あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

石鎚登山 3 下山

2021-10-23 08:47:40 | 山登り・里山歩き
 みんなが帰り支度している間にわたしはさっさと下山を始めました。少しでも先に行っとかないと。
 15:00 ちょうどに下山開始。
 
 急な階段は下りも怖い。
 すごいでしょう? 下の方は相変わらず霧で見えません。来るときと反対に左側通行で下りるとするとー
 
 この階段だけは山側をおりますが、後は谷側を下りていきます。そして
 
 谷側にはてすりがない!!
 
 
 もちろん右手は手すりを掴めますが、左側が何もないというのがどんなにこわいことか。バンジージャンプの飛び込み台を歩き続けているような感覚です。私はルール破りをして、お上りさん用の階段を通ることにしました。この時間、登ってくる人もいませんから。両手で手すりを掴めるようになってようやく安心して下りることができました。
 
 休憩所着 15:32 登りの半分ほどの時間で下りてこられました。 いつの間にか頭痛も治っていました。あれは、酸素の薄さから来る頭痛だったのでしょうか。とてつもなく体が重かったのも、多分酸欠のせいです。そういえば休憩所まで登ってくるのも去年よりしんどかったのですが(年のせいかなと思っていたけど)去年より速いペースで登ったため、体が高さに慣れてなかったのかもしれません。
 ちなみに、去年は 土小屋~休憩所 4時間15分
      今年  土小屋~休憩所 2時間35分 休憩所~山頂 登り57分 下り32分
 われながらすごいと思いました。
 
 休憩所ではウマオとパパが待ってくれていました。で、しばらくはおしゃべりしながら行ったのですが、次第に距離が離れて見えなくなりました。
 わたしは用心しいしい歩きました。足を痛めたら自力で下山できなくなります。転ばないように、足をひねらないようにー下山の方が足が堪えました。膝は笑いませんでしたが、太ももに疲労がたまってくるのがわかりました。
 
 休憩所出発 15:35
 
 来るときに写真を撮った場所
 
 


 
 
 ここは景色を見ながら休憩するのによいスペースがありました。以後写真は一枚もありません。なので来るときに写した植物の写真を載せます。
 
 オオカメノキ?
 
 
 道にはこの実がたくさん落ちていました。






 シコクフウロも花はなく葉が赤くなっていました。

 
 ヒヨドリバナも綿毛に
 


 たった一輪だけ咲いていたこの花
 
 
 シラヒゲソウ?
 
 
 

 
 ヤマアジサイは深い秋色に
 

 
 道のど真ん中に咲いていたリンドウ。ちょうど木の階段の真下で、人にふまれることなく咲いていました。足元に可憐な花ーすごくうれしかったです。

 
 登るとき撮っておいてよかった。下りは本当にひたすら下だけを見て歩いたのです。私以外人はいません。去年は山頂のお店の人とか、宮司さんとか、トイレの汚物を持って降りる人とか、登山客以外の人にも会いましたが、今年はそういう人にさえ会いません。用心しいしい歩いたためか、下り道にもずいぶん時間がかかってしまいました。
 ときどきウマオとパパが休憩がてら待っていてくれました。ありがたかったです。けれど、4時をまわった頃に出会ったとき、もう土小屋テラスが開いている時間には降りれそうもないということを聞いて(土小屋テラスは5時で閉店)わたしはあせりました。
 
 いやだあ、日没までには絶対下りたい。
 いや、暗くなるまでには下りれるでしょう。けど店は閉まってると思いますよ。ウマ君、ソフトクリームはあきらめよう。山を下りてから美味しい物を食べたらいいがね。
 え~~ とウマオ
 二人なら5時までに下りれるんじゃない? ご褒美がないの、かわいそう。もう私を待たずに急いで。
 いやいや、どうせ間に合わないから待ちますよ。
 これが最後の会話でした。もう、行けども行けども二人の姿は見えませんでした。
 
 
 
 来るとき30分くらい登ったところで見つけた、テンナンショウかその仲間の植物の実
 
 ということは、あと30分くらいで降りれるのかな? というか、30分も一人で歩くのか。
 
 途中お地蔵様がありました。一体は、鼻が高い天狗のお地蔵様でした。もう一体は普通のでしたが。わたしは財布を取り出してお賽銭を置く手間も惜しかったので、手だけ合わせて通り過ぎました。
 
 やっと土小屋から1,1kmの所まで帰って来ました。時刻は5時18分。5時半には土小屋に帰りたいと思ったけど無理か。12分で1kmー平地ならそのくらいでは歩くんだけど。
 
 あたりはますます薄暗くなって、鳥の声も虫の声も聞こえず、なんだか不気味。
 いやいや、ここは神の山、変なものが出るはずがない。出るとしたら、お山の天狗?
 天狗様は悪さはしないでしょう。この山の主だもの。本当に怖いのは人間よ。
 人間はもういないと思う。私が最後の下山者だから。
 ああ、山の日が暮れるのは早いこと。うちだったら街灯がつく暗さよねえ。
 自問自答しながら歩いているとなんだか怖くなります。
 
 何も考えずに歩いたらいいんだ。そうだ、歩くことに集中するため歩数を数えることにしました。普段の歩幅から推測して、多分1500歩くらい歩けば着くと思いました。ありがたいことに、石鎚山は登り始めは楽な道なのです。おまけに下り坂。私はポチに引っ張られたときのように大股で歩きました。そしてー
 
 1400歩で数えるのをやめました。山の出口はすぐそこ。
 と
 誰か来る! 後ろから人が追いついてちょっと会釈をしたまま追い抜いていったのです。
 私より遅い人がいたのか。
 その人は舗装道路に出ると全速力で走って行ってしまいました。
 
 土小屋テラスが見えてきました。なんと、まだ灯りがついています。オレンジ色の暖かな光でした。
 時刻は5時35分 1㎞あまりを17分で歩いたことになります。
 私はほっとして娘に電話しました。そうしたら土小屋テラスからぞろぞろとでてきました。閉店時間はとっくに過ぎているのに閉めないでいてくれたのだそうです。
 出てきたウマオのてにスムージーが握られているのを見て、ああ、間に合ったんだねと、私は心から安堵したのでした。
 
 その後
 石鎚スカイラインを通らずに瓶が森林道を通って帰りました。テレビのコマーシャルにも使われた美しい道ですが、真っ暗。疲れたけど、疲労困憊というほどではなく、けっこう体力ついて来たのかなと思いました。課題は、心肺機能ですね。訓練して何とかなるもの?
 
 どうでもいいことですが
 
 あの、急いでいた男性。もしかしてスカイラインのゲートが閉まる時刻なので急いでいたのかも。けど、なぜあんなぎりぎりに下りてきたんでしょう。車は土小屋テラスの前にありましたから、かなり早い時間にここに来ていたはず。9時過ぎに来たわたしたちはずいぶん遠いところにしか停められなかったのです。
 もしかして、道を間違えた? 成就社の方に下りてしまって引き返してきたとか。その可能性はあります。実は休憩所下の分かれ道のところで何人も道を間違えそうになって、ウマオパパがいちいち教えてあげていました。石鎚で気をつけるところはそこぐらいなものです。あとは1本道だし人は多いし。たった一人で歩いても無事だったしね。
 
 
 
コメント (2)
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