トシの旅

小さな旅で学んだことや感じたことを、
まとめるつもりで綴っています。

伊予鉄道の”鉄橋上の駅”、石手川公園駅

2015年04月01日 | 日記

愛媛県松山市の市街地を流れる石手(いして)川に架かる石手川鉄橋。伊予鉄道横河原線にある鉄橋です。伊予鉄道といえば、市街地を循環している路面電車を連想しますが、ターミナル駅である松山市駅から、放射線状に鉄道路線が延びています。横河原線は松山市駅と南東部の横河原駅(東温市)を結んでいる鉄道です。

これは横河原線の愛大医学部前駅に掲示されていた伊予鉄道の路線図です。伊予鉄道には横河原線の他に、松山市駅から松山観光港の手前の高浜に向かう高浜線、伊予市にある郡中港に向かう郡中線の2路線があります。しかし、高浜線と横河原線は直通運転をしており、実質2路線のような運用になっています。

これは松山市駅側から石手川鉄橋を撮影したものです。鉄橋だけではなく、歩行者のための通路も併設されています。横河原線は、明治26(1893)年に松山市駅・平井駅間が開通しました。この鉄橋もそのとき建設されました。長さは35.8mだそうです。

横河原線の3000形の電車が停まっています。ここは鉄橋であるとともに駅でもあります。石手川公園駅。横河原線の最初の駅で、松山市駅から0.8kmのところにあります。3両編成の最後部は完全に鉄橋上にあります。車掌さんの姿が見えますが、伊予鉄道の鉄道線はすべて車掌さんが乗務しています。

ホームです。1面1線のホームです。河川敷の上に建てられている部分には屋根がついており待合のスペースになっています。

松山市駅方面に向いてホームを撮影しました。ホームを覆う屋根とベンチ、掲示物。その先、石手川の土手の樹木。

石手川公園駅の駅表示です。次のいよ立花駅までは0.6kmで、横河原線の駅間最短区間になっています。ちなみに、伊予鉄道の郊外線の駅は、概ね駅間1km前後で設置されています。

駅標の下にあった時刻表です。15分ごとに運行されています。鉄橋上にはありますが、土佐北川駅とは違って、この駅はいわゆる”秘境駅”ではありません。”秘境駅らしさ”の対極にある雰囲気の駅でした。

ホームから見た鉄橋です。三角形を組み合わせたトラス橋に緑のプレートが見えます。

プレートには「土木学会選奨土木遺産 2012 石手川橋梁」と書かれています。石手川鉄橋は、平成24(2012)年に土木学会から「選奨土木遺産」に選定されています。現役の鉄橋であり、明治26(1893)年の建設から一度も移設されていない日本最古の鉄橋ということが選定の理由だそうです(移設されている鉄橋では、もっと古く現役というものがあるようです)。建設から110年を超えて現役という鉄橋です。

松山市駅に向かう列車が到着し鉄橋の上に停止しました。石手川公園駅は、四国の鉄道としてはJR土讃線の土佐北川駅(「鉄橋上にある「秘境駅」、JR土佐北川駅」2013年12月2日の日記)と並ぶ橋上の駅です。

石手川公園駅の出入口です。平成25(2013)年にバリアフリーに改修されました。以前は、写真右のホームに階段で直接上っていたそうです。

駅から出て周辺のようすを見ることにしました。駅裏の自転車置き場から見たホームです。橋脚や橋桁、自動販売機も見えます。

駅裏から踏切を渡って撮影しました。駅の待合いスペースです。駅にはトイレの設備はありませんでした。

駅の前後は石手川公園です。駅名はこの一帯の公園の名前からつけられたようです。石手川の河川敷をかさ上げしてつくられた公園で、駅前には遊具も設置されており、子ども連れの若いお母さんの姿が見えました。

公園から見えた石手川鉄橋。明治の香りを残した鉄橋です。110歳を超えてなお頑張っている誇らしい姿です。

帰りに、ホームから北を撮影しました。観覧車が見えるあたりが松山市駅。写真では見えませんが、右の樹木の間から松山城天守閣の姿が見えました。

今は桜の季節。駅裏には花を楽しむ人たちの姿がありました。

橋上の駅、伊予鉄道石手川公園駅は松山市街地の南部にありました。橋上といっても、河川敷の部分に大部分の駅の設備があり、そこからはみ出した部分が鉄橋の上にあるという印象でした。駅の構造からすると、JR土讃線の土佐北川駅よりも、トンネルの駅から鉄橋にはみ出していたJR福知山線武田尾駅(「トンネルと鉄橋の駅、JR武田尾駅」2014年4月30日の日記)と似た印象でした。もちろんスケールと迫力では武田尾駅に大きく及びませんでしたが・・。





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1 コメント

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見ました (山田のクリ)
2015-04-06 06:40:21
 珍しい所へ連れて行って下さりありがとうございます。明治から続いた鉄橋があるとは驚きました。流石です。久しぶりに読ませていただきました。
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