行き詰まる財政・金融政策
このところ、一時にくらべて円レートは割安を続けています。$1=\110に迫ったこともありましたし今も108円台を維持しています。
このレートなら自動車や機械を中心に株価は元気と思いのほか、トヨタ系などに高値追いは見られず、先日好決算が発表されたファナックも下押しの様相です。
大幅下落ではありませんがだらだらと下げていくといった具合で、株式市場はどちらかというと不振です。
円安は、アメリカ経済の積極的財政政策、バイデン政権・イエレンFRB議長の金利正常化政策のためでしょうか。
一方、日本はといいますと先日、黒田総裁が2%インフレターゲットは任期中には困難と本音を伝え、異次元緩和は当分続けると言いましたが、マーケットは金融政策は手詰まりと受け取ったのでしょう。
更に日本の場合財政面はアメリカのように率直に増税路線(法人税)路線も打ち出せず、昨年来の巨大な赤字国債発行をどうするという大問題の中で、MMTを信奉するわけにもいかず、増税は禁句で、GoTo予算は温存といった方向感覚に乏しい政策(無政策)に終始しています。
その中での、せめてもの朗報はワクチンの供給で、従来のファイザー独占から、モデルナからの供給、EUからの供給再開、更にはJ&Jの1回の接種で済むワクチンの参入も近いようで、入荷も増加、価格も低下という状況も予想されることでしょう。
そういえばワクチンのコストも知らされていません。ただで接種するのだからいいではないかと言うかもしれませんが、結局は税金で買っているのですから教えてほしいものです。
それでも、ワクチンについては、経済学の「トリクルダウン仮説」が実証されれば(?)、周回遅れの惨状に甘んじていた日本国民にとっては大変有難い事です。
もちろんワクチンが万能かといえばそうではないでしょう。しかし、ワクチン接種の進んだ国から次第に経済活動の回復が報告されることも事実のようで、いわゆる「withコロナ」、「afterコロナ」の経済回復の時代に入っていく可能性も大きくなります。
コロナウィルスにしてみれば、主たる宿主である人間が耐性・免疫を持ってしまうと、種の保存も叶わないので、一生懸命多様な変異株などに変身したりして、サバイバルを図るかもしれませんが、やはり最終的には高度な頭脳を持った人間の勝ちでしょう。
ワクチン価格も下がるでしょうから、日本も早く周回遅れの惨状から脱却し、諸外国と共に新たな経済回復、経済正常化の方向に向かう日の来ることを願うところです。政府の適切な柔軟な対応を期待するところです。
このブログも、そうした世界の動きの中で、進むべき方向の分析や問題提起、提言などをしていける日の早い事を何より願っています。