黎明の廃人日記

最近はやや更新が途切れがち、斜めに流し読み。
貴方にも私にも人生の役には立ちません。

ファインマン

2007年11月26日 22時38分33秒 | Weblog
11月26日分。

 舞妓……じゃなかった、毎度。週初めから、そりゃもうやる気の無さは天下一品でございます。幽霊です。三連休あけとあっちゃあ、ねぇ? そりゃあもうやる気なんて出ようが御座いませんて。それでも一応、小田急線のぎちぎちなラッシュに乗り込んで、その中でも意地でも本は読むわけですが。ちなみに、休日を挟んでしまった影響で、『平行植物』の読み進めは順調に遅れております。と言っても、明日の内にはおそらく読み終わるかな、という残りページ数にはなってきましたが。
 さてこれでようやっと一冊また終わるーとか思っていたら、今日も今日で、会社でちょちょっとアマゾンを覗かせて貰ったら、良さげな本を見付けてしまって二冊お買い上げですよ。何とまあ、今回は岩波現代文庫から、ファインマン先生のご登場です。まあ、物理学の方ではなくて、かの有名なるエッセイの方ですが。ご冗談でしょ? ってやつ。上下巻とはまたちょっと驚きましたが、その一冊が千百円というお値段にもちょっとびっくり。まあ、事前に調べてはあったので、ああホントにその値段なんだーというくらいではありますが……。ま、今月はもう収支真っ赤どころか大出血という感じなので、いっそもう要りそうな本は買ってしまうことに。どうせ先々読むでしょうから、いいや。つっても、そろそろ締めますが。
 岩波現代文庫とゆーたら、今のところ、手持ちは一冊しかありません。筒井康隆の、『文学部唯野教授』これ一冊だけ。よりにもよってそれかよというチョイスですが、ここに並べて今度はファインマン先生かー。手当たり次第、というのはまあここ最近……でもないか、の方針ですから、良いんですが。他の積み本を『平行植物』の次に読むつもりでしたが、順位を繰り上げて次はファインマン先生に移行する気になってます。エッセイの方だからまあ読めるだろうと思いますが、そこから物理の初歩の初歩へ進んだ物かどーするか。岩波ジュニアとかに、分かりやすい物理学入門がないかなー。ド級の文系な人間なので、ちょっと思考のセンスがそっち方面は向いてないような気もします……ううむ。
 どのみち、ファインマン先生の後もぎっちり読む物はつっかえているので、次へ次へでやらんとイカンですな。読んでも読んでも、次々買ってくるのでまた溜まるぅー。人それを不毛という。

 えーと。たまには若干きわどいネタを持ってきます。性的なネタを扱いますので、そういうのが嫌な人は以下飛ばして下さい。


イタリアのエイズ対策広告、初めてタブーを破る
2007年 11月 25日 11:22 JST
[ローマ 22日 ロイター]
 イタリアのエイズ対策を訴える広告で、これまで同国でタブー視されていた「コンドーム」という言葉が初めて公に使われることになった。
 1980年代以降のHIV/エイズの広がりを受け、イタリア政府はこれまでもエイズ対策キャンペーンを推進してきた。中にはコンドームの写真を使ったものもあったが、言葉で「コンドーム」と直接的に表現したことはなかった。
 テレビ向け広告は映画監督のフランチェスカ・アルキブジ氏が22日、ローマの空港の薬局で撮影。アルキブジ氏は今回の広告について「タブーに対する勝利だ」と語った。
 一方、カトリック教会はコンドームの使用について、不道徳や快楽主義的な生活スタイルを助長するものだとの考えを示している。

 引用はロイターのネットから。記事の内容は読んでの通りとして、一瞬だけ、そういやカトリック教会だとコンドーム使用は教義として宜しくないという認識である、ということを思い出すのに時間がかかりました。毎度毎度のようにウィキペディアを見てみると、「避妊」の項目内で、「避妊とは言うなれば生殖という生物学的な由来を捨て去り、完全に個人の快楽のための性行為を可能にする手段であると言える。性を罪悪視する人々にとってはこれは「性行為を認めるべき唯一の理由(生殖)」が欠けたということであり、彼らは避妊を伴う性行為を否定している。教義上「産み繁殖すること」が奨励される宗教も存在し、それらの信者にとっては避妊は忌むべきものである。カトリックでは夫婦愛の姿として性を捉え、快楽追求の為の避妊は否定している。」との記載があります。ただ、避妊の項はひとまず全体を一回読んでいただく方が良いような気はしますが。
 端的にぶっちゃけてしまえば、セックスをどう見るか次第で、コンドームに限らず避妊の是非は論の分かれるところになってしまうような感じではあります。浮気やら未成年の妊娠やら、そういった方面の問題とは別に考えるにしても、性行為に対する社会からのイメージ、その人の育った環境からの思想への影響、それからもちろん宗教上の教義も絡んでくるでしょう。セックスを汚らわしいもの、忌避すべきやむを得ない事柄、と見ているような場合もあるのでしょうし。日本においては、あまり大っぴらに語られる内容ではないよなぁというのが個人的な印象。ただ、表だって話題になることが少ないだけであって、セックス自体に拒絶反応があるわけではなさそうかな、とも思っています。
 私の記憶してる範囲では、そういえば学校では性に関する事柄はほとんど習わなかったかなと。逆に、性に関する講義を行った場合には、その講義のことがニュースとして取り上げられていたくらいではなかったかな。一度、小学校だか中学校だかでそういった講義があった、というようなニュースを見た覚えがあります。それでもまあ、正味、中学生にもなっていれば、ほぼ全員が性行為への多少の知識は持っている筈。要はおしべとめしべが以下省略ってーことでしかないわけですし。世の中で問題になるのは、その行為自体よりも、その行為の周辺事項の方だからなぁ。実質、現状ではセックス自体への興味と知識が普及していて、避妊に関する方がちょっと置いて行かれてるところはあるのかな、と。だから学校で教えろとか言うつもりはありませんが。
 避妊が不道徳や快楽主義に繋がる、という考え方は、厳密に考えると、セックスがそのまま不道徳や快楽主義に繋がるということとイコールにはならない、筈。これはつまり、子供を授かることを目的としないセックスは……ということであって、と。ただ、今のご時世だと、正味、子供を授かることを目的としたセックスの方が回数としては大分少なくなっているでしょう。そういう意味では、先に出した二つの主張は、イコールでは無いにしても、結果的にはニアイコールにはなるのかもしれません。日本だと、そんなに避妊をしてのセックスというのは忌避はされていない、かな? まあ堂々とホテルが並んでいるくらいだから、ある程度許容されていると見ても良いのでしょう。
 その辺まで踏まえた上で、コンドームの話。今回のニュースでは、エイズ対策としてコンドームの話が出てきています。避妊手段としては、コンドームに限らずピルとかもありますが、性病予防手段としてはコンドームはかなり有効であるとの報告があります(世界保健機構(WHO)は2000年に、コンドームの使用によってHIV感染リスクを85%減らすことが可能だとの試算を報告している。ウィキペディアより引用)。途上国においてHIV感染リスクが非常に高い一因には、母子感染もあるのでしょうが、その前の段階としてやっぱり性行為の時にコンドームを使用していないということがあるのでしょう。人手不足から避妊を回避しているという考え方も出来ますが、ぶっちゃけ、セックスするたびにコンドームを使っていると金がかかるという事情も大きいのでしょう。コンドーム自体が簡単に入手できる状況にない、ということも当然あるはず。いや、それが一番要因としては大きいのか。
 で。たびたびの引用ですが、ウィキペディアによれば「現在、日本のHIV感染者は薬害エイズによる感染者も含めると、報告されているだけで1万人に達している。東京だけでも500人に1人の割合で感染している可能性があるとの報告もあり、検査を受けていない人数を考慮すると全国で数万人にまで達している可能性も指摘されている。先進7カ国のうち、日本だけがHIV感染者及びAIDS患者が毎年増加傾向を示しており、国民に病気の意識を浸透させる事が急務となっている。」とのことで、コンドームの入手自体はたやすい筈の日本である筈なのに、こういった現状があります。コレに関しては、性感染症に対する認知がかなり低いという理由によるものだと言えるでしょう。何せ学校では教えないとなると、後は各家庭で教えるか、各個人が自分で調べるかしかなくなってきますし。加えて、その辺にエロ本とビデオ(最近はDVDか)とは普通に売ってますが、性病に関する知識の方はそれらに比べると入手頻度が非常に低い。これでは、認知も遅れようというものです。
 日本でいまひとつ性病教育が進まない背景には、まずもってセックスという行為を取り上げることを忌避する傾向があるのでしょう。表沙汰にせず自分たちで、まあ言うなればこっそり楽しむ分には何も言われないのですが、公にセックスという行為を取り上げるのは回避する傾向が明らかにあります。性病となると、どうしてもセックスに触れないわけにもいかないでしょうから、まずそこで一つネックがある。ついで、HIV患者への差別という問題がどうしても出てきます。差別に対しては非常に敏感なお国柄……というよりは世間の風潮ですから、そこにもう一つのネックがある。ただ、そろそろその辺りのネックにかまけて後回しにしておく、というわけにはいかないんじゃないかなぁとは思うのですが。
 まあ、じゃあ誰が教えるんだという話が出てきそうではあります。学校か? それとも各家庭でやるべきか? 政府が大々的に……というわけにも、なかなかいかないのか。どうせ少子高齢化と言われ、少子化に悩んでいるくらいなのだから、ちょっとくらい産めよ増えよの号令を掛けても……あー、でもそれをやると、HIVの予防にはならんのか。皮肉なことに、出生率が高ければ子供が多いかと言うと、そうとは言えない状況もあります。生まれてくる子供の数が多くとも、その子供が何歳まで生きられるのかという問題もある。そして、その子供達がHIVに母子感染していることだってある。途上国では、そういった問題に直面している状況です。これがもし、日本で更にHIV感染が広まるようなら……割とあっさり滅びるかもしれませんね、この国。
 あー、なにやら、何の話にしようとしたのかまとまり無くなりましたが、文字数も増えすぎたし、まあ自分の思考整理にはなったから良いか。割とまっとうな話になってるしなぁ。ネタとしては全然きわどくないですが、この辺の問題って、意外と論じようとすると難しいようです。人間の根っこの部分に関わってくる問題だけに、下手な社会とか政治問題よりよほど難しいということは分かりました。うん、今回は自分が勉強になったな。

読み:なし
買い:文庫『ご冗談でしょう、ファインマンさん』上下巻
途中:文庫『平行植物』
購入冊数 文庫11、コミックス10
読破冊数 文庫8、コミックス11