魚沼市井口新田の龍谷院
魚沼市井口新田の龍谷院の客間「仙巌閣」に、組子細工で托鉢の様子を描いた書院障子がこのほどお目見えした。
龍谷院は、100年前に尼僧の修業の寺として開かれ、多い時は60人ほどが作務、座禅、托鉢などの修業を行っていた。中でも檀家を持たない同寺では托鉢は寺を運営していくためにも重要な修業で、地元はもとより栃尾、十日町、遠くは新潟市などへ出かけて行われていた。
近年は修業に訪れる人が少なくなったことから同寺では2年前に修業道場をやめてしまったが、「托鉢の修業の寺としての100年の歴史を何かに残したい」と改装される客間に新たに作られる書院障子に托鉢の姿を入れてもらうことになった。
依頼を受けた同市大浦の有限会社「こうじや」では寺と打合せを重ねて図柄を決め、1年がかりでこの書院障子を完成させた。
出来上がった書院障子は幅3間の大きなもの。魚沼三山、魚野川という魚沼の風景とともに托鉢する6人の行列が組子細工で描かれている。
「一番苦労したのはやはり托鉢の人。何度も見本を作って見てもらった」と同社の佐藤一男社長。「この大きさの仕事はこれから無いかも。良い仕事をやらせてもらい、喜んでいただいたので嬉しい」と笑顔を見せていた。