tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカ主導で動き始める法人税増税論議

2021年04月10日 15時30分30秒 | 経済
アメリカ主導で動き始める法人税増税論議
レーガン減税以来、世界で法人税の減税が一般的になっていましたが、その動きが逆転する可能性が見えてきました。

今日のNHKのNEWS WEBでは、バイデン大統領が、国際的に事業を展開する巨大企業100社ほどに売上税を課すという提案をしたことを伝えています。

GAFAへのデジタル課税が論議されている中で、その議論を改めてリードすることを狙った提案との解説ですが、同時に、法人税の減税競争を終わらせ、法人税率の引き上げを国際的なものにすべきというバイデン政権の動きも報じています。

折しも、G20では、アメリカの新財務長官イエレン女史が出席、持論である「底辺への競争(法人税引き下げ競争)はやめるべき」 という提案をされたようで、法人税の国際協調による引き上げの方向を7月までに確認するということになったようです。

バイデンさんの主張かイエレンさんの主張か解りませんが(恐らくお二人の意見ピッタリ一致で)いよいよ法人税引き上げの時代に入るようです。
これをレーガン税制の巻き戻しとすれば、所得税のる新税率の強化にまで行くことになるのでしょうか。


バイデンさんは、200兆円の経済対策や、8年間に220兆円のインフラ投資の財源として、法人税増税をお考えでしょうし、法人税率の引き下げ競争をやるべきではないというイエレンさんの主張は極めてまともなものと考えられますから、これは早急に推し進められるのではないでしょうか。

G20では麻生さんも、法人増税に賛意を表したようですが(但し難しいよといったとか)、世界経済の正常化のためにはこれは大変結構なことと考えるところです。

本来なら、ここで トービン税の議論が出てくるべきではないかと余計な事まで考えてしまうのですが、、経常赤字のアメリカは、多分マネーゲームで稼がなければならないという事情もあり、その辺りをどう考えているのか、これは読めない所です。

ついでに言えば、これまでアメリカがデファクト・スタンサードとして広めてきたキャピタルゲインとインカムゲインを区別しないという政策について、オーソドックスな理論家と思われるイエレン財務長官がどう考えているのか聞いてみたいところです。

この問題はこれからも確り追っていきたいと思う所です。

春たけなわ、チューリップ満開

2021年04月10日 15時30分30秒 | 環境
春たけなわ、チューリップ満開
 コロナ、コロナといっているうちに、桜の時期は過ぎました。「はや葉桜の侯とはなりぬ」などと呟いていれば、わが家の狭い庭でも、有り難いことに、春の花たちが競って 咲いてくれます。
 
 緊急事態宣言から蔓延防止になって、武蔵野市と立川市の間にある国分寺市は、なぜか対象から外れていますが、コロナウィルスはそんな区別はしてくれないので、蟄居を旨とする私にとっては、庭の花々は素敵な鑑賞対象です。

 今日は土曜日、明日は日曜、毎日が日曜日の人生でも、やっぱり土曜、日曜は好天で、気持ちよい春の日和を期待するのが人情というものでしょうか。

 昨年12月、我が家の花壇にびっしり植えたに100球2000円という(売れ残り取り混ぜ)チューリップも順調に育って今や満開です。


 左端に点々とある紫色の花はツリガネ水仙で年々増える宿根草です。


 
 今年は先ず黄色が咲き出し、続いて赤橙色系統、そして最後に白の八重咲きがやっと開きました。黄色は、花びらが丸いのと、花びらの先がギザギザのがあるようで、両方とも背が高く伸びます。
 白の八重咲きは、背はあまり高くはならず、重たい八重の花を短めの茎で確り支えています。赤橙系統は、黄色と白の中間の背丈です。
 
 実は、狭い花壇では、いくらびっしり植えても100球は植えきれず、十数球残ったのは、庭のあちこちにも植えてあるので、この時期は随分賑やかです。

 そのほか家内が友人などから頂いてい来たいろいろな山野草等の宿根草もも元気に残っていて、狭いながらも自然の趣を感じさせてくれます。
 その中の一つ、割合珍しいウラシマソウが、二本向き合って咲いたので、これもついでに紹介させていただきます。


 サトイモ科で、マムシグサ、コンニャク芋、水芭蕉やカラーの仲間だそうです。

それでも欧米型雇用ですか?「働き方改革」を斬る

2021年04月09日 13時30分10秒 | 労働
それでも欧米型雇用ですか?「働き方改革」を斬る
 安倍政権以来、送付の推し進めている「働き方改革」は、人間中心の日本型雇用は効率が悪いから、仕事中心の欧米型雇用システムに切り替えていこうというものだという事は、すでに多くの方々がご承知のことと思います。
 なぜ自民党政権が、そうした選択をするのか解りませんが、まだ舶来崇拝の名残りが日本の保守派の中にも残っているのでしょうか。

 ところでこんな数字が、日本労働研究兼修機構(JILPT)から出されています。
 新型コロナがアメリカと日本の雇用(失業)にどんな影響を与えているかで、JILPTの資料はアジアは日本と韓国、欧米はアメリカイギリスフランスなど6か国ですが、ここでは特徴的な日米の数字を比較してみたいと思います。

  <新型コロナによる失業率への影響>
日本:昨年1月の失業率2.4%、今年2月の失業率2.9% ピークの失業率3.1%
米国:昨年2月の失業率3.5%、今年2月の失業率6.2% ピークの失業率14.8%
    (資料:JILPT)
 
 アメリカのピークの14.8%は、日本のマスコミでも紹介されていましたが、職務中心の雇用システムの国では、仕事がなけれが雇用がないのが原則ですから、失業率は大きく動きます。
 多分、日本でも、職務中心の雇用システムになっていきますと、(今の日本では)「非正規」といわれている雇用が一般的になり、 アメリカ型の雇用と解雇のやりかたが一般的になっていくのでしょう。     

 もともと日本では、従業員を安易に解雇する事は企業にとって大変望ましくない事でしたが、近ごろは、仕事がなければ解雇するというのが許されるような雰囲気も、何となく出てきたようです。

 確かに企業にとっては,その方が便利かもしれません。企業にとって便利なことは、企業の効率を上げ、結局は経済活動全体が効率化されるというように考えるのが、欧米流の雇用システムです。

 ですから、採用も仕事があって人がいないときに行われるわけで、1年中必要な時に行われ、新卒一括採用などはありません。日本の非正規の採用と基本的に同じです。これが欧米諸国の 若年層の失業率 の高さの主因です。

 ところで、アメリカ型の雇用システムが、本当に企業の効率化に役立つのでしょうか。実はこれが問題の本質なのです。
 確かに短期的には、アメリカ型の方がより合理的なのかも知れません。しかし、人間は機械と違って、いろいろ考えるのです。

 機械ならスィッチを入れればいつも同じように動きます。人間はそうではありません。やる気がないと能率は落ちます。日本型雇用というのは、雇用の安定を重視するのが特徴で、企業が雇用の安定を重視していることが従業員に理解されることが、やる気の根源にあるという認識にたっています。(これは多分日本人らしい性善説に立つ考え方でしょう)

 考えてみると、欧米流の職務中心の雇用システムは理論的かもしれませんが、短期的な視点に立つもので、日本流の人間中心の雇用システムは、経験的なものに起因し、長期的な視点に立つものということが出来るのかもしれません。

 世の中、政治も経済も、よろず短期的な視点が多くなって来ているようですが、近視眼になるとリスクも多い事は事実でしょう。
 日本の企業としては、こうした視点をどう組み合わせるのか、どう選択するのか、政府の「働き方改革」のそれはそれとして、今後とも、よくよく「長い目で」で見て考えていく必要があるのではないでしょうか。

 








アメリカ企業のマネー政策に要注意?

2021年04月08日 16時06分20秒 | 経済
アメリカ企業のマネー政策に要注意?
 アメリカが震源地で世界金融恐慌に発展しかけたリーマンショックは2008年でした。あれから12年余が経ちました。

 あの傷から世界経済がやっと回復したと思ったら、新型コロナで世界中大変です。新型コロナは(トランプさんは中国を疑っていたようですが)恐らくコロナウィルスの自然の突然変異によるものでしょう。

 しかし、リーマンショックの方は完全に人為的なものでした。アメリカの金融機関がが低所得層向けの住宅ローン(サブプライム・ローン)を大量に貸出して、住宅バブルを起こし、それが崩壊して住宅価格が暴落したわけで、事の実態は日本の土地バブルと同じです。

 日本の場合は、日本の土地購入者の資産と金融機関のB/Sに大穴があいて、そのバブル崩壊の後遺症に苦しんだのですが、アメリカの場合は少し違いました。

 アメリカの金融機関は、金融工学を活用して、膨大な住宅ローン残高を証券にし、AAAの格付けをして世界中に売ったのです。バブルはいつかは崩壊します。トリプルA だった証券は暴落、格付け会社は格付けを訂正しましたが、すべては後の祭り。証券を買った世界中の金融機関やそれを組みこんだ商品を買った世界中の投資家や家庭の主婦までが一斉に大損をすることになり、世界金融恐慌か!という事になったわけです。(アメリカの中だけでやってくれればよかった!) 

 アメリカの金融機関は、日本のバブルと違って、世界中で損を分担するようにしたので、だいぶ楽をしたのでしょう。バーナンキさんの超金融緩和政策もあり、なんとか早めに回復できたようです。日本はそのトバッチリで超円高になり、随分苦労しました。

 そう考えると、金融工学というのは、それなりに役に立つものだという事になりますが、それは、アメリカにとっての話で、トリプルAを安易に信用してアメリカの債権を買った世界中の国々・人々は大変な目にあったというのが結末です。

 説明が長くなりましたが、最近また問題が起こったようです。日本では、野村HDが2200億円の損失の可能性があるというニュースが流れました。
クレディスイスも5200億円の損失と言われています。

 震源地はアメリカのアルケゴスという個人ファンドだといことで、高いレバレッジで、ハイリスク、ハイリターンを目指す投資をやっているなどと言われるところのようです。

 こんなことは、アメリカのマネーゲーマーの中では普通のことかもしれませんが、引っかかった外国の金融機関はたまりますせん。この世界では引っ掛った方が馬鹿だ、引っ掛るのが悪いという事なのでしょう(サブプライムローンの時はアメリカ政府も噛んでいましたが、今回は単なる個人ファンドです)。 ほかにも引っ掛った日本の金融機関もあるようです。

 こうしたビジネス(?)をカネの流れで捕えれば、アメリカ企業が外国から出資を募り、あるいは金を借り(預かり)マネーゲーム(ギャンブル)に失敗してカネを返せなくなった。しかしギャンブルの掛け金は結局はゼロサムですから、アメリカの別の企業(ファンド?)がそのカネを受け取り、結局は日本のカネが、それだけアメリカに流れた、アメリカの資本収支に貢献したという事でしょう。

 ついでにもうひとつ例を挙げますと、東芝はアメリカのウェスチングハウスを買収し、原発建設を試みたが、規制が厳しくなって下請け工事会社への支払いがかさみ採算が取れなくなって、撤退しましたが、カネの流れから言えば、結局、自己資本の約1兆円をアメリカに差し上げたという事でしょう。

 こうしたいろいろな例を見てきますと、アメリカは、借金は証券化して外国に売りリスクを分担してもらい、資本の流入なら大歓迎、出来れば返さなくて済むのが一番いい、といった所があるような気がします。

 かつてはバブルのころ、日本企業がNY市の中心ロックフェラーセンターを買収したり、映画で有名なティファニーを買ったりして、なんでアメリカは文句も言わず、平気なんだろうなどと訝る向きもありましたが、後から日本企業は大損して売却という事もあったようです。
 
 万年赤字国のアメリカですから、外国のカネの流入を当てにしなければならないことは当然かもしれませんが、それにしても、アメリカに投資するという事については、日本のように、マネー 戦略の下手な国(企業)は、よくよく考えなければならないのではないでしょうか。



 

新型コロナ対策にみる日米の差

2021年04月07日 20時40分15秒 | 政治
新型コロナ対策にみる日米の差
 IMF(国際通貨基金)は昨日、2021年の世界経済の改定見通しを発表しました。
 予想成長率は6.0%(3か月前の予想はは5.5%)でした。

 昨年の実績見込みはマイナス3.3%ですから、IMFは、コロナ制圧に成功して世界経済の成長率は順調に上昇を始めると見ているようです。いささか楽観的かもしれませんが、そうあってほしいものです。

 ところでこの回復見通しの大きな要因は、アメリカと中国の成長率の上昇が予想されるからとなっているようです。
 確かに、中国経済が回復基調であることは日本の対中輸出が順調といったことからも理解できますが。アメリカもいよいよ対コロナ戦に勝を収め、順調な回復に復帰と見られています。

 アメリカについては、ワクチン接種の急速な進展、それに加えて200兆円にのぼる大型の経済対策が見込まれてのことのようです。

 バイデン政権は、今月中には18歳以上の全員ワクチンの1回の接種は完了という目的だそうで、実行は可能とのことです。現に新規感染者は1日30万人から4万に下がり、この所は5~6万人に増えているようですが、ワクチンの効果を織り込んでのことでしょう。

 これからのアメリカの新規感染者の推移はまさに注目すべきものと思いますが、バイデン政権の戦略とすれば、ワクチンの効果が出たところで、人の動きが活発になり、200兆円の経済対策が効いてくるということではないでしょうか。 経済対策と効果のタイミングも注目に値するところでしょう。

 ところで、日本の方はというと、IMFの見通しでは今回の成長見通しは3.3%で3か月前の予測より0.2%プラスということで、改善幅はドイツやイギリスより低いようです。

 日本の場合、振り返ってみますと、最初の緊急事態宣言は、効果的で、日本は成功例の方に入るのかと思われましたが、その後、政府は安心したのか、小型のマスクを2枚ずつ配ったあり、1人10万円を一律に配ったりしましたが、安心のせいかGoToの奨励など新型コロナを甘く見すぎたようで、第2波から巨大な第3波をよんでしまい、配った10万円も、使うチャンスを逸して預金残高に多分半分以上残ったのではないでしょうか。

 その後はGoToの思惑外れの後始末に大変な手間もカネもかかったようで、前向きのコロナ対策は、ワクチン購入契約ぐらいで、あとは、第2回の緊急事態宣言で国民に行動の自粛を呼びかけるだけ、そして、その解除ものタイミングが最悪で、再々宣言は格好が悪いと思ったのか今度は蔓延防止措置で改めて国民に行動の自粛を呼びかけるという、すべてが後追いに終始しています

 ところで肝心のワクチンは、アメリカ・ファーストで、日本にはなかなか来ません。一昨日、200万回分が来たといいますが、早急に必要なのはその10倍20倍でしょう。単位が一桁違います。  

 すべて外国頼み、他力本願ですから、仕方ないというでしょうが、自主開発の意思を全く持たなかったのは何故か、国民への説明は全くありません。
 GoToもそうですが、やったこと、やらなかったことについて、何故そういう選択をしたのか今の 政府は全く国民に対して説明をしないのです。

 国民は結果から判断するよりないのですが、これでは、我々戦中派が思い出すのは太平洋戦争です。

 あの時も、初戦は日本の勝利の如く見えましたが、アメリカはその技術力と生産力で着々勝利への準備をしました。空母と飛行機、長距離重爆撃機B29、そして原爆・・・。

 それに対して、日本は「大和魂」を連呼し、すべてを国民の忍従と犠牲に依存したのです。

 今も全く同じで、国民の蔓延防止努力に依存するだけで、コロナ制圧の「カギ」であるワクチンをはじめとした学術、研究、開発といった、本当に必要な所には手も打てず、後追い、しり拭いかまけにかまけ、最も重要なことは外国頼みに終始しているのです。
  (蔭の声:そうだ、拉致問題もアメリカ頼みに終始している)

 日本でも、高度成長期に見ますように、学術、研究、開発は、政策よろしきを得れば、決して不可能ではないのです。ノーベル賞受賞者も決して少なくはありません。

 今の日本政府の政策は、どこかでボタンを掛け違いをしているのではないでしょうか。

2021年2月家計調査、コロナに振り回される家計

2021年04月06日 14時49分42秒 | 経済
2021年2月家計調査、コロナに振り回される家計
 今朝、2月分の活計貯砂が発表になりました。
 2度目の非常事態宣言の最中ですから、やっぱり消費の落ち込みは大きいです。

 2人以上の所帯の消費支出は、対前年同月に比してマイナス7.1%で、1月の同6.8%よりも厳しいようです。
 前年より増えているのは教育(授業料値上げ?)の38%と巣篭り需要でしょうか住居の1.1%だけでそのたは食料のマイナス4.2%も含めすべてマイナスです。

 2人以上勤労者所帯につて見ますと、対前年度月比で消費支出はマイナス7.4%と大幅減、ただし可処分所得(手取り収入)はマイナス1.1%ですから、平均消費性向は、マイナス4.4ポイント低下(昨年2月67.4%、今年2月63.0%)ということになっしまっています。

 いわば、すべては新型コロナ禍のせいで、経済学的な分析などなくても、誰もがコロナ次第と思っておられるのでしょうから、説明のしようもないし、必要もないという事でしょうか。

 ただ、家計調査の中の注書きで見ますと、「季節調整値で見ますと63.5%で、前月に比べ0.1ポイントの上昇になった」とありますから、見方によっては、節約疲れもあると読めないこともありません。

 結局、緊急事態宣言は総理が決めた期限通り解除になりましたが、その時はもう第4波の兆しが見え始めたという意見がでていたわけで(政府はまだ第4波は認めていないようですが)ワクチン入荷の心細さも含め、これからも消費の増加、景気の回復は、まさにコロナ次第、という事でしょう。
 
 それでもこのブログは、これからも平均消費性向の動きはしつこく追っていくつもりです。

豊後梅の受粉、中間報告

2021年04月05日 15時13分25秒 | 環境
豊後梅の受粉、中間報告



 2月の26日に、毎年ほとんど実をつけない我が家の豊後梅に人工授粉をしてみたという事を書きました。

 小さなメジロや大きいヒヨドリなども来て、受粉の手伝いをしてくれましたが、人工授粉が役に立ってくれますようにと願っているうちに花は散って赤い小さな「がく」が残り,雨風にさらされていました。

 そのうち、若葉が出てくれば、それに合わせるように青い小さな梅の実がついているかどうか解るのですが、何となくそれが待ち遠しいなと思っているうちに、この数日急に若葉が出てきました。

 昨日、そろそろ実がついたのが見える頃かなと気づいて窓越しに見ますと、葉の間になにか梅の実らしいものも見えるようです。老眼鏡を外しても、夕方でよく見えないし天気も悪いので明日の朝、生ゴミを埋めるときによく見て、実がついていたら写真も撮ってこようと思っていました。。

 という事で今朝スマホを持って生ごみを埋めに出ますと、たしかに小さな実がついています。それぞれの枝を見ていきますと、受粉はまんべんなくしたのに、確り実がついているのは一番高い所の枝2~3本で、あとはところどころにポツリポツリです。

 それでも例年よりはかなり成績がいいようなので大分気をよくして、実のついて枝のところを写真にとりました。それが上の写真です。

 さて、そこでこれからですが、混んでいる所も摘果するのも、なにか勿体ないので、自然淘汰に任せることにして、6月の収穫を待つことにしました。

 以上4月時点での中間報告です。

ピケティがいう「格差が縮小した例外的な時代」

2021年04月03日 16時10分19秒 | 経済
ピケティがいう「格差が縮小した例外的な時代」
 前回、株式売買で利益を得た場合の税制について、株式の保有期間によって税率に差を設けるのはどうかという事を書きました。
 勿論現行の税法では、株式売買の差益については一率20%ですからやや奇想天外に過ぎると思われる方もおられると思います。

 わざわざこうした議論を持ち出したのは、株の売買が、株を買うことで企業を支援し、企業の成長が経済の成長を支え、社会をより豊かで快適なものにするという企業経営と経済の本来の関係が機能した時代を、体験して来たからです。
 金融機関としても個人としても、そうした真面目(愚直)な考えが、格差社会化阻止を具体化する方法だという時代を見てきているからです。

 今は機関投資家から大衆株主まで、株取引は「カネでカネを稼ぐ手段」と考えるのが一般的となっているのではないでしょうか。
 そして、こうしたギャンブルとしての株取引は、通常、資金力の大きい方が有利なのです。
 その結果は当然、大きい資産はより大きくなり、社会の富を偏在させるのでしょう。アメリカのトップ1%がアメリカの富の30%を握るなどと言われるようになるのです。

 民主主義国の多くは社会主義の良い面も取り入れ、税を社会保障の財源にし、格差社会化の進展をを防ごうという理念をもっとぃるのでしょうが、昨今のレバレッジを聞かせた、短期株式取引は、それをなし崩しにしてしまう方向に動いていることは明らかです。

 ということで歴史を振り返りますと、実は、第二次大戦後の数十年、格差化が縮小した時代があったことは、ピケティも気づき「格差が縮小した例外的な時代」としているのです(特に日本には注目しているようです)。この時代はどんな時代だったのでしょうか。

 この時代はドイツ経済や日本経済の奇跡的な回復と成長を含め、当時後進国と言われた発展途上国も一斉に高い経済成長を記録した時期です。

 日本の場合、終戦後10年の1955年には、経済白書が「もはや戦後ではない」と書き、高度成長の時代に入るのですが、1870年あたり以降格差縮小傾向が明らかに進み、プラザ合意で蹉跌する1980年代後半頃には「一億総中流」という事がが一般的になるなど、ジニ係数が北欧並みになるという状態が進みました。

 2000年頃から、この状況が逆転するのですが、これは長期化した円高不況とそれを何とかしようとした財政金融政策の結果でしょう。
 此処から明らかになることは、経済が健全に成長する過程では、政策宜しきを得れば、民主主義社会では、格差社会化が進まないという事は明らかに可能だという事です。「例外的』などと言っていまわずに、やれば出来ると考えるべきと言いたいところです。
 
 もちろんそこには所得税の累進度の高く維持し、社会保障制度の充実を急ぐといった政府の先進国へのビジョンもあったでしょう。
 しかし、株式投資のマネーゲーム化を促進するようなレバレッジの高さは不健全なものという伝統的な考え方が一本筋を通していたようにいもわれます。

 勿論、この検証には確りしたデータの収集分析が必要です。それは多くの学者、研究者がやっておられます。

 実業に関わる世界の中で、あの時代を経験してきた庶民の一人としては、マネー重視のアメリカ流でない、実体経済重視の日本型経済社会、キャピタルゲインとインカムゲインを確り識別するような意識こそが、社会の格差化の進行を阻止するもので、本気になればそれは可能だということを、現実の経験をもとに、今の政策担当者にも知っておいて頂きたいなと思っているところです。 


 

株式投資が格差社会化を齎さないための税制

2021年04月02日 15時29分51秒 | 経済
株式投資が格差社会化を齎さないための税制
 今回は前々回の続きで、ピケティの指摘のように、資本主義社会は経験的に、資本収益率 (R)が、経済性勝率(G) より高い(R>G)のだから、格差社会化は必然的に進展するということのようです。

 とくに最近のように、この傾向に拍車をかけているのがマネー資本主義でしょう。巨大な投資銀行から、多くのファンド、そして個人投資家まで、低迷する経済成長、伸び悩む収益、上がらない賃金という状況の中で、何とか書と・資産を増やそうと株式投資などで「キャピタルゲイン」をあてにするこの頃です。

 しかもリーマンショックやコロナ対策で、政府や中央銀行は、何処の国でも財政赤字や異常な金融緩和といった政策を取ということになりますと、典型的にアメリカの例に見ますように、格差社会化は一層進むことになるのでしょう。

 1990年代からすでに、レバレッジをきかせたマネーゲームが格差社会化を促進する危険性に気づき、投機的な金融取引に税金をかけて格差社会化を防ごうと考えたのが有名なトービンのトービン税でしょう。  
 これはまさに名案で、レバレッジを利かせた巨大な金融取引に極く低率な取引性をかけることで、巨大な税収を得、格差是正のための所得再分配の財源にしようというものです。 
 
 世界中一緒にやらないと資本逃避が起きるといった議論や、後進国援助に使うべきとかいろいろが議論があって、実現はして居ませんが、ますます必要になりそうな着想です。

 ところで、株式投資は、本来は企業の成長を支援するものですが、最近は、多くがマネーゲームで「キャピタルゲイン」を狙うものになっています。政府の年金基金を増やそうとするGPIFなどもそうでしょう。

 この株式投資の現状を、本来の、企業の成長を支援し、結果的にGDPの拡大、経済成長を促進し、その成果の中からリターンを得るというような株式投資に誘導する税制も考えなければならないのではないでしょう。

 そんな発想で考えますと、こんなことも考えられるのではないでしょうか。
 株式を売買する場合、買ってから売るまでの期間によって、利益が出た場合の税率を変えるという発想です。

 持っている期間が長いほど税率は低くなるという方式です。
 たとえば、コンピュータを使った瞬間的な取引の場合には利益に対する税率は99%でもいいでしょう。1か月以内なら90%、1年なら50%、3年なら20%(現在の税率)5年以上持っていれば、もっと低くしても良いかもしれません。

 こうすれば、株を持つときはみんな長期指向で考えなくてはならなくなって、応援し甲斐のある会社を選ぶことになるでしょう。株式投資の本来の姿勢です。

 渋沢栄一ではありませんが、これが本来の実業を中心にした資本主義の在りからでしょう。「論語と算盤」の両立です。

 ま、理屈はそうですが、今の世の中でこんな事をやったら、世界中の金融システムは、たちどころに崩壊でしょう。現実にはとてもできるものではないと私自身も思っています。(出来たら世の中良くなるだろうと思いながら・・・)

 ということは、今の株式市場は、いかに資本主義の本来の姿から逸脱しているかという事の証拠だと言えるのかもしれません。
 


 

2021年3月期「日銀短観」が発表になりました

2021年04月01日 09時58分50秒 | 経営
2021年3月期「日銀短観」が発表になりました
 昨日の続きで、格差社会化を防ぐ政府の再分配政策とギャンブル化した株式投資の格差社会化を荘苦心する再分配機能、それを是正する「税制」の問題をと思っていましたが、日銀「全国企業短期経済観測」が今朝発表になったので、タイトルは標記になりました。

 これは経済動向を見るのに大変役に立つ調査ですが、この所、経済の動きは殆どコロナに振り回されるばかりで、「景気は?」と聞かれたら「コロナ次第」としか答えられないような状況なのですが、それでも一応取り上げておきます。

 先ず製造業と非製造業に分けて大企業、中堅企業、中小企業のDI(注)の一覧表です。

製造業    2020年12月  2021年3月  2021年6月予想   
  大企業    -10      5       4
  中堅企業   -17      -2      -6
  中小企業   -27      -13     -12
非製造業  
  大企業    -5      -1      -1
  中堅企業 -14       -11     -12
  中小企業   -12     -11      -16

 景気をリードする大企業製造業は現状も先行きも「良い」と答えた企業の方がいくらか多いという状況です。非鉄金属、機械、電機機械、自動車などが牽引しています。

 非製造業は、製造業ほど落ち込みは大きくなかったのですが、回復が鈍いです。中は業種別に明暗が酷く、小売、情報通信、対事業所ザービス等はプラスですが。 旅行、飲食サービスなどは最悪状態です。

 残念ながら3カ月後の見通しも、良くなると見ている所はほとんどなく企業はコロナが長引くと予想しているっうです。

ただ、調査の中にある2020年度と2021年度の設備投資の比較を見ますと、全般的にプラスを見込んでいるところが多く、しかも研究開発を含み土地を除くという項目や、ソフトウエア投資の項目が2桁の伸びを計画している所もあり、中・長期的には企業は強気、元気と思われるところが救いでしょう。