エッセイ 片づけ
結婚前に買った三面鏡を使っている。
随分くたびれてきた。
テーブルは白いデコラになっているが何かの薬品で変色している。
鏡は下の方にしみができた。
このことを愚痴ったら、夫は買ったらと言う。
鏡台は一生使うものだと思いこんでいたからびっくりした。
今更買う気にはならないが、時々それもありかなと思う。
思い出が詰まった家だって古くなったら建替える。
だから家具売り場に行くと何となく足が向く。
今は三面鏡と言わずドレッサーというらしい。
最近化粧品の入っている抽斗を少し片づけた、全部ではない。
使い残しの口紅やファンデーションなどがあり、七~八年前に買ったアイシャドウなどもある。
試供品も沢山ある。
小さな容器に入っているから、旅行の時には持っていくつもりでとって置く。
だが、よく考えてみれば、分からない製品を試すのだから旅行には使えない。
そしていつ貰ったのかが分からない。
それがたくさん貯まる。
せっかく貰った物を一度も使わずに捨てるのが惜しく捨てられない。
私は化粧品をあれこれとたくさん買う方ではないが、長い年月のうちには随分投資をしてきた。
のに、最近の様子はどうだろう。皺やシミが沢山出来た。
せっかく念を入れて化粧しても、眼鏡をかけて点検すると目を覆いたくなる。
買える物なら三面鏡より新しい顔が欲しい。
家族には「物を片づけて空間を作らないと福の神が入れない、汚くしていると運気が下がるよ」などと自分のことを棚に上げ随分脅かしてきた。
日経新聞に著名人の「私の履歴書」というコーナーがある。
元日立製作所社長の河村隆氏がある言葉を引用していた。
大きくなった会社を例えたのだろうが、英国の巨大戦艦も、乗組員の持ち込む荷物が増え、毎年船が重くなって沈みスピードが落ちるのだと。
やっぱり思い切った整理が必要だ。
課題 【そうじ・煮たき】
先生の講評 部分は良いが、全体としてみると散らばっている。
日経新聞に・・・・(青の部分)はカットし、化粧品にしぼり
家族には・・・・ (黄)の部分) の見方を最後に、その思い出を書きたい。