高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

第50回日本有機農業研究会全国大会in愛媛に参加して ~丸井美恵子

2024-03-22 09:00:00 | イベント報告
運営委員長 丸井美恵子です。

第50回日本有機農業研究会全国大会in愛媛


2月17日(土)、18日(日)
愛媛県で日本有機農業研究会の全国大会が開かれました。
今回は50回目で、会場も自然農法で有名な故福岡正信さんのハッピーヒルの地、伊予市で行われました。

この大会には、全国から有機農家や消費者200人が集まり、高知からも高知県有機農業研究会、山地酪農を愛する会、土といのちなどから代表や関係者が多く参加しました。

開催された場所は、市の中心街からは少し離れたウエルピア伊予という宿泊もできる複合施設でした。
会場の受付ホールでは、午前中から各地域の団体の紹介ブースが設けられ、活動を紹介する物品や資料が展示され、賑わいをみせていました。
高知も各団体の資料を机一杯に並べてPRし、山愛会の斉藤牧場も牛乳の試飲を行い、多くの参加者が立ち寄り盛況でした。

大会は、午後1時から「明日に手渡す生命の食べもの」のテーマのもと、大会長の秦左子氏(愛媛有機農産生協理事長)の開会挨拶に続き、基調講演で始まりました。
講演では、元愛媛大学准教授の宇高順子氏「生態系の観察から見えてくる有機農業のおもしろさを伝えつなげる『教育』と『農の技』」および生産者で愛媛有機農業研究会会長の長尾氏「食と環境の重要性業の面白さを伝え繋ぐには」と題し、子ども達への教育の大事さと長く有機農業を続けてきた生産者の知恵を繋いでいく重要性が語られました。

続いて5つの分科会に分かれ、発表と討議が行われました。
以下はそのテーマと発表者です。
1.GMO+ゲノム編集と有機農業 
 ・世界の動向と日本の政策:安田節子(食政策センター・ビジョン21代表)、
 ・「重イオンビーム育種」の問題とは:久保田裕子(日有研副理事長)
2.気候変動と有機農業 対策と技の継承
 ・異常気象の状況と対策:林重孝(日有研副理事長)
 ・太陽熱処理を利用した野菜栽培と今後の課題:丹下隆一(生産者・今治市)
 ・自然農園を継承し、より良い未来へ:福岡大樹(生産者・伊予市)
3.ゆうき生協と提携 今日から明日へ
 ・生産者と消費者が力を合わせて:倉瀬久美子(消費者・元愛媛有機農産生協理事長)
 ・年々難しくなる、だけど面白い!:池川良嗣(東温市・和田丸有機グループ生産者)
 ・有機農産生活協同組合のあゆみ:高須賀真(愛媛有機農産生協事務局長)
4.学校給食に有機を 教育と生産者の課題
 ・3%から、その先へ:野口千恵美(今治市のゆうき給食を進める会代表)
 ・東温市の有機学校給食への取り組み(東温市、消費者・生産者)
5.明日の有機農業 愛媛から
 ・遠藤忍(楽天農業 代表取締役社長)・村上尚樹(有限会社てんぽ印代表取締役)
 ・中田伸二(松山市・自然栽培)

各分科会には、テーマに関心のある人々が参加し、各分科会とも盛況の様子でした。

(この写真は、YAHOO! JAPAN ニュースより転載)

分科会終了後は、ブッフェスタイルで食事をしながら参加者の交流会が行われました。
その間、各地からのスピーチがあり、高知の各団体も一言ずつ紹介スピーチをしました。
その後2次会も用意され、特に主催関係者と宿泊者で親交を深める機会となりました。

翌朝は、種子の交換会が行われ、珍しい在来種の野菜の種や、ぶどうの挿し木用の枝などが集められ、参加者はそれぞれ選んで持ち帰っていました。
午前中は、福岡正信さんのハッピーヒルへ椎茸栽培の現場の見学などがオプションで行われました。

この大会は、全国の志を同じくする人々の集まりであり、すぐ共通の話題に花が咲き、情報交換や親交を深める機会となります。
また日本各地の活動を知り、これからの活動のヒントを得ることができたり、具体的な話もできる、収穫のある大会でした。

※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2024年4月号より転載しました。

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