見えてこないワクチン接種計画の具体像
日本は世界の国々の中でもワクチン接種率が最下位に近く、OECD加盟国の中ではまさに最下位の国のようで、最近はその状況がテレビの画面で示されたりしています。
4月18日のOECDの資料では最下位の日本が0.98%、韓国2.98%、メキシコ8.68%から、上はアメリカ39.24%、トップはイスラエルで61.81%まで並んでいますが、先ず解らないのが、何故日本がこんなに低いのかです。責任は政府にあるのでしょうが、政府からの説明はありません。
しかしオリンピックもやることですし、放っては置けないのでしょう、政府もやっと担当大臣を置いたり、総理が訪米のついでにファイザーの社長に電話したりして、最近は少しワクチンも入って来て接種率も2%ぐらいにはなったようです。
これはまあ、結構なことですが、いつまでにどのくらい入ってくるかは国民には全く知らされていません。知らされているのは、7月までには高齢者に対して2回の接種は完了する予定という情報だけで、2回ですからファイザー社のワクチンでしょうが、ファイザー社からの供給がどうなっているかの説明はありません。
国民は皆ワクチンが来なければどうなるんだと思っています。政府は情報を持っているのでしょうが、国民には知らせないという事でしょうか。
更におかしなのは、昨日ですか河野担当相が突如として全国の市区町村にワクチンを1箱ずつ配ると言いました。
何で1律1箱か問う質問には1箱でも1000箱でも手続きは同じだとか言ったそうです。1箱配って、自治体に接種の順番や手続きの練習をやらせるという趣旨だったようです。そんな事のためにマイナス73℃の冷凍貯蔵の貴重品を、たった1箱づつ全国市区町村に配るものでしょうか。
そして今度は、都内の区等への配分の基準が解らないという問題が起きています。
人口も高齢者も多い世田谷区が17箱、葛飾区47箱、江戸川区38箱といった数字が出て、一体どうなってるのという疑問です。
これに対しては、あらかじめ希望の数を聞いていたので、希望の数の多い所に多く配分したとのことでしたが、それならそれと最初から明確にしておかないと、とんだ誤解が生じるというのが一般的な感覚でしょう。
こうした点から見えてくるのは、行政サイドが国民、住民と十分なコミュニケーションをせずに、「知らしむべからず、寄らしむべし」という態度に終始しているという事ではないでしょうか。
「国民の皆様のご意見をお聞きして」は政府の口癖ですが、
・国民に情報を周知し、意見を聞いて適切に反映するのがベスト
・国民への周知は避け、意見を聞くふりをしたうえで無視して勝手にやるのは最悪
本当に今の政府は、モリ、カケ、サクラ以来、国民にとっての重要な関心事について、大事なことは何にも説明してくれないですね。