時々話す機会がある知り合いの中国人のおばちゃんは、以前私が日本語を教えていた学校で子供達に中国語を教えています。
中国系の人口は、私が住んでいる街でも多く、日本語は幼稚園ー小、中学校10年生合わせて2クラスしか開講できませんでしたが、中国語は各学年に2、3クラスあると聞いていました。
高学年になるにつれて、クラスは少し減るそうですが、それでも羨ましい環境。
今日は少し詳しいことを聞いてみたんだけど、気になったのが、ここは英語圏なので、いくら中国系であっても家で英語を話していたら、同じ5年生でも中国語のレベルは違うよね?
教える内容とか、どうなってるの? と聞いてみたところ、なんとも羨ましい環境が整っていると感心しました。
しかも政府からの支援があるそうです。教育にお金使ってくれるんだね。
学校外の外国語クラスは大抵幼稚園から始まり、1年生から高校生までクラスがあります。(日本語も対象は同じ)
そして、中国語は各学年毎に教科書があるそうです。この教科書は、中国現地の小学生が使う教科書とは少し内容が異なり、「外国で生活をしている中国系の子達向け」に作られた教科書で、政府から支給されるんだとか。
なので、そのテキストに沿って、1年生から12年生までレベルアップしていけるそうです。
内容的には、現地よりも2、3学年遅れているくらいのレベルだそうです。高校卒業時点で、現地の中学生レベルが身についていたら、大したもんだよね。素晴らしいシステム。
もちろん、駐在で来ている場合は、他に補習をしないと、現地に戻った時についていけないわけだけど。 (補習校は日本語もトロントにあって、駐在で来ているご家庭のお子さん達はそちらに通っている子が多いです。)
さらに!!!! その教科書に沿っての指導要領もあるそうで、先生はそのチェックポイントを押させて教えればいいんだって!!
これは、経験した人にしかわからない苦労だと思うけど、日本語には 継承語として政府から勧められた統一の教科書や指導要領がありません。なので、各地域、各学校の先生が、それぞれ独自にテキストを作ったり、国語の教材を使ったりなので、学校によって内容もレベルも統一されていません。
先生によっては、同じ学校内でも、内容をシェアするのを嫌がる人もいるようです。だから本当にバラバラ。
子供の日本語のレベルも、生まれた時から沢山日本語に触れ、話したり読んだりする機会があった子と、日本語に触れてはいるけど あまり使わずに育った子、生まれた時から日本語にはほとんど触れずに育った子では、同じ10歳でも日本語力は大きく異なります。
そして先生は、指導要領等、何も参考にするものが無い中で、テキストを作るというのは、本当に、時間も手間もかかる作業なの。0から作り出すというのは、本当に大変なこと。調べる事にも膨大な時間がかかる。
確か、日本語指導をされている先生方で、高校から大学レベルへの、内容の統一とか、そいう話をすすめている団体はあるみたいだけど、どちらかと言うと、高校から外国語として受講してる生徒の話?という感じがしました。 なので、幼稚園、小学生、中学生対象の「継承語」としての内容は、本当に手探り。
さらに言語専門の先生は、「国語」「継承語」「日本で生活するための日本語」「外国人が外国語として学ぶ日本語」は内容もアプローチ法も違うと言います。
でも、その具体的な内容、指導法、伝授されるようなマニュアルは無いのです!! 現地まかせ。
世界中に、外国で生まれた日系の子達がいると思うので、各地域の日本語学校の先生方、苦労されている方達多いと思います。
私も、今もですが、子供達に教える教材は基本、作っています。それでも10年前と比べたら、無料で使えるウェブの教材も増えて、それらも時々使わせてもらっているけれど、やっぱり内容は「日本に住んでいる日本人が国語として学ぶ内容」なんだなと感じます。
ちなみに我が家のお兄ちゃんは、今の所それなりのレベルで日本語も習得できているので、今日本の現地の小学校へ入れても、特に問題なく勉強できるレベルだと思います。 なので、教材としては、「国語」になってしまいますが、通信教材を使って、本人がついていけるところまでは、それ+自宅での本読みや、ウェブサイトなんかを活用して日本語力を継続していくようかなあ。。という感じです。 私自身も、時々日本現地での学習内容(使っている言葉や表現など)をチェックしていて、学年が上がると、カナダで生活しているだけでは、耳にする事が無い言葉や表現も増えてくなあ。。。と、感じています。
お兄ちゃんは、今の所国語教材でも ついていけるけど、お家でも英語中心で育ってる子や、3世、4世の子達に継承するとなると、こりゃ大変。
子供だから、低学年だったら、日本へ帰省した時に、同じ年のお友達と遊べるような会話、ある程度の読み書きは抑えてあげたいし
高学年だったら、自分で買い物や近所にお出かけをした時に、困った事、やりたい事、行きたい場所を自分で聞ける事や、ある程度 読んだり聞いて理解できるような力、自分の考えや気持ちを伝える力はつけてあげたいし。
だけど、その基準が。。。。この年齢では これくらい抑えましょう。という統一された内容基準がないのです。
逆に、あるよ!という方は、教えてください。
以前ブラジルには、そういったレベル基準があると聞いた事があります。こういう仕事は国際交流基金の方達になるのかなあ。。外国人対象の日本語学習の教材は作ってるみたいだけど、海外で生活する日系の子達向けの学習教材、どこかにモデルがあるなら、世界共通でシェアして欲しいです。
外国で育った日系の子達が日本語もきちんと習得できたら、日本語と外国語ができる国際人、間違いなく増えますよ!!日本政府さん!教育にもっと予算を〜!! 使える情報はシェアしてくださーい。
先生達にも、生徒達にも 役に立つと思います。