2月17日(日)高知大学で、同大学の持続可能性プロジェクトと共催で、「シェーナウの想い」を上映しました。
この映画は、人口2500人ほどの「黒い森」の小さな町の人々が、巨大資本の独占企業である電力会社に立ち向かって、自前の自然エネルギー主体の電力会社を作ってしまったドキュメンタリー映画です。
というと、なんだか固そうで怖そうな闘争といったイメージですが、むしろ登場人物は、ごく普通のおばさんとおじさんです。
そのおばさんとおじさんが実に楽しく飲みながら、食べながら話しているシーンが随所に出てくるのが印象的。
それと、参加している人々の多様さと層の厚さに驚きです。
一朝一夕では培われない自立した市民の成熟を感じました。
市民達に投資した銀行家は、「お金には責任が伴う」と、また一般の人の「話してくれるのなら聞きましょう」という態度。
最終的には、原発をなくす社会を子ども達にという明確でぶれない目的意識。その目的の下に柔軟でしたたかな戦略と誠意。
それに呼応するドイツの全国の市民の支援とその広がりの大きさ。
この映画を見たある人は、「完全にうちのめされた!」と。
私も、見終わって、改めて日本の現状を見、日本でこれができるのかと問うたとき、絶望的にもなりました。
しかし、先日の野田正彰さんの講演会で、話し合って伝えていく、そこから次が生まれてくるというようなことを言っていたのを思い出して、少し希望を持ちはじめました。
そう、この原発のことも、あきらめずに、タブー視せず、周囲が何も言わなくなっても、頑固に話し続けて、伝えていくことしかないんじゃないか。
そのために、このシェーナウの人々のように、おいしい地産地消(自産自消)の味を楽しみ、酒を酌み交わしながら語らう場を、身の回りにもっともっと作って行ったらどうだろうか。
いかがですか。
賛成の方は、どうぞ私の仲間になってください!
丸井美恵子