識の世界・８

識の世界・８


しばらく、第五階層を探索していた

透明だったのだが・・・


透明「あれ～っおかしいなぁ～

　　　なんにも変化が無いぞ」


今回のように世界の言葉が精神に干渉して

くる場合、ほとんどのケースがこの第五階層に

干渉を起こしているのだが・・・。


本来この第五階層は《陰影世界》と言われ

自分自身の怖れや願望、後悔や自責の念など

過去に体験した事柄に対して抱いた感情

などが仕舞い込まれている場所

そこに世界の言葉が干渉することで、

そういった記憶と同調し、表層階で幻覚や

幻聴などを見聞きするようになり、精神を

崩壊させることに繋がっている・・・。


透明「う～ん・・・本来なら、ここに積まれている

　　　記憶や経験と世界の言葉が入り混じって

　　　表層に出てくるものだから、この階層にある

　　　仕舞われた感情なんかが目に見えて

　　　荒らされているはずなのに・・・。

　　　なんかキチッと収納されている感じ

　　　どうなってるんだ」


「と・う・・めい・・・。」

透明「んっ」

「透明聞こえるか」

透明「あっ谷津根ちゃん」

谷津根「はぁ～やっと繋がったか

　　　　交信を試みてみたが、なかなか繋がらなくて

　　　　心配したぞ」

透明「ごめんごめん

　　　でも凄いね～自分のインナースペースを

　　　体感しながら歩くことができるなんて」

谷津根「まあ、そう夢想させているだけだがな

　　　　ところで、見つかったのか」

透明「それが・・・・」


私は谷津根さんに今までの経緯を詳しく伝え

現状なにも変化が見られないことも伝えてみる。


谷津根「ふむっ・・・仕方がない

　　　　このまま私が夢想空間を検索してみよう

　　　　変化のある階層があれば伝える」

透明「ひぇ～そんなこともできるの」

谷津根「可能だ」

透明「チート過ぎ

　　　でも、助かるよ」

そう言うと、谷津根さんとの交信が途絶え

体感的に１５分くらいの時間が経った・・・。



　　　　　　　　　　　続く・・・。

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