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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

見えてこないワクチン接種計画の具体像

2021年04月27日 22時14分22秒 | 政治

見えてこないワクチン接種計画の具体像

 日本は世界の国々の中でもワクチン接種率が最下位に近く、OECD加盟国の中ではまさに最下位の国のようで、最近はその状況がテレビの画面で示されたりしています。

 4月18日のOECDの資料では最下位の日本が0.98%、韓国2.98%、メキシコ8.68%から、上はアメリカ39.24%、トップはイスラエルで61.81%まで並んでいますが、先ず解らないのが、何故日本がこんなに低いのかです。責任は政府にあるのでしょうが、政府からの説明はありません。

 しかしオリンピックもやることですし、放っては置けないのでしょう、政府もやっと担当大臣を置いたり、総理が訪米のついでにファイザーの社長に電話したりして、最近は少しワクチンも入って来て接種率も2%ぐらいにはなったようです。

 これはまあ、結構なことですが、いつまでにどのくらい入ってくるかは国民には全く知らされていません。知らされているのは、7月までには高齢者に対して2回の接種は完了する予定という情報だけで、2回ですからファイザー社のワクチンでしょうが、ファイザー社からの供給がどうなっているかの説明はありません。

 国民は皆ワクチンが来なければどうなるんだと思っています。政府は情報を持っているのでしょうが、国民には知らせないという事でしょうか。

 更におかしなのは、昨日ですか河野担当相が突如として全国の市区町村にワクチンを1箱ずつ配ると言いました。

何で1律1箱か問う質問には1箱でも1000箱でも手続きは同じだとか言ったそうです。1箱配って、自治体に接種の順番や手続きの練習をやらせるという趣旨だったようです。そんな事のためにマイナス73℃の冷凍貯蔵の貴重品を、たった1箱づつ全国市区町村に配るものでしょうか。

そして今度は、都内の区等への配分の基準が解らないという問題が起きています。

人口も高齢者も多い世田谷区が17箱、葛飾区47箱、江戸川区38箱といった数字が出て、一体どうなってるのという疑問です。

 これに対しては、あらかじめ希望の数を聞いていたので、希望の数の多い所に多く配分したとのことでしたが、それならそれと最初から明確にしておかないと、とんだ誤解が生じるというのが一般的な感覚でしょう。

 こうした点から見えてくるのは、行政サイドが国民、住民と十分なコミュニケーションをせずに、「知らしむべからず、寄らしむべし」という態度に終始しているという事ではないでしょうか。

 「国民の皆様のご意見をお聞きして」は政府の口癖ですが、

・国民に情報を周知し、意見を聞いて適切に反映するのがベスト

・国民への周知は避け、意見を聞くふりをしたうえで無視して勝手にやるのは最悪

本当に今の政府は、モリ、カケ、サクラ以来、国民にとっての重要な関心事について、大事なことは何にも説明してくれないですね。


アセアンは新しい国際関係への道を開くか

2021年04月27日 00時21分09秒 | 国際関係

アセアンは新しい国際関係への道を開くか

アセアンの首脳会議が24日インドネシアのジャカルタで開かれました。

 このサミットが世界の注目を浴びた理由の一つに、今、まさにミャンマーの危機を演出している国軍のトップ、フライン将軍も、自らはミャンマーの代表として出席したからです。

勿論、ミャンマー以外の各国代表は、将軍をミャンマーの代表とは認めていません。しかし将軍はうまく行けばここでミャンマーの代表として認めてもらい、国際的にクーデターによる新政府が国際的に認められる足掛かりにしようという意図は当然あったでしょう。

アセアンがこの事態にいかなる方針を持ち、いかなる対処をするかは、まさに注目されるところです。
 勿論、アセアンとしては、将軍を正式な代表としては認めず、先ず軍による国民の殺戮行為は即座に停止するべきで、その上で、国の体制はどうあるべきかは、関係する全者の話し合いが必要という最も基本的な形を考えたのでしょう。

 結局ミャンマーに対して、アセアンとして取るべき5項目の計画を示し、それに対する合意を得るといことになったようです。

 その5項目とは

  • ミャンマーにおける暴力行為の即時停止
  • 全関係組織による全国民の利害にたつ平和的な解決探求のための建設的対話
  • アセアン事務局長中心のアセアン主導による仲介
  • アセアンAHAセンターによる人道的援助
  • ミャンマーにおける諸種の活動の現実確認のための特別使節団、代表団の派遣

の5項目です。(以上Bangkok Postなどより)

 硬軟取り混ぜて、微妙な表現もあり、反対はしにくいし、賛成すると、またいろいろなことが起こりそうな、そして実行されれば問題はほとんど解決するのではないかと思われる、極めて確りしたもののように感じられます。

 ホスト国インドネシアのウィドド大統領は、第一項目の、即時一斉に暴力を停止することが最も大事と指摘されたとのことです。

フライン将軍は、公式にはコメントは延べなかったとのことです。

シンガポールのリーシェンロン首相が、スーチー女史の解放を要請したとの報道、また同氏が記者たちに対して、将軍の意見として、アセアンの建設的な役割り、あるいは代表団の来訪あるは人道的支援には反対しない。アセアンと共に建設的に前進しようと思うと、将軍の言葉を引用しながら話したと伝えています。

考えてみれば、第二次大戦後に独立を果たし(タイはもともと独立国)、ともに発展する新興国のグループとして目覚ましい発展をしてきたアセアンです。

結果がどうなるのかまだ解りませんが、もし暴力が収まり、正常な民主主義が機能するようになれば、事は単にアジアの一部ではなく、世界の国々、地球人類のガバナンスに道を開く活動の嚆矢となる可能性もあるのではないでしょうか。

良い成果を期待したいと心から思う所です。