tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政府不信の進行を憂う

2021年04月25日 20時23分49秒 | 文化社会

政府不信の進行を憂う

 日本人は勤勉で真面目という印象を持たれているようです。

 例えば赤信号の交差点で、車が来なければ渡と言おう判断をする人が多い国もありますが、日本人はたいてい青になるまで待っています。

 中には日本人でもアメリカやヨーロッパで、車が来なければ渡るという行動を見て、これが自立・自己責任、行動の自由の本質だなどと感心するのを聞いたこともありますが、多くの日本人は亜あり賛成しないでしょう。世の中には予想外のことも多いのです。

 今回のコロナの問題にもそんなところがあります。欧米はじめ海外では、感染は自己責任といった意識が強かったようで、一方日本は昨年4月5月と緊急事態宣言をだしその結果の感染率は、外国が不思議がるほど小さなものでした。(当時のグラフを改めてみてください)

 しかし、その後が良くありませんでした。おそらく、政府は緊急事態宣言の効果を見て、対策は容易と誤解したのでしょう。

外国では、例えばアメリカのように感染が急拡大し、トランプ大統領は慌ててフォード社に人工心肺装置の大量生産を命じたり、ワクチン開発に1兆円以上の補助金を出したりしました。

 どちらも、政府としては失敗だったという事でしょうが、失敗の本質はアメリカの場合は最初に「自己責任て済む」と考えた事、日本の場合は最初は慎重に考えたが、その結果が大変に上首尾だったのを、緊急事態宣言の効果と考え、いざとなれば「宣言」で何とでもなると考えた事のようです。

 日本の場合、これならGoToで景気落ち込みを防げるぞと考えたのでしょう、結果的に感染を大きく広げ、ワクチンは他力本願、宣言の代わりに「マン防」を出したりし、ついには3回目の「緊急事態宣言」に入るという、全て後追いに終始する結果になりました。

 政府の意向を忖度していた専門家会議も、最近は、多少政府に批判的なことも口にするようになり、国民の中でも、早くワクチンを射ちたいと言う人が増えていますが、中には「緊急事態宣言」が出てももうあまり効果はないんじゃないですか、などといった発言も聞かれます。

 「緊急事態宣言」の効果は、感染者の数が増えるほど、また、「特に行動を変えない人」が増えるほど小さくなっていきます。

 しかも今回の「緊急事態宣言」は4月25日から5月11日の17日間ということで、東京と大阪、兵庫、京都の4都府県、何か、ゴールデンウィーク前後だけ出歩かなければいいという事のようですが、これで「宣言」がどの程度有効でしょうか。

専門家からは、この期間ではとても無理という意見出ているようですが政府には政府の都合がありそれが優先されているのでしょう。

 政府は「短期間で厳格に」という趣旨の様ですが、厳しくやると言っても、感染するかどうかは国民一人一人の行動次第なのです。

 この1年の政府の政策を日々経験して、次第にコロナ対策に批判的なっている国民に、厳しい努力を求めても、1年前の様にはいかないでしょう。 

 その責任は、国民にではなく、適切な対策を打ってこなかった政府にあるようです 政府は、政策の効果が思ったように上がらなくてもそれは自らの責に帰するものと心得、日本人という真面目な国民の信頼を維持出来なかったいという自責の念を痛感してほしいと思う所です。