エッセイ 夏過ぎて 課題【妄想・実相】 2014.10.24
やる気になれば、すぐに出来る様なことが二つあったが、なかなか思うようにならなかった。
一つはすだれの交換、もう一つは古いつつじの移動だ。
向きが悪く、他の木にまたがっている。
「こうだったらいいのにな」と、枝を切りながらいつも頭の隅で歌う。
私は、夏が終わる頃になると体調を崩す。
そろそろちゃんとしなければと思うのだが、少し無理をすると、扁桃腺が腫れ微熱が出る。
窓ガラスは汚れたし、すだれも日焼けしている。
庭には枯葉と草が生え、向きの悪いつつじも邪魔をして、いかにも構わないのが分かる。
休日、夫が「すだれが汚いね」と言う。
小さな庭だから、道を通る人から家の中が見え、大きなすだれが必要なのだ。
夫は古いすだれを嫌う。
ホームセンターに行くと、時期がずれているので半額だと言う。
徳をしたような気分で自転車に積んで帰った。
夫は面倒くさがりで買い物には付き合うが、他の事は何かと逃げる。
だが、「熱が出る」という切り札の前に、重い腰を上げた。
高い所なので脚立を出し、すだれを掛ける位置や長さの不慣れな作業に、何度も溜め息をついて
私を当てにしている。
私は手伝わずにパソコンを打っていた。
次の日もいいお天気。
つつじの移動を思い立ち、気持ちが流行る。
汚れてもいい靴と手袋をしてスコップを用意した。
夫は出てこない。
かなりいい感じに掘れたのに真ん中の根っこが手ごわい。
手伝う気のない夫が、サンダルで出てきた。
少し木を揺らして「無理、頼んだ方がいいよ」という。
「もう少しなんだけどな」と未練がましくしゃがみこんでいると、「又熱が出るよ」と近くの便利屋に頼んでくれた。
顔馴染みの便利屋さんはしっかり植え替えてくれた。
私がやらなくても、「こうなったらいいのにな」と願っていた、両方ができちゃった。
つつじのつぶやき・・・・6年前と同じ光景が先月もありました。