人だけ・・・生き残って・・・ごめんな」
よしこ「あなたが・・・無事で・・よかった」
けいた「・・・心配・・・したよ」
自然結界に囚われ、成仏もできなかった二人は
さぞ苦しかったはずなのに・・・。
そんな苦しみよりも山路さんのことを心配していたなんて
透明「なんて・・・深い愛情なんだろう・・・」
そんな三人の元に、三郎がヨタヨタと近づく
三郎「く~~~ん」
けいたくんの側で、顔を見上げる三郎・・・。
けいた「三郎・・・おとうさんを・・守ってくれて
ありがとう」
そう言うと、けいたくんの手が三郎の頭を撫でる
実際には触れることができないはずの霊体だが、
後ろで出口くんが印を組んだままなところをみると
少しだけ感触が残るようにと配慮してくれているのだろう・・・。
三郎「わふっ・・・く~~んく~ん」
三郎の嬉しそうな顔を見ていると、自然と涙が溢れる
出口「・・・ごめんね・・・そろそろ」
出口くんが呼んでくれたのだろう・・・。
玄関に眩い光に包まれた二人の守護霊様が迎えにきている
よしこ「・・・あなた・・・元気でいてね」
山路「よしこい、逝かないでくれ~」
けいた「おとうさん・・・ありがとう・・・。
三郎・・・おとうさんのこと頼むね」
山路「けいたけいた
おいていかないでくれ~」
三郎「わふっきゅ~ん・・・きゅ~ん」
透明「山じいさん・・・二人をちゃんと
おくってあげて・・・・」
私は、山路さんの肩に手を置く・・・。
山路「あんちゃん・・俺は・・そうだな・・・
ありがとう」
二人は山路さんと三郎に微笑みかけながら
玄関に進む・・・。
山路「・・・よしこけいた今までありがとう
お前たちの分まで、ここを守っていくからな
だから・・・また、帰ってきてくれ
お前たちがいてくれて・・・家族になってくれて
本当に・・俺は・・幸せ者だったよ
よしこ~けいた~
達者でなぁ~~~」
三郎「わおおぉぉぉぉぉぉぉぉん」
三郎の最後の歌が月夜に響き二人の霊たちは
あるべき場所へと導かれてゆく・・・。
残された私達には、少しだけ月明かりが眩しく感じていた
続く・・・。
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送る気持ちになれて、その言葉でさいご見届けることができたことは…本当に心が救われたと思います。
奥さんもお子さんも、本当に本当に安心されたんだろうなぁ…三郎も、うっ😭良かったねぇ
😭出口さんも、それから透明先生も生きて帰ってくださって良かったですーっ😭
朝から、ヤバイ…涙が…と思いながら読んでいたらピンポーン♪と来客😅
まだ泣いてなくて良かった…💦
守護霊様のお導きにより、
数年間成仏出来なかったお二人が
無事に旅だつことができてよかった。
そして東日本大震災で
たくさんの方がまだ成仏できていないと
思われるので、
そのみなさんのために祈ります。
それでも、山路さん一家のように、失わない心、記憶、大切に想う心の強さや優しさ、ざっくり言うと(多用 汗)たくさん積み重なった美しいと言えるものを目の当たりにされた、そんな瞬間に立ち会えた先生の心地を読ませていただけて、涙を通して、毒気だらけの私も浄化された気がする(そうありたい)