高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

お金では買えない豊かな暮らし その5

2023-08-17 09:00:00 | 連載
いの町 マコモ長茶生産者の奥山加奈子です。

『お金では買えない豊かな暮らし』その5

夏真っ盛りになりました。
今年は先人の知恵を頂き、
マコモの葉を7月の新月に収穫します。
これからマコモダケがなるのを
ドキドキしながら見守ります。
まだまだ未熟者な私が言うのも難ですが…
植物にも命、知性があり、
その命を頂いて、
今日の自分の命になります。
だから、ありがとう。
とりあえず元気に育ってね。
なんてマコモ達に声だけはかけて、
手は全然出さないけど(笑)
私の溢れる愛で
愛でて愛でて愛でてます(笑)

(このイラストは、奥山さんの子どもさん作)

つくづく私一人では絶対できなかった
支えて下さる方々のお陰様の田んぼです。
3年目の今年も
我が子の成長を見守るように
期待と不安でいっぱいです。

(このイラストは、奥山さんの子どもさん作)

先日私が目標とする食養家さんに
サインを頂きました。
『野に良い暮らし』と入れて下さいました。
その時、ぱっと
この連載の事が頭に浮かびました。
野良仕事って簡単に口にするけれど、
私はどれだけ野良仕事と
口に出来るだけの行いを
しているだろうかと考えさせられました。
インフラの整った不便ない日本の暮らしは、
野に良い暮らしと言えるのでしょうか?
発展途上国でニ度海外生活のある私は、
停電、断水は当たり前、
買い物は分銅で量るし、
桃太郎のおばあさんのように
沢の水で洗濯して、
大屋さんが分けてくれる薪で
一日分の食事を朝いっきに仕上げます。
蛇口をひねったらお湯が出るなんてありえない。
普段は水を浴び、
火を焚いてお湯を何度も沸かして
大きいバケツでたまの贅沢で
お湯に浸かりました。
あー何て日本は良い国なんだと、
不便な日々の生活の中で
愚痴をこぼしていました。
利便性をお金と交換している生活はとても楽です。
なんちゃって百姓して、
体と時間を使って、
無料で自然から色んなものを頂きますが、
勤めて、お金稼いで、
一瞬の支払いで欲しいものを買う暮らしは
どれだけ楽だろうと、
最近は体の痛みと忙しさと共に
しみじみと感じています。
変化の著しい今、
ちょっと先の未来もまさに未知です。
買う暮らしより作る暮らしに
どうシフトしていけるか手探りです。
今日不便なく生活できることに感謝して、
いまいちど
野に良い暮らしとは何か
考える今日この頃です。

※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2023年8月号より転載しました。

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